2015 06,13 22:29 |
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町屋のムーブホールへ談幸師匠の独演会に出かける。今日の噺は、夏の三題。落語は、とっても季節感があるのだ。
幸之進 「狸札」 そうか、落語芸術協会に移籍したので、また前座からなのか。寄席の楽屋のイロハを学ばなくちゃいけないからかな。でも幸之進さんらしい高座は、ほっとするね。 談幸 「麻のれん」 テレビやラジオでかけられず、また寄席や落語会でもあまりかからないネタだ。でも江戸時代の方が、障がい者が地域のコミュニティーの中で普通に生きていたような気がするなあ。今は、気にかけているようで、特別扱いしている気がする。普通であることがいいと思うのになあ。 麻ののれんや蚊帳、夏の昔話は、日本の風情が感じられて好きだなあ。 談幸 「船徳」 こちらも当時の夏の風物詩が楽しい。大川を船で行く、暑い夏に涼を求めるはずが、とんだ船頭によってハプニングへ。「青菜」しかり、落語の夏の噺は、涼しくなるはずがとっても暑苦しい。(笑) 若旦那の船頭も船客の二人もとっても楽しくて、愛らしく憎めない人物描写に幸せな気分になった。 談幸 「豊志賀の死」 「真景累ヶ淵」の中でもっとも口演されることが多い。談幸師匠の高座でも何度か聴いたことがある。祖先の因縁からの悲劇なのだかが、そこには人間の嫉妬と自我が強烈に存在する。全くもって圓朝恐るべしだ。 談幸師匠は、湿っぽくさせすぎず、ユーモアも交えて話を展開する。怖い場面でも笑ってしまう客もいたが、本当に怖い時ってその後、笑ってしまうのも分かるなあ。 夏の噺を満喫できた素晴らしい会だった。 |
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2015 05,20 23:55 |
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前回の会の翌日、タンザニアへと旅立った三之助師匠。その道中のいろんなトラブルや素敵なエピソードの片鱗は、師匠のfacebookで逐次報告されていたけれど、やっぱり直に土産話を聞きたいと思っていたファンも多いはず。今日は、そんな想いに応える会だったね。
ぼたん 「千早振る」 今宵のゲスト。来年真打昇進が決まり、明るく楽しい高座。有名な噺だけど、微妙に細かいところが他の演者と違ったりするのも落語の楽しさ。ぼたんさんならではのちょっと斜に構えて皮肉っぽい表情ながらも、人間への愛情に溢れた想いが染み渡る。 三之助 「死神」 僕が落語を聴き始めた頃、落語界は、志ん朝師匠、談志師匠、円楽師匠(先代)、円鏡師匠が落語四天王と呼ばれ(柳朝師匠は亡くなられていた)、小三治師匠は、その二番手という感じだった。この頃は、小三治師匠のチケットも簡単に手に入ったからねえ。そんな折、いろんな演芸雑誌や新聞の芸能欄で、「ものすごい『死神』をやる奴がいる、小三治だ」というのをよく見かけたなあ。 だから、三ちゃんがこのネタを演るのは、とっても感慨深いのだよ。 今日は、まだ生まれたてでちょっとぎこちない感もあったけど、やっぱり人物描写や情景の表現はいいね。初めて聴くサゲだったので、終演後、「なにあのサゲ?」って聞いたら、オリジナルなんだってよ。ただ、僕は、小三治師匠のくしゃみのサゲが落語っぽくて好きだなあ。 個人的は、今後とっても楽しみなネタが増えたな。 三之助 タンザニア 今夜は、特別プログラム。タンザニアの土産話。一大巨編だ。(笑) 40分くらい喋ってたよねえ。それでも前編ということらしい。またいつか機会があればだね。 終演後は、いつものお店で打ち上げ。 世界で一冊の写真集。三之助師匠を見かけたら、見せてもらってね。 次回、三之助をみたかい? vol.40は、7月29日(水) 日暮里サニーホール・コンサートサロンにて。 |
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2015 04,28 23:54 |
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今宵は、神保町のらくごカフェへ。このキャパが落語を聴くには一番理想的だな。とっても見やすい聴き易い。19時30分開演てのもいいよね。それでも仕事が終わらず、持ち帰りだけど、なんとか開演には間に合った。
三之助 「浮世床」 三之助師匠が二つ目時代から何度も何度も聴いているけど、毎回惹き込まれる。人間って単純で正直なところが本当に愛らしい。 文菊 「笠碁」 頑固な二人の老人の表情がとっても楽しい。仕事の疲れが一気に吹き飛んだね。 文菊 「悋気の駒」 こちらも小僧、妾、女房がとってもいい味を出している。自分にあう噺を上手に選んでものにしている感じだな。飄々とした感じがたまらない。 三之助 「一人酒盛」 この噺は好きじゃない。そして、三之助師匠もこの噺を生き生きとしたものに出来ていないなあ。ただ、難しい噺に挑戦しているという心意気は感じる。正直、現状のままでは観客への負担が大きい。本当に難しい噺だね。三之助師匠だから、今後この噺がどうなるか期待はしてる。 |
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2015 03,27 21:43 |
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金原亭馬吉改メ馬玉 真打昇進襲名披露興行を観に鈴本演芸場へ。応援していた若手の噺家さんが真打になるのは、やはり感慨も一入だ。しかし、一度に10人も真打に昇進すると、トリをとるのは10に一度。各寄席でたった一回きりだ。おまけに土日にあたらないケースも出てきて、今日は、会社を午後半休にした。早めに来て並んでいたら、後から後から知り合いがやってくる。皆、休みを取ったり、仕事を早めに切り上げて来てくれるのだ。これは、本当に嬉しいよね。 翁家社中 太神楽曲芸 馬生 「ざるや」 正蔵 「新聞記事」 松旭斎美智・美澄 奇術 小勝 「蔵前駕籠」 馬風 「楽屋風景」 ホームラン 漫才 白鳥 「ナースコール」 さん喬 「時そば」 口上 司会:正蔵 権太楼 馬風 馬玉 馬生 さん喬 市馬 にゃん子・金魚 漫才 市馬 「長屋の花見」 権太楼 「代書屋」 正楽 紙切り 馬玉 「転宅」 たくさんの友人、お知り合いが客席にいるなか、お披露目独特の祝いの雰囲気がとても温かい。口上は、場内大爆笑。大御所たちがこれからはライバルとなる新真打をユーモアと優しさで讃えてくれる。噺家さんの世界ってきっと厳しんだろうけど、こういうのを見るとちょっと羨ましくもなるね。 新真打馬玉師匠の「転宅」は、勝ち気な妾が色っぽく、間抜けな泥棒もいい味出ていて、とっても面白かった。初の大舞台だったけど、惹き込まれたねえ。これからの活躍が本当に楽しみだ。 |
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2015 03,21 20:51 |
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小石川のこんにゃくえんまで開かれる古今亭志ん陽の会。高座の後ろの螺鈿の釈迦の涅槃図が・・・。こちら側に座る観客は笑うんだけど、釈迦の弟子たちは悲しんでいるよ。 花飛 「出来心」 花緑師匠のお弟子さん。どこかで見たことあるなあと思ったら、前座名フラワーさんだった。前座名にまつわるエピソードのまくらがウケてた。 志ん陽 「王子の狐」 ネタ下ろし。北区在住の志ん陽師匠、地元に縁のネタをレパートリーに加えたかったのだとか。これは、ぜひともモノにしてほしい。雌狐だからもうちょっと艶っぽく、騙す男がさらにあっけらかんと悪びれ飄々とするともっと楽しいなあ。 志ん陽 踊り この会のお楽しみの一つ。間近で志ん陽師匠の踊りが堪能できる。 志ん陽 「甲府ぃ」 演者によってはしんみり湿っぽくなってしまうけど、そこは志ん陽師匠、ジーンと来るいい話の中に、さらっと笑いを交え爽やかに。いい噺を聴いた後の帰り道は楽しいことよ。 6月には、王子の北トピアでも独演会が開催される予定とのこと、楽しみ! |
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2015 03,18 23:59 |
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1月は諸事情があって開催されなかったので、4ヶ月ぶりの「三之助をみたかい?」。とは言っても1月は代わりに三之助と飲むかい?を開催したんだけどね。
ちよりん 「甲府ぃ」 ちよりんさんの人柄が現れた優しい優しい「甲府ぃ」。もう少し明るくはじける部分があってもよかったかな。抜群の安定感があるので、溢れる個性が炸裂したらもっともっと良くなると思う。 三之助 「もぐら泥」 恒例、長い長いまくら。でも面白いし、この会はこれも楽しみの一つ。場内大爆笑のここだけの話。 そして「もぐら泥」。すごく良かった。なんのくすぐりもなく、落語本来のネタと三之助師匠の技量にぐいぐいと引き込まれた。もっともっと聴きたい、このままずっとこの落語が終わらなければいいと思うほど楽しい高座だった。アドリブもいらない、くすぐりもいらない、個人的には伝承されたそのままの落語に、それでも何故か個性溢れる、そんな高座がたまらない。江戸の落語だなあ。三之助師匠の落語は、本当に楽しい。 三之助 「一人酒盛」 一転、こちらはちょっとなかなかに難しい。独り語りの台詞が多く、それもそれほど面白いというほどでもないので、その中で観客をサゲまで繋ぎ止めるには相当な腕が必要だ。多分に冗長になってしまいがちだが、途中を切るのも楽なネタなので、観客の様子を見ながらどうとでもできそうだけどね。 まあ、酔っぱらいをやらせたら天下一品の三之助師匠だから、今度またこの噺に会うのが楽しみではある。 日暮里サニーホール コンサートサロンにて |
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2015 03,08 23:55 |
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馬吉 改め 二代目金原亭馬玉 真打昇進襲名披露パーティーに行ってきた。テーブルは、らくごカフェ創設時の常連メンバーの同窓会のようだった。久しぶりの方々に会えて、それも良かった。応援していた若手がどんどん真打になっていく。僕らも年とるるはずだ。外は、あいにくの雨模様だったけど、披露宴会場の上野・精養軒は多くの人の熱気で暑いくらい。たくさんの人に支えられ、応援されてのこの日がある。 おめでたい席には、獅子舞。 真打昇進の豊富を語る馬吉改め 馬玉師匠。ちなみに、「ばぎょく」と読む。 噺家さんにとっては、一つの節目ではあるが、これからが新たなスタートでもある。決意を胸にさらに大きくなってほしいね。 披露宴がはねてから、らくごカフェで軽く飲んで帰る。はずだったが、気づいたら5時間くらい経ってた? 馬吉改め馬玉師匠の真打昇進襲名披露興行は、下記の日程で開催。ぜひ、寄席に足を運んでね。 3月27日(金) 鈴本演芸場・夜の部 4月7日(火) 新宿末廣亭・夜の部 4月17日(金) 浅草演芸ホール・昼の部 4月21日(火) 池袋演芸場・昼の部 5月17日(日) 国立演芸場・昼の部 |
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2015 03,03 23:53 |
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小辰 「明烏」 3月27日(金) 鈴本演芸場・夜の部 4月7日(火) 新宿末廣亭・夜の部 4月17日(金) 浅草演芸ホール・昼の部 4月21日(火) 池袋演芸場・昼の部 5月17日(日) 国立演芸場・昼の部 |
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2015 01,24 23:08 |
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本来であれば1月は、三之助師匠の独演会「三之助をみたかい?」が日暮里で開催されるのだが、諸事情があって次回は3月の開催に。落語会はないけど、「みんなと飲みたいよー」という三之助師匠の叫びに、飲み会を企画してみたよ。飲み会だけ日暮里というのも考えたけど(笑)、どうせならいつもと場所を変えて、気分も変えて銀座でにて開催。 |
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2014 11,26 23:50 |
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さてさて二ヶ月に一度のお楽しみ、三之助をみたかい?in 東京。このところ日本中を駆け回っている三之助師匠、すごいよね。今回は、びっくりするネタおろしがあったね。
朝也 「欠伸指南」 今年のNHK新人落語大賞受賞で乗りに乗っている朝也さんがゲスト。マシンガンのように喋り続けるイメージだったけど、あら、渋くて落ち着いた欠伸の師匠がいい味出てた。動と静の対比が絶妙だったね。 三之助 「朝友」 今回のネタおろし、これにはかなりびっくりしたね。僕の知る限り、談幸師匠が愛づらか百撰でかけた以外には聞いたことないなあ。正直、噺自体に面白みがないし、あの世から戻ってくる理由が、かつて似た名前で同様の境遇になった人がいたという挿話からきているのだけど、またその名前と主人公の名前がややこしてくなんだか聞いていて面倒くさいのだ。 三之助師匠も時事ネタを混ぜ込みながら演じていたが、演じる方も聴く方もなかなかに難しい噺だと思うね。逆にこれで観客をわかせられたら、すごいな。今後どうなるのか、楽しみである。 三之助 「井戸の茶碗」 まくらも早々にネタへ。この噺は、好きだね。頑固過ぎるのも考えものだが、筋を通すという最近の日本人が失いかけている美徳があるね。一年に一度は聴きたい噺。これは、そうしたネタの一つだな。 なんと奇跡の21時30分終演。居残り組と打ち上げへ。30分早いだけで、こんなにもゆったり飲めるのだね。 次回の東京での三之助をみたかい?は、諸事情のため1月は無しで3月開催。ちょっと開いてしまうので、別途1月にイベントを実施する予定。詳細は、近日柳家三之助推進本部で発表するので、お楽しみに! |
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