2005 08,08 17:28 |
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これは、昭和17年の作品。戦意高揚のために作られた映画。大本営海軍報道部の企画による作品だ。軍国主義時代の日本が作った映画だが、これは、とても観る価値がある。僕は、この映画を銀座の並木座で観た。
戦意高揚のため、オールスターのキャスティングは、超豪華だ。原節子、藤田進、大河内伝次郎、新藤英太郎など、当時の東宝トップスターが総出演している。それも、皆、出演シーンは、少ないにもかかわらず・・・。 こ の映画のオープング、映し出される日本の田舎の原風景の美しさには、圧倒される。キラキラと輝く川面や山の緑、青空が、白黒映画なのに、まるでカラー映像 のように観客に記憶される。原節子の美しさも眩いばかりでくらくらする。戦争という厳しい時代だが、描かれている家族の姿は、今よりずっと美しい。 中盤、映画は、予科練に舞台が移る。まるでドキュメンタリーのようで、当時を知る貴重な映像だ。予科練での一日の生活が克明に映し出される。 後半は、ハワイとマレー沖の海戦シーンが延々と続く。円谷英二が担当した特撮シーンは、見事だが、あまりに時間が長く冗長で飽きてくる。後半は、ひたすら攻撃するだけで、何の物語もなく、見終わった若者を戦場へ誘う目的だけだ。 戦後、円谷の初期作品として語られることが多いが、美しい日本の原風景と予科練の映像が圧倒的で、映画前半は、見る価値大だ。 戦意高揚映画だから、多分に美化されたところがあるのだろうが、一人間の心は、今よりずっと純粋で美しかったような気がする。 cハワイ・マレー沖海戦 昭和17年・東宝 監督 山本嘉次郎 出演 原節子 藤田進 大河内伝次郎
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