2007 10,19 14:15 |
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描かれている人々の表情や着物の柄を凝視してしまう。昔の日本の風景にも心引かれる。関が原の戦いを描いた屏風もすごかったなあ。切腹している武士や殺されて首を切られら者など、本当に細かい。ブリューゲルも真っ青になるくらいの登場人物の多さだ。 残念なのは、期間中かなりの点数を展示替えしていたこと、図録のページをめくると、「えー、こんなの無かったよー」と悲しい叫びをあげてしまう。何度も同じ展覧会に通えれば、それはそれでいいことだけど、やはりままならないよねえ。 |
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2007 10,18 23:16 |
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今日は、喜多八師匠の独演会へ。この会、喜多八師匠の落語会で一番長く続いているもので、今日で55回目だそう・・・。「もうやるネタないよ」と開口一番。(笑) けだるい風情、雰囲気でなく風情、たまらない。
歌ぶと 「道具屋」
基本に忠実でお上手。しかし、喜多八師匠の会に来る客を笑わせるのは至難の業。 喜多八 「三人旅」 この夏、「お菊の皿」に挑戦したけど、毛むくじゃらの手じゃやっぱり幽霊はやりにくいとまくらで・・・。3人の主人公の表情、描写がそれぞれ楽しく、おかしい。田舎の馬子も最高! ひな太郎 「愛宕山」 「ちょっと色白でいい男、落語界の玉三郎・・・」、毎回同じことを言っているんだなあ。どことなく病弱そうな感じ、なよなよっとした幇間があうね。 喜多八 「蝦蟇の油」 喜多八師匠がけだるいのは、いつものことだけど、今日は、客席全般もけだるい雰囲気だった。常連のお客さんが多いと思うが、日によって随分落語会の雰囲気は違うものだ。 まくらの見世物小屋シリーズが面白すぎてちょっとネタが翳んだか。 喜多八師匠、この比類なき個性、麻薬のようにまた聴きたくなる。 |
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2007 10,17 23:18 |
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年2回開催の会で今回が第35回、すごいなあ。
先日、談幸師匠の落語会に下北沢まで行ったのだけど、それに対する来場のお礼の葉書が届い た。それも宛名も本文も全部手書き。ネットで電子メールのデジタルなこの時代に、自筆の手紙は、すごく嬉しい。談幸師匠から、こうした心のこもった手紙を 今まで何度もいただいた、談幸師匠、素敵! というわけで、毎回楽しみなこの会。タイトル通り今ではなかなか寄席でかからない噺が聴けるの だ。この会でしか聴いたことがないものも多い。どこから持ってくるかというと、昔の寄席の速記録から起こすのだそう。それにしても、この会でせっかくネタ 卸しした珍しい噺、他ではそうかけられないと思うと、この1回の会のため・・・。すごいなあ。 松幸 「狸の札」
談幸 「姫かたり」 談幸 「稽古屋」 談幸 「帯久」 「姫 かたり」と「帯久」がネタ卸し。「姫かたり」は、傲慢な医者を色仕掛けで陥れるちょっといやらしい噺。昔は、この手のものでちょっと興奮しちゃったりした のだろうか?最後のどんでん返しが、おいおいそりゃないだろうと突っ込みを入れたくなるが、なんともあっけらかんとした小品だ。 「帯久」は、経営 不振の帯屋の久七が同業で繁盛している和泉屋与兵衛にお金を借り、返した後に泥棒して逆に大繁盛する噺。一方、和泉屋与兵衛は、落ちぶれて久七にお金を借 りに行くが無碍に断られる。この時の久七が、本当に憎たらしい。もう演じている談幸師匠を嫌いになりそうなほど嫌な奴だった。後半、大岡裁きになるのだ が、一方的な人情裁きは、お慰み。(笑) |
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2007 10,16 23:19 |
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研精会の裏バージョンなんだそうである。で、表の研精会とどこが違うのかと言うと出演者も観客もよく分からない。おまけに、奇数月でのレギュラー化が決まったそうで、ますますよく分からない。月によっては、研精会が2回あるというのは、若手噺家には良い話だ。
お、違う点が一つ。恒例の抽選フルーツ・プレゼント。今日は、全員当選だった。今日は、苺。え、この季節にと思ったが、カリフォルニアのストロベリー。帰って一つ食べたけど、甘くて美味しい。 今日は、箱崎で会議があったので、そのままとどまり開演ちょっと前に日本橋へ。会場には、雪乃さんとぱんださんが・・・。ミニ三之助コミュとなった。(笑) 市朗 「道灌」
今日の前座さん。いい味出ている。 三之助 「千早振る」 なんか最近風格する感じる。堂々としていて、観客の心を掴み大いに笑わしてくれる。オーソドックスなネタだし、何度も聴いているのに笑ってしまう。知ったかぶりの隠居の表情がたまらん。 遊一 「たちきり」
これは難しいネタだ。蔵に100日閉じ込められるという馬鹿馬鹿しさと、後半の情緒あふれる粋な展開の絶妙なバランスと演技力が求められる。 落語の稽古と場数を踏んで、かつ人生経験を積んで、がんばってほしい。 こみち 「堪忍袋」 二つ目になってまだ一年たっていないとは思えぬ逸材。まくらも面白く、また女流噺家とかそんなこと関係なく素晴らしい。はきはきした声、ときおり見せる可愛らしさが独自の世界を築いている。 遊馬 「佐野山」 もとは講談・浪曲の「谷風の情相撲」か。大きな体をいかした展開は、まさにぴったり。 一之輔 「猫久」 これも難しいネタだと思う。さしたる盛り上がりもなく、展開もオーソドックスだ。後半、夫婦のやりとりが絶妙。めまぐるしく変わる何気ない表情の変化にひきこまれた。 会の後、雪乃さんとぱんださんと飲みに行く。ミニ・三之助コミュは続くのだ。(笑) |
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2007 10,14 15:22 |
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全日空ホテル時代に貯めたポイントを宿泊券に交換していたのだけれど、その期限が今月末ということで、意味もなく目的もなく品川のストリングスホテル東京インターコンチネンタルに宿泊した。ここ泊まったことないし、まあ、いいか。 品川駅港南口のビルの上層階にある。ロビーも26階なので、用の無い人があがってこないので静かだ。 眺めはいいねえ。平日なら夜景が綺麗かも。真下は、品川駅と車両基地なので、電車ファンにはたまらぬ眺望だろう。反対側のクラブサイドからは、レインボー・ブリッジが見えるそうな。 朝食のブッフェ。卵料理は、オムレツを調理してくれる。 茸サラダ、サーモン、トマトなど。 フルーツ。ああ、また食べ過ぎた。 |
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2007 10,12 23:26 |
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談幸師匠の独演会を聴きに下北沢へ。下北沢って何度来ても迷うなあ。迷路みたいだ。なんとなく洒落たイメージを持っていたけど、駅前は戦後の闇市みたいな不思議な空間があるねえ。時代に取り残された感じ・・・。もっとも戦後の闇市なんて知らないけど・・・。(笑)
表 題の通り、登場するのは、談幸師匠だけ。途中、お囃子の方も舞台に出られていくつか出囃子を演奏してくれた。談幸師匠の太鼓を叩く姿も拝見できた。落語の 時と全く表情が違うので面白かった。前半は、「談幸落語指南」と題して、噺家家業の裏話を楽しく聞かせてくれた。随分長く話していたよなあ。1 時間近くあったのでは。前座の修行は、大変だなあと思った。僕には、無理。 談幸 落語指南 (お囃子:鶴田弥生)
談幸 「天狗裁き」 談幸 「井戸の茶碗」 ど ちらも何度か談幸師匠で聴いているのだけど、今日は、どちらもものすごくひきこまれた。とにかくもう一人で演じているなんて到底思えぬほど、飛び出し、浮 かびだし、そして消えていく登場人物のめくるめくオンパレードは、まさに圧巻。表情、声、肩の角度、腰の角度、上半身で表現できるあらゆる仕種の絶妙な組 み合わせは、全く違う人物を登場させては消していく。どちらもあまりに有名な噺で意表をつくところはないし、筋も知り尽くしているのに、どうしてこんなに ひきこまれ笑ってしまうのだろう。落語って不思議だ。 |
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2007 10,08 23:27 |
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宝生能楽堂で観劇の後、かさん、しのたかさんと六本木の瀬里奈本店へ。かさんにご馳走になりました。いつもすみません。とても美味しかったです。瀬里奈なんて、接待でもないと来ないです・・・。 店内。昭和っぽい雰囲気が好き。ステンドグラス調な照明も洒落ている。 本日のお通し。白魚と長芋。 すくい湯葉。雲丹入り。 毛がに。味噌もたっぷり。美味い。美味すぎ。 かに甲羅揚げ。これがまたソースに付けて食べると絶品。美味すぎ。 しゃぶしゃぶ。にんにくをすって胡麻ダレに、ああ最高。 野菜、餅など・・・。 杏仁豆腐。 抹茶アイスとコーヒー。抹茶アイスの苦味がたまらんね。 ワインは、POUILLY FUISSEとGEVREY CHAMBERTINをいただきました。 かさん、ご馳走さまでした。次回は、僕としの様にご馳走させてくださいませ。 |
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2007 10,08 21:34 |
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しのたかさんのお誘いで今日は、お能と狂言の観劇。会場には、かさんも。 僕、能も好き。最低限の舞台セットと登場人物で演じるその様は、落語同様シンプルだけれども、観る者の想像力をかき立てる。 舞囃子「巻絹」 田崎甫
狂言「三人片輪」 シテ石田幸雄、アド野村万作、野村萬斎、高野和憲 能「砧」 シテ田崎隆三、ツレ金井雄資、ワキ森常好、ワキヅレ舘田善博、アイ石田幸雄 狂 言の「三人片輪」は、タイトルそして内容といい、現在テレビで放映するのは難しいだろうな。狂言は、台詞が分かりやすく聞き取りやすいので会場も笑いの 渦。最近は、狂言だけ演ずる会もあるようなだが、本来、狂言と能は、一緒に観てこそのもの。現実の市井の人々の生き生きとした可笑しさと能の幽玄で悲しい 怨霊の世界の対比の妙を体験すべきだ。一見、対象的な能と狂言だが、どちらも人間の本質を描いている。 能「砧」は、都に訴訟で出かけて いった夫を待つ女房が、夫恋しさに砧を叩いて待つ話。「砧」は木槌で衣の生地を打ってやわらかくしたり、つやをだしたりする道具のことで、この舞台に設置 される唯一の小道具。砧の音は、遠く恋する者のところへも届くという中国の故事に基づき、主人公の女房は、砧を打つ。しかし、想いは夫に届かず、女房は死 んでしまう。そこへ帰ってきた夫の前に、怨霊となって現れる女房。恨みの情を謡と舞で表現する。 狂言と違い、能の謡は、ちょっと聞き取りにくい。何を歌っているかに注力しながら舞を観るのは、なかなかの経験がいるなあ。謡の内容をそらんじるくらいになって観たら、もっと舞も楽しめるのになと思った。 それにしても、面なのに表情が現れる能面の神秘性には、毎度ひきこまれる。 能の謡のなんとも言えないリズムにとりつかれる。何とも美しい日本語と鼓と笛の旋律に酔いしれた。 |
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2007 10,07 23:36 |
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仙 厓の禅画は、どこかユーモラスで見ていて思わず顔がほころんでくる。絵自体が滑稽で微笑んでしまうもの、絵と賛文を両方読んではじめて笑ってしまうもの、 絵は滑稽なのに禅に対する厳しい姿勢を伺わせるものなど、とにかくその簡素だけれども奥深い世界にひきこまれてしまった。禅の修業は、座禅を組めば悟が開 けると、なんでも座禅で片付けてしまう修行僧を批判した蛙の禅画があった。座禅を組む姿が蛙に見えることから座禅を組めば悟が開けるなら、蛙は皆悟を開い てしまうと揶揄したもの。有名な布袋様が月を指す絵のなんともユーモラスでかつ不思議な魅力に溢れるデザインは、時代の古さを感じさせないばかりか、江戸 時代から僕らはあまり進化していないのだと実感。 柳の絵に「堪忍」と書かれた禅画には、落語「天災」を思い出してニンマリ。付けられている文は、「 気に入らぬ風もあろうに柳かな」。 最も有名でまた賛文が無いため、何を表しているのか今も議論されている「○△□」。究極のシンプルデザインにいろいろと想いをはせる。 一転、仏画の緻密な技法には敬服。そのまた一方で、なんともユーモラスな涅槃図にまた微笑。 仙厓の旅の絵、縁の品も展示されており、見応えがあった。 それよりも何よりも、自然と笑顔になり、心が豊かで幸せになる展覧会だ。 |
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2007 10,07 20:42 |
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抑圧された環境下のダークなテイストな映像、容赦ない暴力シーンは、ショッキングでもある。 何の予備知識もなく観た方がいい。良い意味で期待を裏切る。必見! ファンタジーを入れた分、実際の人間ドラマがちょっと薄くなっているのが残念だが、近年ではとてもよく出来た映画らしい映画だ。 栗4つ。 シネカノン有楽町にて。
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