2006 08,27 18:12 |
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映像は、新鮮というよりは、とても懐かしいテイストだった。昭和40年代の映画を観ているよう。懐かしいのに、新しい、とても不思議な感覚の映像。音楽もレトロな雰囲気で、またセンスがめっちゃいかしてる。 兄弟の確執をオダギリ・ジョーと香川照之が最高の演技で魅せる。彼ら以外に考えられない絶妙なキャスティング。台詞、視線、狂気、日常、どれも完璧な演技でゾクゾクする。 現代のある家族の日常を切り取り、人間という生き物の本質に迫る脚本は、圧巻で、演出、演技、音楽、映像のあらゆる要素が溶け合って昇華する。こういう映画をもっと観たいものだ。 それぞれの登場人物が秘めた想いを表現している。ラストシーンも秀逸。 栗4つ。 銀座テアトルシネマにて。 23時過ぎに終わるレイトショーなのに満席。 |
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2006 08,26 22:13 |
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2006 08,23 22:16 |
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2006 08,22 23:19 |
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充実した一日の最後は、やっぱり落語。金時、金八、金也の三師匠の会だ。
木戸で、見知らぬ人に、「今日は、ゴールドラッシュさんと誰が出るの?」と聞かれた。いろんな人がいるんだなあ。 今日は、adoさんも一緒だったので寂しくなかった。この会は、ネタ卸しの会だよ。 歌五 「子ほめ」
初めて拝見する前座さんだった。円歌師匠のお弟子さんだそうで、どうみても30代だったなあ。で、落語は、なかなかお上手で、無表情に徹しているその様がなんとも面白かった。 金八 「祇園祭」 この噺って結構長いものだったのね。いつも寄席で聴いているのが途中からだったのが分った。金八師匠の高座は、明るく楽しい。江戸vs京都、なんとも可笑しい掛け合いが最高だった。 金時 「かんしゃく」 この噺、馴染みが無いなあと聴くまで思っていたけど、小三治師匠で何度か聴いたことがあった噺だった。これかあ、って思い出した。 金時師匠は、キャラクター設定が本当によくできていて、面白い。あれは、誰をイメージしているのかなあ、なんて考えながら聴くのも一興。 この噺、樋口一葉の「十三夜」みたいだなあ、なんてちょっと思ったりした。 和助 太神楽曲芸 すごい量の道具とユーモアたっぷりの小道具を持って登場! ネタの軽いプレゼンをして、客にどれが観たいか拍手で選ばせた。流石、池袋に来る客。普段寄席で見られるものをことごく避けたネタ選びだった。(笑) 包丁の上で皿を回すの観ていて冷や冷やした。 金也 「品川心中」 女という生き物は、江戸時代から怖いものだったのねえ。男という生き物は、江戸時代から愚かだったのねえ。 クライマックスの心中シーン、お染と男の掛け合いが最高に面白かった。人を殺してひょうひょうとしたお染のモノローグに大笑い。 この会、恒例の打ち上げに突入。金八師匠、働く、働く・・・。偉い! 池袋のトリ、鈴本のトリ、浅草での住吉踊り、今日のゴールドラッシュ と怒濤の仕事をこなした金時師匠、打ち上げで超ハイテンション。とばすとばす・・・。下ネタ混じりの駄洒落にちょっと閉口。「次は、40日連続トリでも大 丈夫だと自信がついたよ」だって・・・。お席亭、どうぞよろしく。 そして金時師匠にも「太ったねえ」と言われてしまう。金翔さんしかり、師弟でいじめなくても・・・。 本日のトリを勤めた金也師匠。色白で有名だが、夏の海で焼けたのか真っ黒。それでも、やっぱり僕の方が黒いなあ。 金也「mixiって、どうすりゃいいの? ブログも書かなきゃいけないから、そのために犬の散歩に行ったりしてまーす」 |
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2006 08,22 22:23 |
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展示は、日本美術における「写す」がテーマ。これは、模写ではなく、美の継承である。展示は、古の美を「そのまま写す」、「変化を変えて写す」、「様式を写す」、「自然を写す」などのパートに分かれており、どれも溜息ものの素晴らしい展示になっている。 能面は、写しと継承の歴史であったことがよく分かった。また、自然の虫や果物を象牙や鉄で象った作品は、まるで動き出すような、そのまま食べられるような衝撃的な技巧だった。 圧巻は、円山応挙の国宝「雪松図屏風」とその写し。ゆったりとした空間で、並べられた作品群を観ていると静寂につつまれ吸い込まれそうになる。 混んでいるプライス・コレクションより、満足度、充実度は、こちらの方が高いかもしれない。 |
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2006 08,22 19:24 |
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映画は、淡々と事実を追っている。実際のフィルム、音声記録、遺族へのインタビューなど相当な取材を重ねたようだ。管制塔の職員など、実際の人が出演していたりする。 映画は、まるでドキュメンタリー・フィルムを観るようで、犯人も、死に行く乗客の感情や内面、どんな経緯や思いで飛行機に乗ったなど、あらゆる要素を切り取って、ただ冷たくあの日の2時間を描いている。 Discovery Channelでも同様のドキュメンタリーを観たが、あちらが、テロにあった全ての飛行機、WTCにいた人、家で電話を受けた家族に焦点を当てていた。この映画は、UNTED 93便に乗った乗客と犯人、管制塔や軍の関係者のみをフォーカスしている。 とりわけ、この93便は、唯一、テロリストの目的を達成させなかった。乗客の勇気ある行動には、感動すら覚える。 後半の展開は、下手なアクション映画も真っ青の緊迫感と迫力だ。あともう少しで、もしかしたら助かったかもしれない・・・。しかし、観客は、この結末を知っている。それだけにとても切なく悲しい。 あの日の記憶の記録としての価値がある。栗3つ。 日比谷スカラ座にて。 |
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2006 08,21 23:26 |
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2006 08,21 21:28 |
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それでも、夜は、結構涼しい。 家 は、海と隅田川に挟まれているので、夜、窓を開けていると潮風と川面を渡る風が心地よい。昔は、隅田川にゴミや死体がよく浮いていたと聞いたことがある か、最近は、結構綺麗な川になっている。浅瀬は、結構水が澄んでいて、魚や蟹の姿も見える。釣りをしている人もたくさんいるから、魚いっぱいいるんだろう な。時折、大きな音がして、川面に水の輪ができていることがあるけど、あれって大きな魚が跳ねたのかな。昔は、こういうのを聞いて、河童とかに結びつけた のだろうか? |
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2006 08,20 23:29 |
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笹塚通いも今日で最後。談幸渾身の三日間の楽日となった。今日も江戸の不思議な世界へ。
吉幸 「元犬」
なんかすごく髪の毛が短くなっていた。 吉幸さんの「元犬」も、もう何度も聴いているなあ。それこそ、ブラ房時代から・・・。さっきまで犬だった男の可愛くも可笑しい仕種が笑わせてくれる。 談幸 「天狗裁き」 これは、大好きな噺。人間の愚かで馬鹿だけど可愛いところが良く出た噺で、サゲもよくできているね。 奉行から、「芝居はもうよい」と言われて、「芝居じゃないですよ」と返すあたりの表情は、本当に困り果てた主人公の気持ちが良くでていたなあ。登場人物になりきって、落胆し、苦笑する様が見事だ。 談幸 「豊志賀の死」 江戸不思議ワールドの最後は、圓朝作「真景累ヶ淵」より「豊志賀の死」。これも単なる怪談噺に終わらず、人間の心情がよく表されている名作。恨む側も恨まれる側も、その道理がよく分かる。 今日も、照明や鳴り物を効果的に利用して、会場外とは別の空間を作り上げ、ちょっぴり怖い雰囲気に・・・。 後半、豊志賀が死ぬあたりでハプニング。なんと、照明から煙がでて何かが燃えている焦げた匂いが会場に充満。終演後、師匠が「たたりかなあ?」なんて言ってたけど、ちょっと怖かった。 談幸師匠は、終始、新吉をユーモラスに表現していた。本当に怖い時は、実はあんな風に笑ってしまうのかもしれない。 それが一転、続く「お久殺し」の鎌のシーンでは、思わずウッとのけぞりそうになった。今日が昼の公演でよかったよ。帰り道怖くなっていたかもって、今の東京は、江戸とは随分変わり果ててしまったなあ。 怪 談噺の後、お客さまを陰気なまま帰さないようにと、昔は、寄席でも踊りを披露したらしい。今日も、吉幸さんのかっぽれと、談幸師匠の踊り「蝙蝠」を披露。 噺家さんの踊り、好きなんだよね。談幸師匠の踊り、粋でいなせな風情を感じた。もっと観たかった。そして、三本締めで終演。 充実した三日間。来年も期待してるよん。 |
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2006 08,19 23:31 |
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仲日。二日目とは言わないのよ。(笑)
昨夜に引き続き、今日も談幸師匠が案内する<江戸不思議ワールド>へ。 松幸 「手紙無筆」
今日の太鼓は、談幸・松幸の師弟競演。 前座は、今日は、吉幸さんかなあと思ったけど、昨日に引き続き松幸さん。多少大げさな描写が若々しくていいね。 談幸 「お若伊之助」 思い焦がれて、病の淵に現れた愛しいのあの人の正体は・・・? 恐ろしい怪談か、哀れな悲恋な物語かと思いきや、狸が出てくる可笑しい噺。 談幸 「質屋庫」 怖がりの二人の描写が可笑しく、また挿入される質草への「気」の話は、面白いねえ。可笑しさとおどろおどろしさと、不思議なサゲが絶妙の作品。楽しいながらも、会場がずっと暗かったので、鳴り物が噺に合わせて鳴ったりすると、ちょっとびっくりしてしまう。 明日は、いよいよ 「豊志賀の死」だよー。怖いよー。 |
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