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2012 07,28 23:07 |
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前作にはあった人間の内面の弱さにつけこんだ駆け引きやヒース・レジャー演じるジョーカーのような鳥肌ものの悪役も出て来ない。ベインは、なかなかにがんばっていたと思うけど、ヒースに比べると魅力薄。 そもそもこれまでの主要人物がほとんど活躍しない。ゲーリー・オールドマンも早々と病院送り、マイケル・ケインも途中からほとんどいなくなっちゃうし、そもそもバットマンがあんまり出て来ない。 つっこみどろこも満載。いくらなんでもあんなに痛めつけられた人間があんな場所で回復しないでしょ?それから核爆弾の扱いが杜撰すぎ。キャット・ウーマンはかっこ良く描かれているけど、彼女の過去や抱える悩みなどは全く表現できておらずキャラクター設定は失敗。 物語を終わらせるがための脚本は正直残念だ。クライマックスは、ただのアクション映画。橋を利用した閉鎖空間を出したいためか、ロケ地が前作のシカゴからニューヨークになっていた。 ラストのどんでん返しも一作目と同じじゃんって感じでちょっと拍子抜けだ。 ただただ、マイケル・ケインの演技には脱帽。この人は、やっぱり凄いなあ。他の役者が霞んでしまうよ。 あえて無理矢理な完結編を作る必要もなく、「ダークナイト」で終えておけば良かったのに。とはいえノーラン兄弟はとても才能があるので、次回作、全く別なものに期待しよう。 栗3つ。どうしても前作と比べちゃうとねえ。あ、そうそう「戦場のメリークリスマス」で日本にはお馴染みのトム・コンティが出ていたよ。懐かしかったねえ。 新宿ピカデリー1にて。 |
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2012 07,21 23:16 |
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アメリカでは当時映画史上2位の大ヒットになったけど、日本ではそれほどヒットしなかった。暗い画面、重苦しい内容だったからかなあ?でも日本でも「スパイダーマン」はヒットするのにねえ、なんでこの作品はダメだったんだろう? 「ダークナイト」のすごいところは、人間の弱さにつけこみ善人すら悪人にしてしまうというジョーカーの手口。まさにそれが人間の本性だと突きつけられて胸が痛くなる。仲間すら信用することができないなか、二転三転するストーリーにハラハラドキドキする。 単なるヒーロー映画ではなく、骨格にしっかりとした人間ドラマがあり、また決してバットマンが超人的ではなく、人間としての悩みを抱えているところがすごい。加えて、香港の摩天楼でのアクション、夜の街を疾走するカーチェイスと迫力満点のシーンも多々あり、これはやっぱり映画館の大画面で観たいもの。 アクション映画も、映像ではなく、要はやっぱりストーリー、脚本なんだと実感。 とにかくすごい映画。栗4つ。丸の内ピカデリー3にて。 なお、新作「ダークナイト ライジング」公開の前日まで、前2作の上映が全国で実施されている。
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2012 07,15 15:43 |
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今作は、つっこみどころ満載のアクション・アドベンチャーになっているよ。それでもこの間の「アメージング・スパイダーマン」よりは面白かったなあ。とにかく2時間飽きなかったから。 主役は、「トワイライト」の大ヒットでハリウッド女優一のギャラを得るようになったクリスティン・スチュワート。悪の魔女で継母にシャーリーズ・セロン。それ以外は、知らない人ばかりと思っていたら、7人の小人の中にボブ・ホスキンスがいたよ。エンドクレジットが出るまで気付かなかった。 グロテスク感とアクション・シーンは満載だけど、オマージュなのかパクリなのか、いろんな映画を彷彿させる場面がたくさん。全体的雰囲気は、「ロード・オブ・リング」、鏡の中から出てくるのは「ターミネーター2」の悪役、シャーリーズ・セロンは、「スペース・バンバイア」並に人間の若さを吸いまくり、「もののけ姫」のシシ神様も特別出演し、「ハリーポッター」に出てくる妖精みたいなものも登場し、最後は、白雪姫が「ジャンヌ・ダルク」ばりに大活躍さ。 栗3つ。TOHOシネマズ日劇3にて。まあ、アクション大作らしい映画だよ。
それより、やっぱりシャーリーズ・セロンの方が奇麗だと思うのよ。
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2012 07,07 21:45 |
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ベースとなるストーリーは、前シリーズとほぼ同じだけど、親友であり会社の重要な人物であるオズボーン一家は、台詞上の名前しか登場しない。 恋人役は、メリー・ジェーンは出てこず、グウェン・ステイシーだけ。 一番期待されたニューヨークの街を飛び回るシーンは、奇麗な夜景に置き換わり3Dになっているものの、迫力は前シリーズの方があったね。 クライマックス・シーンも「トランスフォーマー」の縮小版と言った感じで、手に汗握る展開だった前シリーズ一作目のルーズベルト島のロープウェイの場面に比べると拍子抜け。 決してつまらなくないけど、サム・ライミ版の方が楽しくて面白かったなあ。メリー・ジェーンとの逆さキスシーンとか、グリーン・ゴブリンのニューヨーク破壊場面とか、前作の方が見応えがあったね。 混んでいるかなあと思い新宿ピカデリーのプラチナ・シートで観てみた。これまでユナイテッドシネマ豊洲のプレミアシートが一番すごいと思っていたけど、それを上回るゴージャスさ。まずは、専用エレベーターでロビーへ。ラウンジは、ユナイテッドシネマより狭いけど、ゴージャスな雰囲気。ウェルカム・ドリンクがあるのは同じだけど、それ意外に用意されているメニューがすごい。1本10万円のシャンパン、1杯5000円のコーヒー、一般席とはそもそも別のフロアの王様的なバルコニー席とまあびっくり。値段もユナイテッドシネマ豊洲の倍の一席5000円。ここ銀座じゃないよ、新宿だよ。需要あるのかな?でも、優雅な雰囲気だし、席にはオットマンもあり靴を脱いで足を投げ出せるし、ブランケットもあり、飛行機のシートみたいだった。 さらに驚いたのは、二室個室がありそちらは二人で3万円なり。映画観るのに3万円は高いよねえ。ホテルに一泊できちゃうよなあ。 新宿ピカデリー スクリーン1 プレミアシートにて。 |
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2012 06,09 23:30 |
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往年の傑作「カイロの紫のバラ」を彷彿させるロマンティックなラブ・コメディー。ただ、「カイロ」に比べるとかなり笑いの度合いは少なく落ち着いた感じ。クスクス可笑しいけれどね。
冒頭のパリの案内シーンが美しすぎる。パリのあらゆる有名な場所が次々に現れては消えて行く。「ああ、ここ行ったことある」と多くの人が思うだろう。 誰もが羨むような生活をしているのに、現代の生活と現在の恋人にどこか満足できない主人公。恋人とその両親とで出かけたきたパリで、夜な夜な1920年代へとタイムスリップする。その手法がウディ・アレンらしく鮮やか。コール・ポーター、フィッツジェラルド、ヘミングウェイ、ピカソ、ダリなどその時代にパリにいた憧れの人物と出会い、ピカソの恋人だった女性と恋に落ちて行く。 尚古主義一辺倒だったウディが自ら結論を出すクライマックスは、そうした達観をする年齢になったのかなあとも思うし、それが人間で、それが人生なんだなあとひしひしと伝わる。 「カイロの紫のバラ」では身勝手な人間が残酷で悲しい結末を生むが、こちらの作品は、前向きで新たなスタートを気付かせてくれる優しい展開で終わる。「重罪と軽罪」「マッチポイント」「私の中のもう一人の私」など、人生の厳しく残酷で立ち直れないほどのつらいラストシーンを突きつけたきた作品もあったけど、今回はその点、見終わった後も重々しくない。僕は、残酷なラストの方が好きだけどね。 栗4つ。丸の内ピカデリー2にて。
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2012 05,27 23:55 |
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2時間も台詞無しだなんて飽きるかなあと思ったけど、テンポも良く最後まで惹き込まれた。楽しい映画だったよー。 サイレント映画の雰囲気を出すために、スクリーン比が昔っぽいし、フレームレートを落として撮影していたらしく、また劇中でも揶揄されているサイレント映画的な大げさな演技というのが良い味を出していたねえ。 フランス映画だけどハリウッドが舞台、アカデミー賞の対抗馬だった「ヒューゴ」はアメリカ映画だけどフランスが舞台。どちらも映画への愛とオマージュが描かれた作品の対決だったんだねえ。個人的は、「ヒューゴ」の方が好きだけど・・・。 「アーティスト」、展開は予想通りだけど、主演男優とそして、何よりも何よりも犬のアギーの演技が素晴らしい。この犬がいなかったら、この映画はそれほどものになっていなかったかもと思われるほど、犬がすごい。 クライマックスのダンスシーン、気持ちは分かるけどジーン・ケリーやボブ・フォッシーの映画を観まくっている僕としては、おいおいって感じだったけど、まあ楽しいからいいんじゃない。 サイレント映画の楽しいところをたっぷり詰め込んだところに脱帽。ただ、実際に昔のサイレント映画を観た方が遥かにすごいけどね。 でも、犬と主演男優が素晴らしいので栗4つ。 シネスイッチ銀座にて。
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2012 05,27 23:00 |
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つまんなかったねえ。久しぶりに観て損した映画。ティム・バートンとジョニー・デップのコンビ、過去には「シザーハンズ」とか「エド・ウッド」とか「スリーピー・ホロー」とか面白かったよねえ。「チャーリーとチョコレート工場」もブラックなところが好きだったけど、前作「アリス・イン・ワンダーランド」は、才能の枯渇が見え始めていたなあ。 今回は、もう面白くもなんともない。ちょっと、吸血鬼と魔女のおぞましいセックス・シーンが受けたけど、とにかく何もかもが中途半端だ。時代設定が70年代だったので期待していたんだけどねえ。登場人物、特に城の中の輩が全然いかせていないよ。 栗1つ。 新宿バルト9 スクリーン9にて。 |
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2012 05,26 23:16 |
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これもねえ、悪い映画じゃないんだけど、設定も展開も結末も予想通りで普通。出てくる人の演技がいいだけに全く惜しい映画だ。 これまでにもこの程度の映画は、いくらもあり、プロットにも目新しさはないなあ。しいていえば、ハワイの王族の家系というのがまあ面白く、そしてハワイの風景と音楽が目に耳に心地良い。逆に深刻な場面でも、ハワイアン・メロディーがどことなく全体的にふわふわとさせてしまう。 ヨーロッパ映画や昔のアメリカ映画と違うのは、結局いろいろあったけど、家族の絆を取り戻すってとこね。911以降、この傾向は顕著だ。70年代のアメリカ映画のように、絶望的でどうしようもなく切ないエンディングなんてのは無いんだねえ。まあ、あまり余韻が残らない。 観ている間もついつい他のことを考えてしまい、ということはあんまり映画にのめりこめなかったんだなあ。 栗3つ。普通。 ユナイテッドシネマ豊洲スクリーン9にて。 ロバート・フォスターがおじいちゃんになっていて驚いた。 |
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2012 05,19 15:03 |
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TOHOシネマズの映画館で、映画が始まる前に数分だけ上映していた「紙兎ロペ」。これがなんとも可笑しくて、面白くて大好きなのだ。 それが、長編作品になったということで期待していたんだけど、ちょっと期待はずれ。いや、決してつまらなくはないんだけど、これまでの短編に比べるとパワー不足。ふかわりょうはじめ、あきらかにいらない声のゲストたち・・・。短編の持つ凝縮された笑いの力は、分散し縮小し、ちょっと残念だ。 ストーリーも、奇想天外さにかける。なにからなにまで惜しい。 栗2つ。やっぱり、短編の方が素晴らしい。 TOHOシネマズ六本木 スクリーン7にて。 初日の初回だったので、舞台挨拶があったけど、ここでもふかわりょうが目障りでいらない存在だった。 |
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2012 05,04 23:35 |
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本国アメリカでは大コケしてしまった作品。映画史上最大の赤字になりそうだけど、過去の『天国の門』のようにその赤字のせいで映画会社がつぶれてしまう心配は、ディズニーにはないらしい。 まるで「ターザン」と米国の批評家たちには酷評されたが、まさに「ターザン」の原作者の作品だし、100年前に書かれたSF小説だから、どうしても古さは否めない。 でも、結構、それがかえって面白かった。原作は、1917年に書かれた「火星のプリンセス」。地球人が火星にテレポートし、重力が違う火星でヒーロー的に大活躍し、火星の王女と恋に落ちるという昔懐かしいプロットだけど、子供の頃に想像した夢あふれる冒険活劇にあふれていて楽しめる。 今観ると、「スター・ウォーズ」や「アバター」にそっくりと思ってしまうが、影響を受けたのは、ルーカスやキャメロンの方で、こちらの小説のが遥かに先なのだね。 期待していなかっただけ、良い意味で面白かったけど、「スター・ウォーズ」しかり、宇宙のSFものって、みんな古代ローマ風なんだよねえ。(笑) ちょっと続きが気になるよ。栗3つ。 ユナイテッドシネマ豊洲スクリーン1にて。 |
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