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2008 02,12 15:07 |
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敬愛する談幸師匠が、内弟子時代の思い出を綴った本。談志師匠と一つ屋根の下、知りたいような知らないほうがいいような、落語ファンならかなり気になるその生活を垣間見ることができる。 これは、危険な書物でもある。電車で読んだら、ニタニタ、ニヤニヤ笑ってしまう。おまけに、時々吹き出してしまう。 一見怖そうな談志師匠の優しさと可愛いらしさが全編に溢れている。師匠と弟子の関係、サラリーマンの世界にはない素晴らしい絆だなあと実感した。でも、師匠が絶対で、逆らえないってのは、僕には無理だなあ・・・。(笑) 先代の小さん師匠と食堂をはしごするくだりは、もう抱腹絶倒。 談志師匠のお酒の嗜好、歌の趣味など楽しい話題が盛りだくさん。 それよりも何よりも、やっぱり談幸師匠が素敵。落語への情熱と愛がひしひしと感じる。 まがい物が何気なく混じってのほほーんとしている今日この頃、本物の落語、本物の噺家は、立川談幸にあると、僕は、思うのだ。 談志狂時代―落語家談幸七番勝負 立川 談幸 (著) # 出版社: うなぎ書房 # ISBN-10: 490117424X # ISBN-13: 978-4901174244 |
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2008 02,11 21:09 |
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アン・リー、やっぱりすごいぜ。展開は、容易に予想できる範囲なのだけど、演出と役者の演技によってここまで奥深いものになるのね。映画って素晴らしい。 まあ、難を言えば、前半、演劇学生があんな大物を騙せてしまうという設定がちょっと感情移入できず・・・。金持ち婦人?貿易商の旦那?無理があったなあ・・・。 それから戦時下にしては、緊張感と緊迫感が無かったなあ。 でも、でも、でも、この余韻、この体の震え、やっぱり映画は素晴らしい!酔いしれたなあ。 この映画を大画面で観たくて、新宿まで行ってしまった。 新宿バルト9 スクリーン8にて。栗4つ。 日に何回か上映されるが、二回目だけ大きなスクリーンでの上映だった。 |
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2008 02,11 20:10 |
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2008 02,10 23:11 |
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古今亭朝太の会に出かける。この会、前から行きたかったのだが、ずっと平日の夕方で行けず、今回は、休日だったので足を運ぶ。
どちらかというとコロコロとしてぽっちゃりしていて三枚目風だった朝太さんだが、昨年のダイエット・レースで29キロの減量に成功し、なんか二枚目のイケメン風になっていた。おでこの辺りで余った皮がチャウチャウ犬のような皺になっていたけど・・・。 志ん坊 「子ほめ」 今日の前座さん。発声が出来上がっている感じ、堂々としている。落研出身かな? 八朝 「権助魚」 会の世話役も勤めている八朝師匠。朝太さん自身が大して宣伝していない会にこれほどお客さんが来るのは、八朝師匠の尽力なんだろうなあ。 ちょっとオーバー・アクション気味の権助だったが、今まで見たことがない感じで面白かった。おかみさんの表現が色っぽい。 朝太 「唖の釣」 与太郎が可愛く、最高に可笑しい。軽快なテンポ、表情も身振りも素晴らしく、このところなんかすごく良いなあ。 いっ平 「井戸の茶碗」 八朝師匠曰く「海老名家で一番良い子」、それはなんとなーく納得。されど、襲名イベントの派手さばかりが先行して、海老名家の落語の出来はいまいちだなあ。「林家は、古典が苦手ですが、今日は古典をやります」と宣言して、『井戸の茶碗』へ。よく動く眉毛は、なかなかなれど、さぐりさぐりの展開はとても怪しく、キャラクターが全然演じ分けられていない。どれも同じ・・・。 最後に何度もお辞儀して舞台袖に帰って行ったが、観客へのお礼というよりお詫びとしか受け取れなかった。 噺家には、いろんなスタイルがあっていい訳で、古典がダメならダメと割り切ってもいいのでは・・・。『井戸の茶碗』、せっかくの良い噺が台無しだった。 でも、三平になってがんばって! 僕はダメだけど、林家がいいという人たちのために・・・。 ホームラン 漫才 ものすごく楽しい、可笑しい。抱腹絶倒だ。「話は変わるけど・・・」と、強引にネタを変えるのもすごく可笑しい。 演芸は、生の舞台で見るに限る。客をいじりながら、本当に楽しい漫才だ。これからもたくさん聴きたい。 朝太 「宿屋の富」 こちらもとても楽しく可笑しい。このところ堂々としていて風格も出てきた。いっ平の落語がかすんでしまう。 主人公が金持ちだという大ぼら吹くシーンも、二等が当たる予定の話のくだりもとてもテンポが良くぐいぐい引き込まれた。 明るく楽しい高座、ずっと見ていたいと思った。 |
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2008 02,09 21:14 |
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Doblog仲間のUTさんこと加藤雄太さんの個展に足を運んだ。以前、京橋のギャラリーで開催された時も出かけたので顔見知り。
彼の作品のモチーフになっているのは、丘の上に建つ家と空だ。シンプルな構成と少ない色使いの中で心の風景を描いている。 今 回、際立って印象的だったのは、基本的なモチーフは今までと変わらないが、それらが様々な「揺らぎ」の中にあったことだ。ある絵は、岩に落ちた水が流れる ように下へ、ある絵は風が吹くように横へ、ある絵は湖面に映るように左右に、ある絵はまるで燃え上がる炎のように上へ・・・。 ギャラリーの正面奥にあった絵が、まさしく燃えるようにめらめら天上へ昇っていく炎のようだったが、色は、緑である。彼は、全て岩絵具で描いていて、それが独特の深みを出していた。 見たことないのに心にあるどこかで見た風景。心に浮かび、脳味噌に一瞬フラッシュバックされる不思議な感覚に陥る。 残念ながら、展覧会は今日で終了。次回、またどこかで開催される時は、ぜひ足を運んでみてはどうだろうか。 銀座の画廊で、美術談義。優雅な休日の午後であった。 |
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2008 01,27 15:15 |
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素晴らしいのは、前半の中心人物であるアショカとアシケだ。二人ともとても印象的な演技でしみじみとした余韻を残す。一方、子供たちを演じる役者は、それほど魅力的でない。 映画も全体を通して観るとどこに焦点があたっているのか分からず、物語は散漫だ。 それでも、ある家族の何でもない一生をしみじみと描き、切なくもちょっと幸せな気分にさせてくれる。とりわけ根底にインドの文化や宗教が流れていながらもアメリカという土地に染まっていく若者たちが興味深い。 ちょっと散漫な印象で、名前にちなむエピソードが拍子抜けだが、家族や人生について考えさせられた。なんとも言えない味わいのある余韻を残す。 栗4つ。 日比谷シャンテシネ3にて。 |
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2008 01,26 23:16 |
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これは、とても良い映画。
オーソドックスな作りだが、原作がいいのだろう。大人になってから忘れてしまった何かを気づかせてくれる。 森の中の秘密の場所、子供の頃は持っていたなあ。イマジネーションの世界は、大好きなのだ。 音楽の授業のシーンが秀逸。歌われる曲も素敵だ。 心がすがすがしくなる。 テレビゲームや漫画ばかりが原作の昨今の邦画に欠けているものが、この映画にはあるなあ。文字が持つ力、文字から広がるイマジネーション、それがやはり一番素晴らしい。 栗4つ。 ユナイテッドシネマ豊洲スクリーン11にて。
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2008 01,26 20:17 |
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吉永小百合は、素晴らしく魅力的なるも、過去の山田洋次監督作品と比べるとがっかりするくらい平凡な出来。
視点は違うが同じ主題の黒澤の 「わが青春に悔なし」と比べてしまうとあまりにお粗末。まあ、母親に焦点があたっているのでしょうがないが、映画というより、原作者の思い出話を聞いてい るようで、それもやはり戦後間もない頃の映画と比べてしまうと観客を引き込むだけの力がないなあ。 黒澤、成瀬、木下など、戦時中の抑圧から解放されて、ここぞとばかりに芸術をものすごいパワーで炸裂させた戦後の作品を観ているので、この「母べえ」では何の感慨もないなあ。ああ、そうですかって感じ。 意外や印象的な演技を見せる鶴瓶だが、とってつけたようなエピソードはそのまま無くなっても何の違和感もない。 映像表現も陳腐だし、ストーリーの展開も予定調和、これが山田洋次監督作かと思うと、ただただ残念なばかりだ。 山田洋次は、大好きな監督なだけに、消化不良気味。 されど、吉永小百合は、素晴らしい。吉永小百合の演技を観るだけの映画だ。 野上照代は、黒澤の仕事を見ているはずなのに、この程度ですか? 栗3つ。 ユナイテッドシネマ豊洲スクリーン10にて。 |
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2008 01,25 23:18 |
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今夜の「誰でもピカソ」、聴き惚れました。素敵すぎます、ちあきなおみ。
子供の頃から大好きで(<-どんな子供だ)、CDも、紅白の録画も持っています。しかし、大人になってから改めて聴くと、なんとも心に染みる歌声。映像で見るとその演劇的表現力に圧倒されました。歌を一曲聴いたというより、舞台を一つ観たような感覚です。 共通しているのは、メロディもさることながらどの楽曲も詞が素晴らしいということです。昔の歌は、良かったねえ。そして、本物の歌、本物の歌手とは、ここまで違うものなのですねえ。 個人的に大好きな「かなしみ模様」、「花吹雪」、「さだめ川」なんかを生で聴きたいですねえ。 なんか、お酒が飲みたくなりました。酔いしれて、ちょっと泣いて、そして眠りにつきたいです。 ああ、今度は、フランク永井を特集してくれないかなあ。 |
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2008 01,20 21:19 |
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マイミクゆみこさんがお席亭の落語会。回を重ねるごとにお客さんが増えてきている。そろそろ日本橋亭では窮屈だなあ。毎回、楽しい企画があり、メンバー 揃ってのおしゃべりもすごく面白い。今回は、メンバー間でネタ教え、教わって高座にかけようというもの。誰が誰に教えるかは、くじで決めたそう。
菊志ん 「だくだく」 明るく元気ある高座。テンポもよく、楽しい。先日、好二郎さんのを聴いたばかりなので、比較しながら聴いたが、やはり菊志んの落語になっている。すごい。 鯉朝 「祇園祭」 苦しいというかひどい出来。そもそも噺をちゃんと覚えていない。思い出し、思い出しで冷や冷やした。ネタが完全に自分の中に入っていない。他のメンバーが全員、きちんとネタを覚えてきているのに、あまりにプロ意識に欠ける。笑いをとっていた部分も本筋に関係ないアドリブだ。 江戸っ子は全然粋でなくメリハリもなく気性も穏やか、一方京都人もただただ気味が悪いだけ。江戸っ子と京都人の対比がこの噺の見せ所なのにまるでダメ。一言で言えば、どちらもただただ気持ち悪い。 この人に、古典は無理なのだろう。ペコちゃんとホテトルをやり続けるしかないのか。 まあ、今回の中で一番難しい噺だが、あまりにひどい、がっかり。 好二郎 「公家でおじゃる」 この人は、何をやらせても上手い。自分とは異質ネタと言いながらも完全に自分のものにしている。きちんとネタで笑わせており、鯉朝とは大違いだ。噺を自分流に料理して、客に披露している。 丈二 「江戸の荒物」 こちらも出来としては、ちょっと怪しいが、関東人が関西人を演じ、その関西人が江戸弁を話すという難しさのネタ振りが功を奏し、そうした前提の上で別の笑いが生まれた。 関西人の走り方に場内大爆笑。 里光 「よるのてんやもの」 関西弁バージョンで。この人も自分らしくネタを料理していた。 |
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