2007 02,25 19:39 |
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忠臣蔵の続きを楽日の今日、観てきた。やっぱり、僕は、菊五郎が好きだなあ。前回は、塩冶判官で切腹、そして今回も勘平で切腹だった。本当にこの人は、も のすごいオーラがある。舞台が引き締まるし、他を寄せつけぬ圧倒的存在感に惚れ惚れしちゃう。声もいいしなあ。戯けて滑稽な役も今回のような鬼気迫る役も どちらもすごい。五段目、六段目は、菊五郎の勘平で大満足! 後半のクライマックス七段目は、吉右衛門の由良之助、玉三郎のお軽 、 仁左衛門の平右衛門が演技で火花を散らす。玉三郎のしなやかな仕草は、他の女形と全然違う。女より女らしい。でも、声はちょっといただけないなあ。仁左衛 門も、なんと若々しいのだろう。正直、びっくり! 今回、結構、義太夫にも目が行ってしまい、ものすごい形相で語るので、こちらもびっくり。落語の「寝 床」を思い出しちゃった。(笑) 大詰めの討ち入りも、いつもの歌舞伎の殺陣とは違い、とてもスピード感があった。雪がはらはらと舞う舞台は美しく、日本人の美意識を刺激する。 忠臣蔵って、それほど好きな話ではないのだが、まあ、日本人なら一度は、歌舞伎か文楽で通しで観てもいいよね。 通し狂言 仮名手本忠臣蔵 五段目 山崎街道鉄砲渡しの場 / 山崎街道二つ玉の場 六段目 与市兵衛内勘平切腹の場 勘平 菊五郎 お軽 玉三郎 七段目 祇園一力茶屋の場 由良之助 吉右衛門 お軽 玉三郎 平右衛門 仁左衛門 十一段目 高家表門討入りの場 / 奥庭泉水の場 / 炭部屋本懐の場 由良之助 吉右衛門 師直 幸右衛門 |
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2007 02,12 20:01 |
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仮名手本忠臣蔵は、「四段目」、「七段目」、「中村仲蔵」、「淀五郎」など落語のネタとしてもお馴染み。勘平を皆でやりたがるという落語のまくらもあるね。
歌舞伎座がもう少しで建て直しのため取り壊されるためか、久しぶりの「仮名手本忠臣蔵」の通し公演だ。来月もやはり通しで「義経千本桜」だから、やっぱり今の歌舞伎座で最後にもう一度ということなのかな。 さ て、「仮名手本忠臣蔵」は、ご存知のようにもともとは人形浄瑠璃の話で、四十七士の赤穂浪士の話を「太平記」の時代と人物に置き換えて作られたものだ。そ のせいか、オープニングは、人形が登場人物の配役を説明、大序は、眠ったように舞台に座っている役者たちが、義太夫に合わせて首を上げ、人形に命を吹き込 むような演出だ。 高師直に富十郎、若狭之助に吉右衛門、塩冶判官に菊五郎、由良之助に幸四郎というスターキャスト。特に富十郎と吉右衛 門、富十郎と菊五郎のそれぞれ一騎打ちの火花散る演技のぶつけ合いは見物だった。派手な立ち回りより、台詞と演技での駆け引きと葛藤は、なかなかの迫力で 引き込まれた。菊五郎の切腹の場面も、ものすごいすごみでぐいぐいと観客を虜にする。菊五郎は、やっぱりオーラがあるなあ。 一方、幸四郎は、歌舞伎役者というよりは、やっぱりラ・マンチャの男の方があっているなあ。後半の由良之助は、吉右衛門だから、そっちに期待しようっと。 シンプルなセットの「忠臣蔵」のサイドストーリーとして展開される勘平とお軽の「道行旅路の花聟」は、富士山に桜に菜の花畑という明るく華やかで歌舞伎らしい舞と立ち回りで湿っぽさを吹き飛ばす。 後半は、25日に観に行くのだ。 通し狂言 仮名手本忠臣蔵 大序 鶴ヶ岡社頭兜改めの場 三段目 足利館門前進物の場 / 松の間刃傷の場 高師直 富十郎 桃井若狭之助 吉右衛門 足利直義 信二郎 塩冶判官 菊五郎 四段目 扇ヶ谷塩冶判官切腹の場 / 表門城明渡しの場 塩冶判官 菊五郎 薬師寺次郎左衛門 左團次 大星由良之助 幸四郎 浄瑠璃 道行旅路の花聟 早野勘平 梅 玉 鷺坂伴内 翫 雀 腰元お軽 時 蔵 |
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2006 12,24 23:15 |
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特に選んでいる訳ではないのだけど、歌舞伎に行くと必ず菊五郎さんが出ているな。まあ、好きだから、いいんだけど。 歌舞伎座の舞台の緞帳がうちの会社の提供のものだった。ちょっと嬉しいけど、だいぶ煤けてきたなあ。(笑) 八重桐廓噺 義太夫と菊之助の「しゃべり」のシーンが圧巻。いろんな要素を取り入れた舞にうっとり。 忍夜恋曲者 不気味な舞台、せり上がり登場する妖艶な時蔵の美女と立ち向かう大宅太郎光圀の松緑が魅せる。幻想的な空間の中の舞は、視覚的にも派手で歌舞伎らしい。 芝浜革財布 落語の「芝浜」の舞台化。いきなり芝の浜のシーンから始まる。途中で女房と大家のシーンも挿入されているので、物語のドンデン返しは無い。聴き手の頭の中で繰り広げられる落語と違い、視覚的に見せねばならないためしょうがないのかなあ。ちょっとがっかりのでき。 芝浜のシーンから始まるので、「夢」という設定がいきないし、落語では、これは夢か現実かは、最後の最後まで分からない。また、舞台では、ラスト、主人公が酒を飲んでしまい、別の結末が用意されているが、なんともつまらん展開。 やはり、この話は、自分の脳味噌の中で組み立てる方が圧倒的に面白い。 勢獅子 次から次へと繰り広げられる祭りの舞は、まさにミュージカル・レビュー。楽しく、可笑しく、素晴らしい。獅子舞が秀逸。 |
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2006 12,02 23:30 |
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すごーく久しぶりに「フィガロの結婚」を鑑賞してきた。これは言わずと知れた有名なオペラで、ロッシーニが曲を付けた「セビリアの理髪師」の続編。登場人 物は、ほぼ同じ。原作は、ボーマルシェで台本は、ダ・ポンテ。さすが、モーツァルトが曲を付けたオペラだけあって、喜劇だけど中身はとんでもない。前作 「セビリアの理髪師」で結婚した伯爵は、美しい奥さんがいながら奥さんの小間使いのスザンナの結婚を機にその初夜権を金で買おうとしている、スザンナの婚 約者フィガロは借金のかたに別の女性(後で実の母親と分かる)から求婚を受け、美少年ケルビーノは誰かれ構わず女をくどき、伯爵夫人は浮気者の旦那をなん とかおとしめようとする。・・・と当時の貴族社会を痛切に批判している。まあ、最後はハッピーエンドなんだけど・・・。
それにしても、人間の恋愛における嫉妬心というのは、今も昔もなんら変わってないんだなあ。 さ て、あまりに有名な序曲に始まり、「もう飛ぶまいぞこの蝶々」「恋とはどんなものかしら」などのこれまた超超有名なアリアに、映画「ショーシャンクの空 に」でも印象的に使われた「手紙の二重唱」など、音楽が素晴らしすぎて、どんなに普通の楽団がやってもそれなりのものになってしまうねえ。 ワル シャワ室内歌劇場のオケは、ちょっと音が弱いし、衣装もオーソドックスだったけど、やはりソプラノの独唱と二重唱の旋律にはうっとりしてしまう。舞台セッ トも、シンプルだけど、少ない小道具の配置が良かった。特に二幕のオープニング、ベッドを真ん中に左手袖の窓からの陽の光、窓辺の伯爵夫人は、美しかっ た。 4幕もあり長いオペラで終演は22時30頃だったが、カーテンコールの途中でぞろぞろと帰りだす客に辟易。いつもそうだが、カーテン コールの途中で帰るのは圧倒的に年配の人が多い。最近は、年寄りより若い人の方がマナーが良い。途中で席を立つのは、拍手している他の客にも迷惑だ。 |
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2006 10,10 23:57 |
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2006 10,02 23:36 |
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ニューヨークの最終日、やっぱりこのミュージカル「シカゴ」へ。USHERが出ているので連日SOLD OUT。 このミュージカル、ボブ・フォッシーのオリジナルを愛弟子アン・ラインキングが再現したもの。いったいこのダンサーたちは、間接の場所を自由自在に動かせるのか、それとも間接を消せるのか、なんとも表現できないものすごい動きをする。 舞台には、バンドがいて、その前にあるセットは、椅子だけ。それだけの空間に黒いシンプルな衣装(というか下着)を着たダンサーが人間の肉体美をこれでもかという動きで表現する。シルクハットに屈み気味なあのスタイルがなんとも格好いい。 とにかく圧倒的なダンスに、陶酔、鳥肌、覚醒、恍惚、失神寸前の素晴らしさだ。もう全てが圧倒的、全てが圧巻。歌唱力、ダンス、音楽、歌、ジャズ・バンド、もうたまらない。何度も鳥肌が立ち、感動と興奮で胸が熱くなる。 そして今、USHERがビリー・フリント役で出演中。登場するやいなや熱狂的な歓声。また、USHERが良い声をしているんだなこれが。また笑顔が最高にニヒル・・・。ダンスは、他のメンバーに比べるとちょっと浮くがそこがまた味。フォッシー・ダンスを彼流に披露した。 全員総立ちの拍手喝采。これこそがブロードウェイ・ミュージカルの真骨頂。エロティックでセクシーで、人間の極限の動きをこれでもかとひけらかすダンスには、もう狂気爛漫。この素晴らしさ、大声で叫びたーい。 これこそ、ブロードウェイ。素晴らしい。傑作。何度観ても興奮! USHERが出てくるのを待つ人で、劇場前は大混雑。宝塚状態。何人かサインを貰っていた。ブロードウェイってこんなにオープンなのね。他の役者も気軽にサインに応じていた。 もう、またニューヨークに来たら、また「シカゴ」観ちゃう・・・。 感動と興奮がいつまでたっても冷めやらず・・・。 最高のミュージカル。最高、最高、全てが最高。文句なくミュージカルの最高傑作。 あえてフォッシー色を排した映画「シカゴ」にがっかりだった人は、この本物の「シカゴ」をブロードウェイで体験すべし。オープニングで即ノックアウト、確実! |
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2006 10,02 19:37 |
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プッチーニのオペラ「蝶々夫人」をメトロポリタン・オペラで観た。いつかは、この劇場で観たいと思っていたので感動も一入。 今回の演出は、映画「イングリッシュ・ペイシェント」で有名なアンソニー・ミンゲラ。彼は舞台の演出経験も多く、「蝶々夫人」の演出でローレンス・オリビエ賞はじめ数々の賞を受賞しているそうだ。 舞台には、障子だけというシンプルなセット。ただ、舞台背面から天井に向け斜めに巨大な鏡があり、障子の向こうの様子も鳥瞰することができる。 1幕目の蝶々さんとピンカートンの愛の日々を描くシーンは、美の極致で、溜息がでるほど美しい照明と色彩に酔いしれる。煌びやか衣装や多くの提灯、はらはらと舞う桜の葉が、天井の鏡に移るとまるで万華鏡を覗いているようで、プッチーニの音楽とあいまって観客が酔いしれる。 2幕、「ある晴れた日に」を見事に歌い上げ、蝶々夫人の死まで、1幕とは対照的に簡素だが、やはり障子を効果的に使い、心に秘めた感情を見事に表現していた。蝶々夫人の死に、血を意味する赤い帯が舞台に斜めに広がる様は、圧倒的表現美だ。 今回の面白い試みは、蝶々夫人とピンカートンの子供が文楽の人形だったこと。日本人には馴染みのある黒子と生きているかのような動きの人形。ニューヨークの人にはどう写ったのだろうか。 シンプルながらも新しく美しい演出に酔いしれた。素晴らしい。 隣 に座った老婦人が飴の缶を開けられずにいたので、開けたあげたら、ずっと話かけてきた。劇場のことをいろいろ教えてくれ、また幕間に地下のギャラリーも案 内してくれた。とても親切で面白いご婦人だった。ロングアイランドから来たらしい。ずっといろんな話をしてた。こういう出会いも旅の醍醐味だね。 |
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2006 10,02 18:40 |
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死ぬほど退屈だった。完全にファミリー向け。ヴィジュアルや舞台のしかけは派手で視覚的には楽しめるのだが、ディズニーランドのアトラクション程度。 登場人物が仮面や着ぐるみ、小道具(時に大道具)を抱えて登場するので、基本的な動きは揺れているだけ。とてもダンスとは言い難い。ただ、歌がエルトン・ジョンの作曲なので聴くに値する。 しかし、もう巨大な人形劇か拡大版「お母さんと一緒」を観ているみたいで、もう退屈で退屈で退屈で・・・。ちょっとこれは、僕の嗜好とはかなりかけ離れている。ディズニーのミュージカルはダメかも。 この程度のものだったのなら、日本で劇団四季でも良かった。つまらん。もうどうしようもなく退屈。ただ退屈。 ファミリー向けが少ないブロードウェイでは、良い暇つぶしになるのだろう。 |
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2006 09,30 12:50 |
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日本で観るのを我慢していた「MAMMA MIA!」を観た。この劇場も懐かしい、「CATS」をやっていた所だ。ドアを開けたらすぐ劇場、ブロードウェイの劇場は古くてみなそんな感じだけど味があるよなあ、やっぱり。 ABBAのヒット曲を散りばめたミュージカル。まあ、よくストーリーに合う歌詞の曲があったものだというより、強引に詰め込んだなあ。それ故、ストーリーはたわいもない。まあもともとミュージカルのストーリーはたわいもないものが多いけど。 しかし、そんなことはどうでもいい。このミュージカル、最高に楽しい。喜劇としてもよくできている(ちょっとお下劣だけど)。まあもとがロンドン・ミュージカルだから、モンティ・ピパイソンの国だから・・・。 劇場は、爆笑、爆笑、爆笑の渦。アメリカのエンターテイメントの底力を感じる。また、改めてABBAの曲って素晴らしかったと実感。ダンスもどちらかと言うと笑いの要素もたっぷり。そんな中で「Our Last Summer」のシーンは、ちょっとメランコリー。 この作品、圧巻は、実はカーテンコール。観客総立ちの中、アンコールの3曲は、まるでコンサート会場。 ああ、楽しかった。やっぱりブロードウェイは素晴らしい。ニューヨーク最高! |
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2006 05,20 23:52 |
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しのたかさん、かさんにお誘いいただいて、歌舞伎を観に歌舞伎座へ。今日は、大変歌舞伎に造詣が深い方々とご一緒なので、とても心強い。席は、しのたかさ んに押さえてもらったので、1階席で花道の横で、おまけに舞台もとてもよく見えた。いつもは、2階や3階、たまに幕見席の僕ですが、やはり1階だと役者の 表情もよく見えるなあ。花道で”見え”をきることもあるので、歌舞伎で席は重要だな。でも、音羽屋とか成田屋とか掛け声をかける通は、3階席にいるよな あ。 江戸の夕映 歌舞伎は、セットが豪華で綺麗だよなあ。背景は、絵だけど、照明が良く出来ていて、とても奥行きを感じる。 大佛次郎の作で、舞台は、慶應から明治になった夏。所謂歌舞伎メイクではなく、官軍なんかが出てきて普通の演劇みたいだった。まあ、台詞が聞き取りやすいので、筋を追うのが楽でいいが。 海老蔵が主役なのかなあ? それにしては、出番も台詞も少ない(2幕には出てこないし・・・)しかし、海老蔵は、存在感があるねえ。 時代の変わり目に、武士の魂を捨てないことを美徳と感じ、強がっている主人公の心の葛藤と寛容が見せ場だ。言いたいことは、よく分かるが、やっぱり古いなあ。何か新しい解釈が欲しいところ・・・。 しかし、ラストの夕暮れのシーンは、美しい。歌舞伎は、登場人物の舞台上の配置がとても重要だと思う。 雷船頭 滑稽な舞。やはり、1階席だと表情が見えるので、より楽しめた。 外郎売 今回のハイライト。十二代目市川團十郎の復帰である。大拍手、大喝采。菊五郎との口上も、まるでお話の中の一つのエピソードのような自然な挿入。同じ病気で友人を亡くしているので、復帰した團十郎の姿にジーンときてしまった。 歌舞伎は、幕が開いても、その中にまた幕があって舞台を隠していることがある。それが、パッと開いてその奥に絢爛豪華な錦絵のような世界が広がっていて、圧巻だった。美しい着物の女形が大勢並び、前述の通り、配置の美しさと微動だにしないその光景が圧倒的迫力だった。 権三と助十 落語みたいな話だった。舞台も貧乏長屋だし・・・。大いに笑えた。菊五郎は、声もいいし台詞も聞き取りやすい、三津五郎は、まるでその時代の人間のような自然さ。共に名優だねえ。 仲入りは、鳳凰で團菊膳を食べた。歌舞伎座は、館内にいくつも食堂があり、大きな土産物屋があり、まるで一つの町のようだね。この建物がもうすぐ無くなってしまうのは、本当に残念だ。ロビーとか階段とか、とても雰囲気がいいんだよね。 しかし、幕間は、30分。ちょっと忙しないねえ。ゆっくり味わってという感じでは、無かった。 次回は、升席でゆっくりかな? しのたかさん、かさん、楽しい1日でした。ありがとうございます。 また行きましょうね。 |
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