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2011 04,29 17:20 |
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根津美術館の庭園は、都心とは思えぬ風情と静けさに包まれている。国宝『燕子花図』に合わせ(笑)、本当の燕子花も身頃だった。庭園内には、茶室や池、石塔などが点在していて散歩が楽しい。モダンな建物だけどカフェもあり、緑に包まれた空間でのティータイムは格別かも。
根津美術館 東京都港区南青山6-5-1 |
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2011 04,29 16:39 |
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根津美術館の展覧会へ。もともとは、「KORIN展 国宝『燕子花図』とメトロポリタン美術館所蔵『八橋図』」ということで尾形光琳の傑作が二作並ぶ予定だったが、震災の影響で来春に延期された。替わりに所蔵コレクション展に切り替わった。根津美術館が所蔵している国宝『燕子花図』は、毎年恒例で今年も展示されている。 『燕子花図』は、間近で見ると絵の剥げ具合や古さが多少目立つが、少し離れて二枚の屏風を自分の視野ギリギリに入れると、まるで五線譜上の音符のように音楽が聴こえてくるようだ。 金地に鮮烈な緑と群青のコントラストは、心地よい旋律を生み出す。 花々の穏やかな波が視線を促す。構図も計算されているんだなあと実感。 よく見ると燕子花の群青も濃淡を使い分けている。 展示は、他に「吉野龍田図屏風」や源氏物語を材に取った多くの作品が展示されていた。「吉野龍田図屏風」は、大きな屏風に桜と紅葉が描かれ、それぞれの場所を読んだ和歌の短冊が貼られている。洒落た構成だなあと思う。日本人の美意識を改めて素晴らしいと感じた。こんな乙なものが置ける家に住みたいなあ。 国宝 燕子花図屏風 2011 5月11日まで 青山・根津美術館 常設展示の宝飾時計や螺鈿の文机など、うっとりする展示も多数。手作りの調度品っていいよなあ。 |
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2011 02,05 12:19 |
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今日は、上野の東京国立博物館へ特別展「仏教伝来の道 平山郁夫と文化財保護」を観に行った。
開館と同時に入ったので、ゆったりじっくり観られた。それにしても、素晴らしい内容なのに、最近の特別展にしてはかなり空いている印象。 正直、午前中は、ガラガラだった。 平山郁夫の絵がたくさん展示されているのかなあと思ったら、仏像や仏教関連の装飾品などもたくさんあった。中には、アフガニスタンの戦乱の中、盗難に遭い日本の古美術商に持ち込まれ奇跡的に破壊から免れた貴重なものもあった。カブール国立博物館にあった美術品の8割以上は破壊されてしまったらしい。 数年前に竹橋の近代美術館での「平山郁夫展」に展示された所謂彼の代表作は、今回陳列されていなかった。それはそれで残念だけど、この展覧会は行かないときっと後悔する。 それは、奈良・薬師寺にある彼の集大成「大唐西域壁画」が展示されているからだ。彼の作品ほど、写真やインターネットの画像と異なるものはないだろう。とにかく実物がもつパワーと美しさに圧倒されること間違いない。実物を観てこれほど鳥肌が立つ絵もそうはない。 いったいどんな絵の具を使っているだろう?色の美しさには溜息が出る。 そして構図の素晴らしさ、キャンバスに切り取られた風景は、まるで無限の広がりを持っているかのような錯覚を覚える。目の前にあるのは、絵に違いないのに、まるでその場所にいるような、窓越しに時間と空間を飛び越えたような、とにかく言葉では表現できない世界がある。 今回、展示方法もありがたい。絵と観客の間にガラスが無いのだ。まるで絵に吸い込まれるような、金縛りの魔法にあったみたいにその前から動けなくなる。 絵の持つ力に圧倒される。時空を越えた展示室の空間にいることが至福の時になることは間違いない。 特別展「仏教伝来の道 平山郁夫と文化財保護」 3月6日まで 東京国立博物館 |
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2011 01,10 11:59 |
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今日は、にっし君と東京国立博物館へ行って来た。本館がリニューアルされ、それを記念して常設展示がすごいことになっている。まるで特別展のようだよ。でも通常展示の扱いなので入場料は、600円だし、特別展のような大混雑もない。
まずは、尾形光琳の「風神雷神図屏風(重要文化財)」がデーンと。前回、宗達のオリジナルと並んで展示されていた時は、あまりの人ごみでじっくり観られなかったけど、常設展示なら視界いっぱいに観られるよー。おまけに常設展だから、写真も撮れちゃうの。 という訳で「風神雷神図屏風」の前で記念撮影。そうそう、今日は着物で博物館。 その隣には、伊藤若冲のこれまた屏風が・・・。 他にも円山応挙の「雪中老松図」などもあり、もうびっくり。 浮世絵のコーナーは、北斎の「冨嶽三十六景」。これまた特別展では大混雑だけど、常設ではじっくりゆっくり。 そして写真も撮れちゃう。 一番好きな絵はこれ。風が描かれた秀逸な作品だ。 絵巻も素敵だったなあ。 これもド迫力の狩野永徳の「檜図屏風(国宝)」。これも特別展は、二重三重に人垣ができとても観られない。 にっし君がうっとりしていた「古今和歌集(元永本)」。仮名序から巻二十まで全てがそろっている現存最古の遺品。全ページ、観たいよー。 そして雪舟の「秋冬山水図(国宝)」(写真は、冬)。 これは、もう美術の教科書でお馴染み。この絵は、何度も観ているけど、山水図画として、なんとも斬新な構図だ。 正月なので、あちこちに正月風な生け花が飾ってあったよ。 何故か、マツコ・デラックスも・・・。 こちらも溜息が出た香木を愛でる為の道具。 博物館の前で、今年の書初めの記念撮影。今年の文字は、【歸】。 こっちのブログも見てね。 http://blogs.itmedia.co.jp/marron/2011/01/20111-d33f.html 驚愕の展示は、1月16日まで。必見! http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=A01&processId=02&event_id=8145 |
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2010 12,23 16:32 |
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映画の後、日本橋へ移動して「わが心の歌舞伎座展」へ。入り口で見知らぬお婆さんがにっし君に「チケットをあげますよ」って寄って来てプレゼントしてた。いいなあ可愛いと得だね。 さて、小規模な展覧会だけどなかなか趣向を凝らして面白かった。短いけど花道があり、そこを渡ることができる。横には、歌舞伎座から持って来た椅子が置いてあり、そこに疲れたお婆さんとかが座っていて、花道を歩くとちょっとした役者気分に。(笑) 歌舞伎座にあったさまざま品が展示してあり懐かしかった。 年配のおじさんが『大星由良助と書いて「おおいしくらのすけ」と読むのか?これって漢字が間違っているんじゃないの?』と係員に詰め寄っていたけど、あの歳で『仮名手本忠臣蔵』を知らないのかと、ちょっと驚いた。 混んでいるかなあと思ったけど、意外と空いていてゆっくり観られた。 歌舞伎座の売店で売っていたいろんなグッズも復活販売されてたよ。 ちなみに「わが心の歌舞伎座」というドキュメンタリー映画が来年公開されるんだって。 |
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2010 11,21 21:55 |
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東大寺大仏展に行ってきた。もちろん大仏様は、来てないよ。来てたら、びっくりだけどね。(笑) それでも大仏に関連する宝物がたくさん来ていた。あわせて正倉院の宝物もちょっぴり。 このところ東京国立博物館の展示方法は、とっても凝っていて、特にハイビジョンを活用した映像の展示などビジュアルに力を入れている。細かい文様やデザインのアップの表示に、ハイビジョンのスクリーンをうまく活用している。 今回の目玉は、国宝の八角燈籠を展示しているところか。もって来ちゃったのねえ、こんなすごいもの。持ってくりゃいいってもんじゃないと思うのよねえ。あるべきところにずっとある方がいいものもあるんだと思うのよ。これ、この展示期間中、奈良の東大寺に行った人はがっかりだろうねえ。 しかし、大仏殿の前で見た八角燈籠は、それほど大きい感じがしなかったんだけど、室内に展示されているとまあ大きいこと大きいこと・・・。何度も見ているのに、こんなに大きかったんだねえ。 そして、バーチャル・リアリティーを活用した展示。実物大の大仏と、細かい意匠が大スクリーンに拡大されて観ることができる。最近、こういうものにもお金をかけえ作っているよなあ。 凝っているけど、ペイしているのかちょっと心配になる。博物館の企画展示の終始決算ってどうなっているのかねえ。 もちろん、奈良まで行った方がいいに決まっているんだけど、趣向を凝らした展示方法は、なかなかだった。 特別展「東大寺大仏―天平の至宝―」 東京国立博物館・平成館 ~12月12日(日)まで |
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2010 10,24 23:48 |
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なんとも言えないユーモラスな表情の画と個性的な書は、何度も見ても飽きないし、ずっと見つめていたくなる。 以前、観た書画もたくさん展示されていたが、子供と月を観ている絵は、何度も観ても微笑ましくなり、またその類い稀なセンスに唸らされる。月を取ってくれとせがむ両手を挙げた子供の姿は、父親と一緒にいる嬉しさにまるで踊っているような躍動感がある。 今回は、布袋12題として、布袋様の絵ばかり集めたコーナーもあった。でっぷりしたお腹、なんとも平和なご尊顔は、仙厓らしいチョイスだなあと感服。 なんとなくだらんとして、ゆったりした和やかな人間の一面を捉えたところに、彼の優しさが伺える。 落語好きには、たまらない「堪忍」の作品も今回も展示されていた。 また、仙厓が愛用していた品々も今回も展示されていた。織部焼きの湯飲みとか持っているあたり、やはり粋な人だったんだろなあ。 3年前の展覧会の感想は、こちら。「仙厓・センガイ・SENGAI ―禅画にあそぶ―」 仙厓 -禅とユーモア- 出光美術館 ~11月3日まで |
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2010 10,17 11:46 |
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日曜日、まず午前中浅草へ。
にっし君が作品を出品している勘亭流書道の展覧会へ。昨年に続いて今年も伺う。パリから帰ってきたこぶちゃんと待ち合わせて、会場へ。 書道の展示だけと思いきや、趣向を凝らした作品が多くとても楽しい。 圓朝の作品名を蛇腹な冊子に書いた素敵な作品。知らないタイトルが結構あって驚いた。まだまだあるんだねえ。 短冊を貼る下地の生地の選ぶところからセンスが出るよねえ。 そして、にっし君の作品。歌舞伎座のさよなら公演のタイトルが並ぶ。中には、一緒に着物を着て桟敷席で観たのもあったねえ。 藤娘。絵も文字も細かい仕事。ものすごい集中力だねえ。 将来、歌舞伎座の看板をにっし君が描いているんじゃないかなあ。今のうちに、作品を買い占めておこうかしら。 |
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2010 10,10 15:01 |
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猿之助歌舞伎の衣装を展示する展覧会が目黒雅叙園で開催中。展覧会もすごく気になってたんだけど、雅叙園の名建築・百段階段にも行ってみたかったんだよね。せっかくだから、着物男子部の相棒にっし君と着物を着て行ってきたよ。
いやはや豪華絢爛な衣装が展示されていた。百段階段の各部屋に合わせて、展示方法も趣向を凝らしていて見ごたえたっぷり。 http://www.megurogajoen.co.jp/event/kabuki/highlight.html しかし、展示されている衣装以上に、百段階段の廊下や各部屋の天井画、床の間の掛軸、欄間の彫刻や絵画、立派な床柱など、建築と意匠にもううっとり。この建築を見るだけでも、というかこの建物に入るためにでもここに来たい。その建物に向かう、螺鈿のエレベーターも超豪華絢爛でびっくり。 http://www.megurogajoen.co.jp/event/kabuki/100dan.html 10月24日まで。 会期中でも、ローソンなどコンビニ前売り券が買えるよ。 http://www.jtb.co.jp/ticket/event.asp?id=256310 ローソンのロッピーって端末でクレジット・カード決済できちゃった。嬉しい! |
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2010 09,28 17:40 |
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毎度、楽しみにしている加藤さんの個展。
事前にいただいていた案内で今回の変化の片鱗を知ってはいたのだけど、実際ギャラリーに入った時に、思わず「ええっ」と声を上げてしまった。 彼がずっと描き続けてきたモチーフ「丘の上の家」が「灯台」と「船」に変化していたのだ。 色調も黒をベースにしたダークなものが多かった。 「灯台」と「船」という結びつきやすいモチーフだが、それぞれが同じキャンバスの上には載っていない。「船」の絵と「灯台」の絵が別々だけれど、同じ空間に陳列した時に、イメージの世界は無限の広がりを作り出す。 入って正面に飾られている漆黒の闇に浮かぶ「船」は、その中にスポットライトが浴びているように、しかしそれは煌びやかではなく、柔らかな光で、木彫りの船の質感が驚くほどリアルだった。 興味深かったのは、「灯台」の絵だ。灯台は、丘の上に立っており、海や水が描かれていない。丘の上の灯台は、光で何かを導く必要がないのに光を出している。これはこれで不思議な世界観があり、また彼の絵のこれまでのモチーフであった「丘の上の家」のように、切り取られた心象風景だ。 されど、同じ空間に並べられた「船」の絵が、その空間に水を想像させる。狙ったものなのかどうか分からないが、これは面白いと思った。 「船」の絵に「灯台」。光に導かれるように、この「船」は、故郷の港に帰って来たのか、はたまた見知らぬ地への旅の途中なのか、いずれにせよこのギャラリーに留まらないどこか別の場所へ、いつの間にか見ている者も旅立っているのだ。 10月2日(土)まで 『加藤 雄太 展 ―時は寄る辺のない海にも似て―』 11:00~19:00(最終日は17:00まで)
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