2008 08,17 21:07 |
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2008 08,16 21:15 |
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ルオーの絵、好きなのだ。黒く太い輪郭の人間は、まるで木彫りのマリオネットみたい。その黒い輪郭の間に鮮烈な色がおさまる。黒い輪郭は、時に人間の表情を、時に人間の筋肉を際立たせる。 圧巻だったのは、「受難」の連作。絵は、普通額縁に切り取られた風景が描かれているが、ルオーの絵には、絵の中にされに縁取りや窓があり、その向 こうにさらに切り取られた景色がある。この窓、物語によって大きくなったり小さくなったりする。限られた視野の向こうに広がる世界に想像力がさらにかきた てられる。 版画の連作「ミセレーレ」も鳥肌が立つような戦慄があった。黒い輪郭に黒い色のみ。それでも強烈に鮮烈だ。深遠な世界にひきこまれた。 |
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2008 08,16 21:11 |
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まあ、とっても好いていたよ。もう、俺の美術館?って感じで、ゆっくり、じっくり堪能しちゃった。人が少ない空間に美術品、そして涼しい、ああ至福の喜び。 テーマは、夏。それも江戸時代の夏。涼しげな滝や夏の涼の浮世絵、当時の夏の着物、調度品がどれもうっとりするほど素晴らしい。 両国橋の花火の賑わい、山王祭、蛍狩り・・・。当時の風俗を切り取った浮世絵に、暫し、タイムスリップ。東京が美しかった時代、見たこと無い風景なのにどこかしら郷愁を感じるのは何故だろう。 なんとも素敵なテーマの展覧会だった。贅沢な時間を満喫。 |
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2008 08,15 21:16 |
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2008 08,14 21:18 |
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今日は、会社を休んだけど、いつもとほぼ同じ時間に家を出て浅草へ。毎年恒例の夏の風物詩「住吉踊り」を観に来た。開演の40分ほど前に会場に着いたが、良い席はかなり埋まっていて驚いた。平日なのに・・・。 ホールに入ってすぐNAHさんにお会いし、今日は、一緒に観覧。 志ん坊 「元犬」 今日の前座さん。初々しい。 金翔 「転失気」 久しぶりに金翔さんの「転失気」を拝聴。ものすごーくこなれていた。何気ない仕草や表情が素晴らしく洗練されていて、夢中になってひきこまれた。 こういう形が、僕が求める落語だなあ。くすぐりなんてあまり入れず、古典の様式美の中で最高に自己を表現する。こういうのが芸人冥利につきると思うのだよ ね。素晴らしかった。 花助 「写真の仇討ち」 飄々として面白い。そこはかとない可笑しさがあった。 世津子 マジック はっとする手品はないけど、ほんわかした可笑しさ。 志ん橋 「出来心」 間抜けな泥棒キャラが最高。 小菊 粋曲 相撲甚句もどきの三味線、秀逸。 右団治 「熊の皮」 名前からして男っぽい(あんまり女を感じない)不思議な感じ。 にゃん子・金魚 漫才 この間と同じネタだったけど、笑っちゃうなあ。濃いキャラって得だなあ。 左橋 「権助魚」 前段を大幅に省いていたのでちょっと残念。浅草だからしょうがないか。 紅 「いざ鎌倉」 かなりの抜粋。この芝居の持ち時間じゃ講談はきつい。 和楽社中 太神楽 五輪をイメージした(?)、光の輪が暗闇に浮かぶのは素敵だった。 歌る多 「つる」 歌る多師匠、好き。こういう馬鹿馬鹿しい噺も上手いねえ。 金時 「お菊の皿」 楽しい。やっぱり金時師匠は、楽しい。ただ、あれねえ、丸顔団子鼻の幽霊は、いないよねえ。(笑)なんとも言えない、可笑しさがあるのよねえ。 笑組 漫才 かずおさんの緑の衣装、ビビッド過ぎ。(笑) 衣装ですよね?普段は着てないですよね? 最近、笑組もツボにはまるなあ。もっと観ていたかったなあ。 菊春 「替り目」 この師匠、年に一回しか拝見していないなあ。前回は、昨年の住吉踊りの時だった。その時も「替り目」だった。では、また来年。 志ん五 「浮世床」 まくらは、毎度全く同じなのに、笑っちゃうんだよねえ。これが本当の芸なのだろう。 ひろし・順子 漫才 これも毎回全く同じネタなのに、でも毎回死ぬほど笑っちゃう。もうこうなったら永遠に生きて! 圓平 「夕立屋」 可愛いお爺さんだなあ。小話は、ちょっとエロいし・・・。(笑) 憎めない、得な風貌。 馬風 漫談 毎年、短めの漫談だけど、今日は、結構長かったなあ。毎年それほど面白くないけど、今日は、大いに笑ってしまった。とにかく海老名家をコケにしてた。超毒舌、でも妙に納得。 美智 美登 マジック パフォーマンス・マジック?今風の音楽にのった前半が不快。ビジュアル的にもいけてない。 落ちぶれたイベントの余興みたい。 圓丈 「寿限無」 「寿限無」のパロディ。元を知っていると笑えるけど、知らないと退屈。面白いけど所詮パロディ。オリジナルを超えられないし、プロがやるネタとは思えない。 扇遊 「家見舞い」 テンポがあって楽しい。もっとじっくり聴きたいな。 遊平・かほり 漫才 こういうスタイルにしているからしょうがないけど、個人的には聴きにくい。掛け合いになっていないので、聴くリズムがつかみにくい。 伯楽 「宮戸川」 こちらもまくらは、いつも一緒だ。ネタも飄々した表現で楽しいが、いつも自分の本の宣伝ばかりしている印象。 駒三 「勘定板」 ちょっとはしょり気味だった。おかげでそれほど下品にならず・・・。 小円歌 三味線漫談 小円歌さん素敵。観客層を即座に判別し臨機応変に何でも対応。才女だ。 金馬 小話 トリなのに落語無しで小話で下りちゃったのが、ちょっと残念だった。落語聴きたかったな。 大喜利 住吉踊り 楽しかった。やっぱり、夏は、これを観なくちゃね。もう、このために早起きして長時間椅子に座る価値ありだ。 今年は、随分若手が活躍していたなあ。これから観る人のために詳細は、書かないけど、今年も色んな趣向があって本当に楽しい。大人数でのかっぽれは、迫力あって素敵。 朝太さんは、踊りすごく上手い。手や体の動きがものすごくしなやか。並べて見ると違いは歴然。もっと朝太さんの踊り観たかったなあ。 金時師匠は、表情が硬いねえ。必死にやっているのが見え見えよ。金翔さんは、黒いなあ。(笑) 小里ん師匠、若ーい。 そして、座長の金馬師匠。これだけまとめあげるのすごい。もう脱帽。 |
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2008 08,10 21:23 |
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円朝まつりが開催されていた谷中の全生庵から日暮里駅まで歩く。本当は、もっとゆっくりしたかったのだが、横浜での彦一師匠の落語会のチケットを買っていたのだった。
日暮里駅から京浜東北線に乗ろうとしたら、日中は快速運転で通過。普段地下鉄しか乗らないので、たまにJRに乗ろうとすると勝手が分からん。山手線に乗り、上野で京浜東北線に乗り換える。 桜木町で下車し横浜にぎわい座へ。こちらの劇場は、初めてだ。綺麗で、また観やすい。 出演は、彦いち師匠ただ一人。でずっぱり。この間の神楽坂のイワト寄席と同じで、落語ぶっとうしで着替え以外は、袖に下がらなかった。さすが体育会系だ。あ、でも仲入り無しぶっとうしで落語を聴く観客もなかなかに体育会系か。 彦いち 「元犬」 「今日は、前座も僕です」と、この噺へ。 彦いち ”韓国旅行の話” 続いて、そのまま、最近の旅の話へ。これがまた抱腹絶倒。 スライドショー ”韓国の旅” 着替えのため一度袖に下がるが、仲入りは無く、前段で話した韓国旅行の写真をスライドで。耳で聞いた風景を今度は目で見る。これが、また場内大爆笑。 また彦いち師匠らしいセンスにあふれた目のつけどころの写真は、これまた場内大爆笑。 彦いち 「青菜」 彦いち師匠の「青菜」は、以前も聴いている。超暑苦しい。押入れから出てくる奥さんが、血みどろ。体育会系だ。(笑) 彦いち 「新聞少年」 彦いち師匠の上京物語。落語としては散漫で笑いも少なめだが、そこはとない切ない余韻がある。 この会、-彦いち噺大全-第一期全二十巻 第五巻ということで、まだまだ先が長いなあ。次回は、来年3月6日にまたこちらで・・・。 |
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2008 08,10 21:20 |
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昨夜は、落語会の後、結局終電まで飲んでしまった。がんばって、早起きして千駄木へ。駅で、一之輔さんと遭遇。その後、馬吉さんにも遭遇し、「まさか、朝まで飲んでましたか?」と・・・。
それから三之助コミュの素敵な仲間たちもぞくぞくと千駄木駅の改札口へ・・・。 例年に比べて、涼しかったけど、人はなんだかものすごかった。酷暑でないので、帰る人も少ないのか。それにしても、そろそろここでは本当に狭い。ゴミ隊パフォーマンス時には、身動き取れないほどだった。 今日は、午後に予定があったので、午前中だけで帰ったが、毎年買っている一九師匠の落語絵手紙は今年も注文した。金時師匠は、午後かららしいので 会えなかった。三之助さんは、今年はいないし寂しいねえ。事実上、金翔さん、時松さんがきりもりしている氷金時でカキ氷を買って、金也師匠のお店でビール を買うという、これも毎年恒例だ。 リアカー王子こと金也師匠。彼のビールのお店は、大行列。と思いきや、金也師匠、ビールを注ぐ手が度々止まって、喋る喋る喋る。1杯注ぐのに何分かけとんのや・・・。まあ、噺家さんとの楽しいお喋りが円朝まつりの醍醐味だからね。 落語界のスマイル王子こと朝太さんの癒しの微笑みをカメラにおさめたところで、これにて失礼。 |
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2008 08,09 21:27 |
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第二回の「馬吉と三之助」へ。今回も三之助コミュの方々もたくさんご来場だった。ざびさんにも久しぶりにお会いできた。
一左 「壺算」 11月に二つ目昇進。祝! 不思議な味がある。 馬吉 「紙入れ」 まくらは、確かにお決まりのものだけあって、噺家のプライベートな話がなくてもいい。ただ、落語以外のことに見聞を広げておくのは、それはまた落 語に跳ね返ってくる。まくらを聞くと、その人がどれだけ世の中のことに目を向けているかが分かるし、パーソナルな一面も噺家の魅力となる。がんばれ。 主人公はよかったが、おかみさんと旦那は、もっと細やかな心理描写が欲しいところだ。 三之助 「化物使い」 もとの噺のせいもあるが、ちょっと冗長に感じた。まあ、その辺は、これから洗練されていくだろう。けど、夏の噺だし、長い噺だし、あと何回かけられるかね? 前半の隠居と杢助のパートと後半の隠居と化物のパートをどう対照づけて表現できるかが鍵だ。二つの話のように分断してしまうと、せっかくの前段の部分がいきなくなってしまう。 うーん、これは難しい噺だな。でも、ぜひまた三之助で聴きたい。 三之助 「堀の内」 寄席の三之助ネタとしてもお馴染み。安心して聴けるし、楽しい。時間を気にしてか、かなり早口だったね。 馬吉 「唐茄子屋政談」 前半は、とても良かった。 中盤、唐茄子を売りさばくところはもっともっと笑いが欲しい。また、終盤は、上手い人がやると涙腺が刺激されるので、更なる精進が必要だ。 ネタ卸としては、及第点だが、もっともっと良いものにしてほしい。とても期待できる。これも、また馬吉さんで聴いてみたい。 |
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2008 08,09 16:30 |
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甲斐性のない男は、見ていて本当にいらいらするくらい情けない。こんな登場人物に共感はできないし、主人公の女性の行き方もまた然り。 しかし、主人公をとりまく市井の人間たちの妬み、同情、欺瞞、裏切り、かけひきは、どれも人間の恥部のようだが、それこそ人間の本質とばかり、日常のなかに描ききるあたりは、見ていて本当に身につまされる。 愚かな行為があくまで人間らしく、端から見ていると許せぬ行動がまさに人間そのものなのだ。 救いのないラストは、それでもこれが人生だと、重く胸にのしかかる。 栗4つ。京橋・近代フィルムセンターにて。 |
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2008 08,06 23:31 |
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今日は、夕方の会議がちょっと長引き、前座さんの途中から・・・。
市朗 「芋俵」 もうすぐ研精会の正式メンバーか。 こみち 「権助魚」 こみちさんのこのネタ、何度か聴いている。同じネタだとどうしても以前と比べてしまう。時間の関係などもあるけど、見るたびに期待値があがる。彼女はもっとできる。次がまた楽しみ。 扇里 「ぞろぞろ」 遊一 「深見新五郎」 どことなくユーモラスで楽しげだった。 鯉橋 「だくだく」 オーソドックスな落語家さんだなあ。なんか、昔懐かしい風情だ。 三之助 「猫の災難」 登場人物がみな生き生きしている。表情も仕草も細やかで洗練されている。明るく、楽しく、華やかな高座だ。大いに笑って、仕事帰りの疲れも吹っ飛んだ。これが噺家の落語というものだ。 |
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