2010 02,20 23:06 |
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昨年末に文楽ワークッショップに一緒に出かけ、その魅力に取りつかれた我等、文楽をちゃんと劇場に観るのは初めて! で、文楽だけど、いや本当に素晴らしい。「古今東西ぃぃぃ」って黒子が太夫と三味線を紹介するのが渋い。幕が歌舞伎と逆の右から開くのが面白かった。 今日鑑賞したのは、近松門左衛門の「大経師昔暦」。これは、溝口の傑作映画「近松物語」のもとになったものだね。 大経師昔暦 1683年に不義密通で処刑された茂兵衛、おさんとその下女を題材にした物語。実際はどうだったか分からないけど、近松のこの作品では、ひどい主 人と取り違いによる偶然が引き起こす悲劇を描いている。映画「近松物語」も同様の理由を扱うが後半二人の逃避行を軸に物語が展開するが、この作品では親子の情愛に重きが置かれている。 大経師内の段 いろんな出来事が起こり、偶然と偶然が奇妙に重なりながら悲劇が起こる。 屋根から忍び込む場面も人形師が上手に操るのがびっくりだった。 幕が閉まる直前に全てが明らかになる「茂兵衛」という台詞で終わる演出が秀逸。 岡崎村梅龍内の段 この作品のクライマックス。後半から、人間国宝の竹本住太夫が登場。場内割れんばかりのものすごい拍手。 密通を行い逃避行を続ける娘と再会した両親、「畜生め」と蔑みながらも親の情愛をひしひしと盛り込む演出に目頭が熱くなる。すごい脚本だ。近松は、天才だなあ。 物干竿に佇む二人と窓から顔を出す下女に当たる月光のシルエットが、将来の磔の姿を投影するものすごい演出に震えた。 奥丹波隠れ家の段 太夫が登場人物の数だけ出て、それぞれの台詞を語る演出だった。こういうのもあるんだねえ。そしてハリウッド映画とは違って、日本的美徳を感じる結末は、悪が栄え、良き人が死んでいく。 義太夫も生きているような人形も素晴らしく、もうはまってしまいそう。でもチケット取るの大変なのよね。それにしても、日本語の美しさを改めて実感。 終演後、飯でも食おうと思ったけど、にっし君が池袋に行くって言うんで、帰ってきた。あの子も割りと忙しいようで、そうそうつきあわせてもいられない。 でも、文楽面白かったなあ。今度は、もっと良い席で観たい。あと、能も久しぶりに行きたいなあ。 |
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