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2007 10,12 23:26 |
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談幸師匠の独演会を聴きに下北沢へ。下北沢って何度来ても迷うなあ。迷路みたいだ。なんとなく洒落たイメージを持っていたけど、駅前は戦後の闇市みたいな不思議な空間があるねえ。時代に取り残された感じ・・・。もっとも戦後の闇市なんて知らないけど・・・。(笑)
表 題の通り、登場するのは、談幸師匠だけ。途中、お囃子の方も舞台に出られていくつか出囃子を演奏してくれた。談幸師匠の太鼓を叩く姿も拝見できた。落語の 時と全く表情が違うので面白かった。前半は、「談幸落語指南」と題して、噺家家業の裏話を楽しく聞かせてくれた。随分長く話していたよなあ。1 時間近くあったのでは。前座の修行は、大変だなあと思った。僕には、無理。 談幸 落語指南 (お囃子:鶴田弥生)
談幸 「天狗裁き」 談幸 「井戸の茶碗」 ど ちらも何度か談幸師匠で聴いているのだけど、今日は、どちらもものすごくひきこまれた。とにかくもう一人で演じているなんて到底思えぬほど、飛び出し、浮 かびだし、そして消えていく登場人物のめくるめくオンパレードは、まさに圧巻。表情、声、肩の角度、腰の角度、上半身で表現できるあらゆる仕種の絶妙な組 み合わせは、全く違う人物を登場させては消していく。どちらもあまりに有名な噺で意表をつくところはないし、筋も知り尽くしているのに、どうしてこんなに ひきこまれ笑ってしまうのだろう。落語って不思議だ。 |
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2007 10,08 23:27 |
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宝生能楽堂で観劇の後、かさん、しのたかさんと六本木の瀬里奈本店へ。かさんにご馳走になりました。いつもすみません。とても美味しかったです。瀬里奈なんて、接待でもないと来ないです・・・。 店内。昭和っぽい雰囲気が好き。ステンドグラス調な照明も洒落ている。 本日のお通し。白魚と長芋。 すくい湯葉。雲丹入り。 毛がに。味噌もたっぷり。美味い。美味すぎ。 かに甲羅揚げ。これがまたソースに付けて食べると絶品。美味すぎ。 しゃぶしゃぶ。にんにくをすって胡麻ダレに、ああ最高。 野菜、餅など・・・。 杏仁豆腐。 抹茶アイスとコーヒー。抹茶アイスの苦味がたまらんね。 ワインは、POUILLY FUISSEとGEVREY CHAMBERTINをいただきました。 かさん、ご馳走さまでした。次回は、僕としの様にご馳走させてくださいませ。 |
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2007 10,08 21:34 |
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しのたかさんのお誘いで今日は、お能と狂言の観劇。会場には、かさんも。 僕、能も好き。最低限の舞台セットと登場人物で演じるその様は、落語同様シンプルだけれども、観る者の想像力をかき立てる。 舞囃子「巻絹」 田崎甫
狂言「三人片輪」 シテ石田幸雄、アド野村万作、野村萬斎、高野和憲 能「砧」 シテ田崎隆三、ツレ金井雄資、ワキ森常好、ワキヅレ舘田善博、アイ石田幸雄 狂 言の「三人片輪」は、タイトルそして内容といい、現在テレビで放映するのは難しいだろうな。狂言は、台詞が分かりやすく聞き取りやすいので会場も笑いの 渦。最近は、狂言だけ演ずる会もあるようなだが、本来、狂言と能は、一緒に観てこそのもの。現実の市井の人々の生き生きとした可笑しさと能の幽玄で悲しい 怨霊の世界の対比の妙を体験すべきだ。一見、対象的な能と狂言だが、どちらも人間の本質を描いている。 能「砧」は、都に訴訟で出かけて いった夫を待つ女房が、夫恋しさに砧を叩いて待つ話。「砧」は木槌で衣の生地を打ってやわらかくしたり、つやをだしたりする道具のことで、この舞台に設置 される唯一の小道具。砧の音は、遠く恋する者のところへも届くという中国の故事に基づき、主人公の女房は、砧を打つ。しかし、想いは夫に届かず、女房は死 んでしまう。そこへ帰ってきた夫の前に、怨霊となって現れる女房。恨みの情を謡と舞で表現する。 狂言と違い、能の謡は、ちょっと聞き取りにくい。何を歌っているかに注力しながら舞を観るのは、なかなかの経験がいるなあ。謡の内容をそらんじるくらいになって観たら、もっと舞も楽しめるのになと思った。 それにしても、面なのに表情が現れる能面の神秘性には、毎度ひきこまれる。 能の謡のなんとも言えないリズムにとりつかれる。何とも美しい日本語と鼓と笛の旋律に酔いしれた。 |
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2007 10,07 23:36 |
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仙 厓の禅画は、どこかユーモラスで見ていて思わず顔がほころんでくる。絵自体が滑稽で微笑んでしまうもの、絵と賛文を両方読んではじめて笑ってしまうもの、 絵は滑稽なのに禅に対する厳しい姿勢を伺わせるものなど、とにかくその簡素だけれども奥深い世界にひきこまれてしまった。禅の修業は、座禅を組めば悟が開 けると、なんでも座禅で片付けてしまう修行僧を批判した蛙の禅画があった。座禅を組む姿が蛙に見えることから座禅を組めば悟が開けるなら、蛙は皆悟を開い てしまうと揶揄したもの。有名な布袋様が月を指す絵のなんともユーモラスでかつ不思議な魅力に溢れるデザインは、時代の古さを感じさせないばかりか、江戸 時代から僕らはあまり進化していないのだと実感。 柳の絵に「堪忍」と書かれた禅画には、落語「天災」を思い出してニンマリ。付けられている文は、「 気に入らぬ風もあろうに柳かな」。 最も有名でまた賛文が無いため、何を表しているのか今も議論されている「○△□」。究極のシンプルデザインにいろいろと想いをはせる。 一転、仏画の緻密な技法には敬服。そのまた一方で、なんともユーモラスな涅槃図にまた微笑。 仙厓の旅の絵、縁の品も展示されており、見応えがあった。 それよりも何よりも、自然と笑顔になり、心が豊かで幸せになる展覧会だ。 |
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2007 10,07 20:42 |
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抑圧された環境下のダークなテイストな映像、容赦ない暴力シーンは、ショッキングでもある。 何の予備知識もなく観た方がいい。良い意味で期待を裏切る。必見! ファンタジーを入れた分、実際の人間ドラマがちょっと薄くなっているのが残念だが、近年ではとてもよく出来た映画らしい映画だ。 栗4つ。 シネカノン有楽町にて。
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2007 10,06 23:42 |
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長谷川和彦のデビュー作。二作目の「太陽を盗んだ男」より、僕は好き。
実際にあった両親殺人事件を題材にした中上健次の原作の映画化。両親を惨殺してしまう主人公の若者、殺した後に殺した理由を探す旅のような作品だ。生きることへのやるせない喪失感、それでも生きようとする言葉にできない執着心の葛藤に胸がえぐられる。 圧 巻は、主人公を演じる水谷豊と母親役の市原悦子の死闘。愛情と憎悪、憐憫と殺意が同居する親子の殺し合いは、「太陽を盗んだ男」の沢田・菅原の死闘を上回 る度肝抜くシーンの連続だ。水谷の狂気の表情と市原の狂おしい台詞の応酬は、このシーンだけでも1本の映画を観終わったよう。 主人公の境遇は違うが、全体に流れる魂の喪失に「ファイブ・イージー・ピーセス」を思い出した。金切り声の原田美枝子にカレン・ブラックがだぶる。 切れない絆としがらみを殺すことと死ぬことで切ろうとするのは、何故なのだろう。そもそも、僕らはどうして行動に理由を求めるのだろう。 頭をかち割られて、脳みそに直に傷をつけられたように、痛々しく記憶に焼きつく恐ろしい映画だ。 栗5つ。 早稲田松竹にて。
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2007 10,06 19:43 |
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子供の頃、テレビで観たことはあったのだが、スクリーンで観られるということで早稲田松竹に出かけた。
リアリティーはさておき、誰にでも思い当たる人間の二面性を上手く使っていて面白い。オープニング、台詞を極力配した流れの中で、普通の教師の何気ない日常の中にもう一つの世界を投影させる。沢田研二がとても上手く演じている。 一方、菅原文太もめちゃくちゃ男臭くてかっこいい。 原子力発電所からプルトニウムを盗むところや、後半のカーチェイス、ビルのガラスを割ってのターザン・シーンなど、笑ってしまう突っ込みどころも満載だが、百貨店のシーンやクライマックスのジュリーと文太の死闘は、ものすごい緊張感と緊迫感。 原爆を持ったが、何を要求していいか分からない。人間はいつもその過程に情熱を注ぎ、その成就は、頂点でもあり虚無の始まりなんだろう。 栗4つ。 早稲田松竹にて。
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2007 09,30 14:48 |
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2007 09,29 14:50 |
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空間や場所を越え、時間の流れさえ無視した構成は、はいはい毎度お見事で、脚本も編集もあっぱれだ。でも、今回は、正直いただけない。
まずは、ホームビデオみたいな画質が嫌だったなあ。リンチ版「ブレアウィッチ・プロジェクト」なの?って思ってしまった。 あと、正直、このパターン飽きた。確かに、よく出来ているけど、そもそも辻褄を合わせる必要が無いので、いくらでも好き勝手にできるじゃん。才能あるの分かったから、なんか別なもの観たいなあ。 あと、裕木奈江がいらねえ。この人の顔は、リンチの映画に合わない。英語も下手っくそだし、雰囲気ぶち壊し。なんで、起用したんだろう?ローラ・ダン、裕木奈江の演技で吐血したのかと思った。 予想の範囲内。期待しすぎてちょっと肩透かし。 栗3つ。普通の出来ですな。過去のリンチの映画の方がひきこまれた。 恵比寿ガーデンシネマ1にて。 |
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2007 09,29 14:49 |
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