2007 08,04 23:33 |
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舞 台は、いたってシンプル。ベンチと柵があるだけだ。それを囲むようにステージ客席があり、まるで裁判の傍聴席のように観客もステージの一体となって舞台を 見つめる。そのステージ客席にはいくつか空席がある。舞台の登場人物が登場するとその空席に座り、出番がくるとそこから舞台の中心に向かう。 ベンチと柵と役者、舞台上はそれだけだが、時空を超越した物語展開は、現代と過去、夢と現実、記憶と嘘を巧みに絡ませものすごい迫力がある。 直訳調の台詞がちょっとがっかりだが、不思議な音楽と馬をイメージさせる面と人間の体、光と影の印象的な陰影は圧倒的だ。脳味噌の中を探検しているようだ。馬と少年の関係に神と人間の立場を投影し、哲学的に深いテーマを投げかける。 現代舞台芸術の一つの到達点を観ることができる。 |
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2007 08,03 23:27 |
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シェリー・デュバル、シシー・スペイシク、有名な映画スターなのに絶対に恋に落ちたくない女優陣が魅せる不思議な映画。もうなんて表現していいのか分からん。ガラスを爪でひっかく時のあの嫌な心持ちの感じ・・・、それが映像と音楽になったよう。 シシーは、ある意味「キャリー」より怖いし、シェリーもそれに輪をかけて不気味。 それにしてもアルトマンって変な女優が好きだよなあ。 いや全く何と表現していいのか本当に分からん映画だ。でも見入ってしまう。アルトマン、いろんな映画を作っていたんだなあ。 栗4つ。 渋谷ユーロスペース2にて。
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2007 08,03 19:36 |
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2007 08,03 19:10 |
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2007 08,03 18:43 |
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土日は混んでいると聞いたので会社を定時に出て行ってきた。空いてたなあ。ゆっくり見られた。 見たことある有名な写真がたくさんあった。一枚一枚は、完璧すぎる構図にハッとするものの、これだけ完璧すぎる構図が並ぶと写真というより絵画を見ているようで途中でちょっと飽きてきた。 面白かったのは、アンリ自ら焼いたヴィンテージ写真。焼き方、撮影されてからの時間の経過によってここまで写真の印象が変わるのかと驚いた。 著名人のポートレートも興味深い一瞬が捉えられていた。 別の階で木村伊兵衛の写真も展示されていたが、木村の写真の方が好きだなあ、僕は。 まあこれだけ一堂に介する機会もないので見て損は無い展覧会だと思う。 でもなあ、木村伊兵衛や土門拳の方が遙かに素晴らしいと思うなあ。 |
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2007 08,01 19:44 |
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2007 07,30 11:47 |
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2007 07,29 23:48 |
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野戦病院に次々に運ばれてくる負傷兵、そして手術、延々続くその繰り 返しの合間のドタバタ・コメディーだが、ギャグが全然面白くない。構図は、なるほどふむふとうなってしまうシーンがいくつかあったが、ギャグはつまらな かった。アメリカ人が好きそうなエロ・バカネタばかりで辟易。 戦争とういう極限の環境下での狂気とユーモア、まあやりたいことは分かるけど、全然面白くなかったなあ。なんか舞台も全然戦争という緊迫感も緊張感も無いし・・・。 個人的には、アルトマンの映画で一番嫌い。 栗一つ。渋谷・ユーロスペース2にて。 隣 の席に座っていた女が、椅子を揺らして大声ではしゃぎながら笑っていたのですごく不愉快だった。手術のシーンでは、「いやーん気持ち悪い」なんて言ってい たが、この女の方が遙かに不気味で気持ち悪かった。ものすごく体を揺らしながら不気味に笑うので、「エクソシスト」で悪魔に取り憑かれたさまを間近で見て いるようだった。 |
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2007 07,29 17:48 |
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旅に必須だった煙草入れや印籠、お茶をたてるセットなど、江戸時代の旅行アイテムが素敵だった。印籠の細かい意匠、お茶セットを入れる渋い巾着、もう全部欲しくなっちゃう。 そして今回のメインの国宝「一遍聖絵巻」は、人物描写もさることながら、日本の原風景を描いた景色にうっとり。企画展は、大きく前半と後半に別れて展示替えをするのだが、絵巻に関しては、2週間毎に場面を替えているそうで、頻繁に通いたくなる。 そして圧巻は、江戸から長崎までの街道と航路を描いた金屏風「大日本五道中図」で、展示室いっぱいに並ぶその様は壮観。 また、歌川広重のもう一つの「東海道五十三次」は、宿場の景色を背景に全面にズームアップされた人物像が描かれていて興味深い。日本橋も江戸見物に来た地方の人が描かれていて、その表情、風貌、服装などがどれも面白い。所謂浮世絵顔じゃない表情が微笑ましい。 チケットの半券を次回持ってくれば、100引きになるリピーター割引もあるので、後半もぜひ行かねば。 昔の旅は、道中大変だったろうけど、今とは比べものにならなくらい美しい風景を見ていたんだろうな。 |
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2007 07,28 23:49 |
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遠藤周作の原作は、学生の頃に読んだが、映画は未見だった。小説にある冒頭の現代の勝呂医師のエピソードの部分は、まるまる無かったが、かえって映画の雰囲気に統一感が出ている。
それ以外は、原作にかなり忠実で台詞もほぼ同じだ。登場人物の心象風景のようにうねる海、舞台のセットのように簡素な空間での光と闇の陰影や独特の構図は映画的技法がこれでもかと美しく冷たく昇華され圧倒的だ。 戦時中、九州帝国大学医学部で行われたアメリカ人捕虜の生体実験。戦争という極限下ということもあれど、人間の尊厳を問う重いテーマだ。 個人的には、奥田瑛二演ずる主人公勝呂より、渡辺謙演じる戸田に感情移入してしまう。善悪や理性の問題より、その時代の生き方というのを考えてしまう。 「人を殺すということに無感動になってしまう」という戸田の台詞が強烈だ。この残酷な行為が何とも人間的だから胸に深く何かが突き刺さる。 栗5つ。スクリーンで観られて良かった。 銀座シネパトス1にて。 |
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