2006 11,05 21:49 |
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正倉院展と並んで今回の旅のもう一つのメインイベント「興福寺 国宝特別公開2006」だ。中金堂や北円堂など4年や5年ぶりの内部公開となる。 も ともと興福寺には、東西の金堂の間に中金堂があった。金堂は、まさにお寺の中心。それが江戸時代の享保二年(1717)に焼失、その裏手に建てられた仮金 堂が現在の金堂になっている。この仮金堂は、文政二年(1819)の建造。中金堂より若干小規模で、仮というだけあって内部もそっけない。 本尊は、釈迦如来。江戸時代のもので5代目の本尊となる。 現在、中金堂を再建すべく基礎工事の真っ最中だ。 国宝館は、普段も公開されており、有名な写真の阿修羅像は、いつでも観られる。 今回の目玉は、「板彫十二神将展」の一挙展示。縦約1m、横約40cm、厚さ約3cmの檜板12枚に掘り込まれた平面の像で、小さな枠に魔法で押し込まれたようななんとも不思議な作品群だ。言葉で表現できない浮き出し感(立体感)が躍動的で素晴らしい。 等身大の法相六祖坐像も圧倒的迫力だった。まるでこれから動き出すかのよう・・・。 今回、個人的なクライマックスは、ここ北円堂。弥勒如来坐像は、運慶の作。代表作とも言われる傑作だ。 そ、そ、そして、ここには、やはり 運慶作の無著菩薩像がある。この像は、単体で過去の興福寺展で東京にも展示されたことがあったけど、やはりあるべき場所に立っているのを観られるのは至福 の喜びだ。角度によって様々な表情を見せるこの全てを達観したような眼差し、紛れもなく日本彫刻の傑作中の傑作の一つだ。 ここは、初層を覗き込む形で公開されていた。ここも中を見るのは、初めてだ。美しい三重の塔だが、内部には弁財天が安置されていた。とても可愛い小さな弁天様だった。 内部は、かなりはげていたが、千の如来が小さく描かれていた。天井も美しい模様だが、かなり色褪せていた。明治に復元された部分が緑と赤で美しい彩色だった。 こちらは、お馴染み猿沢の池からの興福寺五重塔。 京都は、だいぶ景観が乱れてきたが、奈良はいつきても1000年前と変わらない。(・・・と思う) いつまでも、この美しい姿で旅人を迎えてほしい。1000年を超えるシルエット、奈良には今でもそれがあるのだ。 |
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