2011 03,03 23:11 |
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もともとのコンセプト「地球は神ではなく、悪魔が創造した」というオチを製作総指の人がうっかりもらしてしまったため、トリアーが脚本を書き直し、そのせいだかわからんけど、トリアー自身がうつ病になってしまい完成が遅れた作品だ。 えげつないグロテスクなシーンが多く、おまけにR指定だ。猥褻というより、グロテスクなシーンが性器に向けられているからか。しかし、日本では映倫の指導ですごいシーンはぼかしが入っている。 これは、好き嫌いが分かれる映画だろうな。まあ、トリアーの作品は、みなそうだけど。 正直、全体的な印象は、ホラー映画だ。はっきりいって怖いよ。ただ、「13日の金曜日」みたいなB級ホラーというよりは、「エクソシスト」や「ローズマリーの赤ちゃん」のような格調高い雰囲気はある。 残念なのは、デジタル処理が多いことか。 さらっと観ると、ただのホラー映画としか思えぬ節もある。 されど、いろいろ考えてみるとなかなかに設定は面白い。 タイトルは、「Anti Chris♀」となっており、Tが女性のマークになっている。後半、豹変するシャルロット・ゲンズブールが悪魔で、「最後の誘惑」でキリストを演じたウィレム・デフォーが神なのか(?)、神と悪魔の壮絶な死闘が繰り広げられる。 エンド・クレジットで、「タルコフスキーに捧ぐ」と出る。と、ここで初めて、いろんなことに気付きだす。プロローグで出てくる3人の乞食の像は、タルコフスキーの「サクリファイス」の「東方の三賢人」とだぶり、森の中の枯れた白い大木は、これまたサクリファイスの有名なオープニング・シーンのオマージュのようだ。(もともと「サクリファイス」のそのシーンは、溝口の「雨月物語」のオマージュだけど) とキリスト教に詳しい人が観ると、もっともっといろんな埋め込まれたメッセージが見えてくるんだろうなあ。 隠れたメッセージや意味、テーマを考えながら観ると奥深いのかもしれなけど、そういうの何も考えないとただのホラー映画だね。 とにかく観客の気持ちを逆なでするかのような痛いシーンの連発は、好き嫌いの分かれるところだろう。 栗3つ。ヒューマントラストシネマ有楽町 スクリーン1にて。 ウィレアム・デフォーの顔が生理的に苦手。ごめん。セックス・シーンの嫌悪感の原因は、そこだったりして。 |
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2011 03,01 23:17 |
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急に落語が聴きたくなり、会社が抜け出られそうだったので、雨模様の中、神保町へ。
らくごカフェのスタッフに最前列へぜひぜひとうながされ、今日も間近で鑑賞。 天どん 「たぬき?」
タイトル分かんなーい。狸が恩返しにやってくるけど、可笑しな問答に発展。(笑) 朝太 「蒟蒻問答」 朝太さんの蒟蒻問答は、好きだよ。権助も八五郎も問答修行僧も蒟蒻屋の親方も、どれもみんなキャラが秀逸。 祝!パンダ来日記念 朝太 パンダかっぽれ 天どんさんの命令でパンダになった朝太さんが登場。全身タイツのような姿で踊る朝太さん。これほど、パンダ姿が似合う人もいないよねえ。 天どんさん曰く、「パンダの体型を維持し、かつかっぽれが踊れるのは、朝太だけ」とのこと。パンダ体型は、他にもいるけどかっぽれは踊れない。かっぽれは踊れるけどパンダ体型じゃないって人はたくさんいるけどだって・・・。 最前列でこの衝撃のダンスを目撃。体のラインがくっきりの衣装(下着?)が目に眩しかったよー。 天どん 「紺屋高尾」 ところどころホラー?形相がすごい。 永遠に終わらないじゃないかと思う台詞の応酬とアドリブが彼らしい。 終演後、パンダさんと記念撮影。パンダさんが手に持っているのは、ネギではなく笹なんだって。で、「その笹、何でできているの?」って聞いたら、「さん若の落語会のチラシ」って言ってた。ちなみに黒い袖は、天どんさんのステテコなんだって。 耳も朝太さんの手作り。顔に塗っているのは、墨ではなく油性のマジック。そのままの顔でお帰りになられてたよ。奥さん、びっくりだね。 パンダかっぽれ、本日で封印するって、残念。 |
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2011 02,26 22:44 |
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コリン・ファースの演技は、良かったね。吃音の悩みと次男なのに王にならなきゃいけない葛藤とが素晴らしくよく滲み出ていた。 ただ、僕は、淫らなアメリカ人女性と結婚するために王位を投げ出した兄の話の方が面白いんじゃねえかと思ったよ。 まともな役のヘレナ・ボナム・カーターを久しぶりに観たよ。 ジェフリー・ラッシュも巧いねえ。 という訳で演技は、楽しめる。 でも、お話はというと、これまたありきたりの展開で、ところどころ微笑ましいエピソードはあるものの、それほどすごいってものは無かったねえ。 クライマックスのドイツへの宣戦布告のスピーチだけど、やはり自国民が聞くのとはそれほど思い入れが違うのか、それほど感動的でもなかった。それに、なんでドイツへ戦線布告しているのに、バックに流れる音楽がベートーヴェンなんだろう?あえて? きわめてオーソドックスな作りで新しさもなく、これといってすごいところもなく、淡々としている。まあ、奇抜な設定ばかりが目立つ昨今の映画の中では、まともに見える大人の映画なのかもしれない。 個人的には、「ソーシャル・ネットワーク」の方が見ごたえあったなあ。二度目も観た時も面白く最後まで釘付けだったし。この「英国王のスピーチ」は、もう別に観たくない。 栗3つ。普通の出来。期待しすぎると拍子抜けかも。 TOHOシネマズ六本木ヒルズ スクリーン7にて。 |
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2011 02,25 22:16 |
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内容は、いかにもアメリカ人が好きそうなお下劣ネタのオンパレード。下品で、いやらしくて、馬鹿馬鹿しくて、とんでもない。とにかく品がない。 超下品だけど、脚本はそれなりに練られており、二転三転するストーリーは、最後まで飽きさせず魅せる。まあ、消えた花婿のオチがいまいちだけど。もっととんでもない結末があるのかと期待しちゃった。 へんてこりんな危ないキャラとしては、マイケル・マクドナルド似のアラン役の太っちょが面白い。この配役は、秀逸。ただ、昔のジョン・ベルーシなんかと比べるとまだまだパワー不足かなあ。 あと、やっぱり、ゴールディー・ホーンの「ファール・プレイ」のような奇想天外で抱腹絶倒のコメディを知っている世代からみると、まだまだ物足りないよなあ。 結局二日酔いの理由がドラッグというオチがちょっと残念。 それでも2時間、楽しく過ごせる。最高の暇つぶし。 アメリカでのヒットを受けて、今年続編が公開される。舞台は、ラスベガスからタイのバンコクになるらしい。あのボクサーもまた出ているらしい。 栗3つ。エンドクレジットのデジカメ写真が一番面白かったりする・・・。 ユナイテッドシネマ豊洲 スクリーン6にて。 |
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2011 02,20 21:39 |
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身勝手で我侭で自分のことしか考えない人間、そんな中で人間の素晴らしさを気付かせてくる魔法のような映画。映画や芸術が素敵な時間と温かい心を与えてくれる、こういう映画があるから、それを求めてたくさん映画を観てしまうんだよなあ。 監督は、「第三の男」のキャロル・リード。こんなロマンティクなラブ・コメディも作れちゃうのねえ。脚本は、「ブラック・コメディ」、「エクウス」、「アマデウス」など歴史に残る傑作戯曲をたくさん世に出したピーター・シェーファー。これで面白くないわけがない。 「屋根の上のヴァイオリン弾き」で有名なトポル、学が無いけど可愛い女を演じさせたら右に出るものがいないミア・ファロー、この二人の演技は最高。 妻が浮気をしているのではないかと探偵を雇う夫、その疑いの心が招くとんでもない出来事・・・。もうこの脚本が秀逸。 孤独の人間の中に人間の素晴らしさを芽生えさせる台詞の無い10日間の追跡劇は、なんともロマンチックでユーモラス。これぞ映画の魔法。食材の名前の通りを導く場面、ホラー映画から「ロミオとジュリエット」へと導く場面、追う側からいつの間にか導く側に入れかわるその演出の手腕には、脱帽だ。 映画って本当に素晴らしい。映画の魔法にかかって幸せな気分になる。多くの人にとって忘れられない映画になっているのが頷ける。 栗5つ。これが映画というものだ。 TOHOシネマズみゆき座にて。
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2011 02,19 23:20 |
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映画の後、有楽町イトシアにある響へ。残念ながらこの店は、ほとんどが喫煙席。禁煙席は、オープン・キッチン前のカウンターだけだった。また、仕切りが無いので禁煙席もあまり意味がない。
響21年。旨いねえ。本当は、30年が飲みたかったけど、一杯4800円じゃ、やっぱり躊躇しちゃうよなあ。 ペリエ インゲンの白和え カウンター席の前は、オープン・キッチン。もう閉店間際だったので、あんまり調理してなかった。 この店のお通しは、いつもグレードが高い。 京野菜のサラダ さつま揚げ 肉じゃが。ここの肉は、塊みたいで好き。じゃがいももすごく美味しい。 響 有楽町店 Dynamic Kitchen & Bar 東京都千代田区有楽町2-7-1 有楽町イトシアプラザ3F 0120-55-7805 |
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2011 02,19 23:09 |
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友人が演出したドラマ。一見、迷子になった中国人のお婆さんの話かと思いきや、現代日本人が抱える孤独や閉塞感が伝わってくる。何故ここにいて、何のために生きているのか、よく分からずに惰性で毎日を過ごしているような、ここからいつか抜け出せるんじゃないかと漠然と希望を持っているけど、一方でそんなのは無理と打ち消している自分がいるもどかしさが切なく思えた。
中国のお婆さんをきっかけに、それまで交わらなかった人たちが交差する一晩の物語は、現代人の寂しさがよく出ていた。 されど、実際は、お婆さんが困っていても助けないのが現代人のような気がする。 あと、貧困層よりの話なので、現代日本ではちょっと感情移入がしにくいかな。 心が通っているようでどこかぎこちない。そんな現代の若者たちが切ない。 レッツゴー三匹のジュンちゃんが驚きだった。 |
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2011 02,19 22:23 |
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並行して進む3つのストーリーは、ありきたりで、予想通りに展開していき拍子抜け。ロンドンの子供のとのやりとりは、まさに「シックス・センス」の二番煎じで苦笑。 唯一、セシル・ド・フランスは、いい感じだったけど、それ以外の俳優陣は退屈だったなあ。 どうでもいいエピソードばかりで、話は冗長。あまりに中身が無い展開には辟易してしまう。 エンターテイメントとしても失敗、人間ドラマとしても見所無く、残念な映画。 栗2つ。観なくていいと思う。 丸の内ピカデリー1にて。 |
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2011 02,16 23:50 |
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今回から「in 東京」が付いた。本家は、無い方がいいと思うけどね。三之助をみたかい?が日本各地に広がっていることはいいことだと思うね。本家の東京だけは、ネタ卸しががある。
三之助 「二番煎じ」 三之助 「唐茄子屋政談」 今回は、二席だったけど、長講二席なので満足。ネタ卸しの「二番煎じ」の前のまくらは、ちょっとシンプルだったけど、二席目のまくらは飛ばしまくりで大笑い。 「二番煎じ」いい感じだったけど、節分過ぎてこの噺をネタおろすなんて、今期あと何回できるのよ?(笑) 「唐茄子屋政談」は、前回の「馬吉と三之助」の時の方がいい出来だったね。でも、これは、今後三之助ネタとして、良いレパートリーになる予感がするよ。 終演後、打上げ。なんと、21時30分に終わったので、ゆっくり飲めちゃった。 |
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2011 02,14 22:56 |
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大学時代の友人が演出しているドラマが放映されます。「迷子」というタイトルです。前回もこの脚本+演出で「お買い物」というドラマがありまして、知人に紹介したところとても好評でした。その同じ作家、前田司郎さんの作品です。
演出している友人は、当ブログにも「のんだくれ」さんとして、よく映画の記事にコメントしてくれる人です。しばらく会ってないけど、学生時代からパワフルで可笑しくてアクティブでしたね。あ、「のんだくれ」というハンドルネームですが、女性ですよ。で、当時のミス慶應でした。ハンドルネームの「のんだくれ」そのままに、輝かしい伝説もたくさん持ってます。(笑) ドラマとか映画とか、なるべく事前の予備知識が無い方がいいたちなので、中身についてはよく知りません。でも、このおばあさん、不安げで、そして何かを秘めたその表情は、どこかひきこまれます。 という訳で、普段はあまりテレビを観ませんが、これは楽しみです。 良かったら、観てくださいね。 ドラマスペシャル 迷子 2011年2月19日(土) NHK総合 21:00-22:13 |
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