2005 09,04 18:43 |
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『平家物語』に名高い白拍子・祇王ゆかりのお寺です。平清盛の寵愛を受けていた祇王は、仏御前の出現によって捨てられ、祇王は母と妹とともに嵯峨野に庵を結び、尼となります。平清盛に仏御前をひき合わせたのは、祇王本人、人生とは、不思議なものですね。立ち去った祇王が詠んで長年住み慣れた平清盛の家の柱に貼った歌「萌え出づるも枯るるも同じ野辺の草 いづれか秋に逢はで果つべき」は、有名ですね。これ、「芽生えたばかりの草も枯れようとする草も、野辺の草は結局みな同じように、秋になると枯れ果ててしまうのです。人もまた、誰しもいつかは恋人に飽きられてしまうのでしょう」という意味です。ああ、なんとも人間の(男の?)心のうらはらを詠んだ名歌ですね。後に仏御前も祇王を追い、祇王の母と妹とともに4人の女性は念仏三昧の余生を過ごしたのが、このお寺ですね。小さいながらも見事な苔、秋の紅葉の美しさは、筆舌に尽くせません。 小さな庵内には、大日如来を中心に祇王・白拍子仏御前・祇王の母と妹の4人の女性と平清盛の木像が祀られており、いずれも鎌倉時代の作です。平清盛の木像が、柱の影に置いてあって見え難くなっているのが、なんとも趣深いです。 庵から見渡せる小さいながらも見事な苔の庭園。溜息がでます。 苔が本当に見事です。もう、たまりません。 11月には、これが全て赤く燃えます。 |
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