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2013 01,28 19:47 |
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そして、この映画は、絶対に映画館で3Dで観た方がいい。これまでの3D映画は、何故わざわざ3Dに?というものが多かったけど、この作品では、奥行きというものを効果的に利用した斬新映像テクニックに圧倒される。動物も、風景もCGだと分かっているのに、それをも忘れさせるほど素晴らしく、そして美しい。 海と空がつながる3D映像は、海洋生物が空を飛んでいるような錯覚を覚える。 様々なアイデアが満載で、海の上での漂流場面も飽きさせない。実際のサバイバル方法にもとづいて脚本が書かれたらしい。 この映画には、人生と真実の残酷な側面も描かれているが、そうした残虐性はオブラートにつつみ家族でも観られる作品に仕上がっている。エンドクレジットも3Dを活かし、美しい。 栗4つ。魔法の時間を満喫すべし。 ユナイテッドシネマ豊洲 スクリーン10にて。
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2013 01,26 15:25 |
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しかし、後半物語は一転する。タイムトラベルの面白さを活かした展開は、どこへやら。物語は、陳腐なラブストーリーと「キャリー」や「スキャナーズ」みたいな超能力者映画に変貌。自分自身との戦いは、どこへ行ったの? はあ? タイムトラベルものの傑作ニコラス・メイヤーの「タイム・アフター・タイム」やブライアン・デ・パルマの「キャリー」を別々にそれぞれ観た方が数百万倍面白い。 最近の映画にありがちなプロットは面白いのに、展開や結末が考えられず強引なラストとお涙頂戴に走っている駄作群の一作。 栗1つ。ユナイテッドシネマ豊洲 スクリーン11にて |
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2012 12,29 23:49 |
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久しぶりに退屈きわまりない映画を観た。今年一番の期待はずれ。 舞台の単なる映像化に過ぎず、映画的な醍醐味はかけらも無い。監督は、バズ・ラーマン?と思ってしまうような「ムーラン・ルージュ」的なしょぼいパリのセットやCG、迫力が微塵もない学芸会の出し物のようなバリケードの暴動シーンなどどれもしょぼすぎる。 そもそも冗長な展開と、人物描写が希薄な演出で、登場人物のどいつもこいつも印象に残らない。 舞台で生オケーストラで、その場で歌を聴けばとても良い作品だと思うけど、ただ映画にしただけでなんの工夫も、新たなテイストも無く退屈で退屈で、何度も途中退出したくなった。 まあ、そもそもダンス・シーンのないミュージカル作品は嫌いなんだけどね。またブロードウェイ・ミュージカルは大好きで何度も本場で観ているから、ただ映像化するくらいであれば、生の舞台の方が圧倒的に素晴らしい。映画化するのであれば、映画でしかできない何かが欲しい。 とにかく退屈、3時間近くもこんなものに付き合うのは本当に時間の無駄。 栗1つ。新宿ピカデリー スクリーン1にて。 |
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2012 12,01 22:50 |
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待ちに待った「007 スカイフォール」を初日に観てきた。007映画化50周年記念のこの作品は、ファンなら思わずニンマリとしてしまうシーンが散りばめられている。ああ、話したいけど、これから観る方のために我慢するよー。 今回もオープニングからド迫力アクションが展開。これは、ちょっと「ボーン・アイデンティティー」シリーズにかなり影響されてか、最近この手のアクション映画が、CGではなく昔ながらのスタントが復活して嬉しい限りだ。このオープニング・シーンだけで、もう手に汗握る大迫力。そして、主題歌は、アデル。こちらも今旬なシンガーをおさえているね。 監督は、「アメリカン・ビューティー」のサム・メンデスだけに、ユーモアの中にやっぱり残虐性と重たい人間ドラマが横たわる。ダニエル・クレイグになってから、結構重々しい雰囲気はあるよね。何やら秘めた冷たい007の過去がだんだんと明かされて行く感じ。 悪役は、性格俳優のハビエル・バルデム。「羊たちの沈黙」のアンソニー・ホプキンスばりに怖い。一方、ボンド・ガールは活躍が少なかったねえ。あまり魅力的でも無かったし。実は今回のボンド・ガールは、ジュディ・デンチじゃないかしら。ガールじゃないけど・・・。 まあクレイグのボンド一作目の「カジノ・ロワイヤル」を超えるほどではないが、、文句なく楽しめる作品だ。早く次の作品を観たいな。もちろん、ダニエル・クレイグで。惚れてしまうほどかっこいい。スーツは、前作から変わらず今回もトム・フォード、ボンドは、やっぱりスーツだよね。
栗4つ。新宿ピカデリーにて。 現在、なりきりボンドキャンペーンが展開中です。僕もやってみた。(笑) http://narikiri-bond-pia.jp/ |
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2012 10,05 14:18 |
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キャット・スティーヴンスの歌が全編に散りばめられているが、これも70年代ぽいなあ。「If you want to sing out, sing out」の詞がいいんだよねえ。 狂言自殺を続けて母親を困らせつづける19歳の少年ともうすぐ80歳になる人生を謳歌している老婆とのラブ・ロマンス。友情というならまだ分かるけど、愛情に変わって行く後半は、やっぱりちょっとついて行けないなあ。 天真爛漫、自由奔放でやりたい放題で楽しそうな老婆の過去が明かされる夕暮れの場面の美しさが胸に突き刺さる。ここで終わっていたら栗5つだったんだけどなあ。 残酷一辺倒で終わるかなと思ったら、ラストにはちょっぴり生きる希望が・・・。 ぶっとんだすごい映画だけど、生きることの意味を考えさせられる。70年代のアメリカ映画って本当にすごかったなあ。 栗4つ。新文芸坐にて。
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2012 10,05 13:19 |
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主演はリチャード・ギアだが、存在感・演技で圧巻なのがサム・シェパードだ。静かで理知的だが徐々に抱く疑念がクライマックスの火災のシーンで一気に爆発して燃え上がる。 不況と貧困が招く悲劇ではあるが、愛の形としてはものすごく歪んでいる。 日没から完全に夜になるまでの20分間で撮影された美しい大自然、風になびく麦畑、農場にぽつんと建つ農場主の家、映像と音楽が完全なる調和を奏でるまさにシンフォニーだ。 栗5つ。新文芸坐にて。
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2012 09,30 18:37 |
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子供の頃は、分からなかったけど、そうそうたるメンバーが作品にかかわっている。製作は、ウォルター・ヒル、当初自分で監督するつもりだったそうだけど、新人のリドリー・スコットにやらせることに。そしてこれが、彼の代表作となる。脚本は、ダン・オバノン、その後も「バタリアン」とか「ブルーサンダー」とかアイデアがいい作品を書いているけど、これがやっぱり傑作だよね。そもそも脚本では、リプリーは男性をイメージしていたとか。 音楽は、ジェリー・ゴールドスミス。この人は天才だよなあ。すごく心に残る美しいメロディーというよりは、チャールトン・ヘストンの「猿の惑星」とか、不思議な旋律で異空間を作り出すのがすごい。演出もあるけど、彼の音楽が一層映画を怖くしている。 そして、なんと言ってもエイリアンをデザインしたH.R.ギーガー。映画史上最も恐ろしく、そして最もクールなクリーチャーを創造した。 シガーニー・ウィーバーがこの映画でスターの仲間入りをしたけど、すごいのはイアン・ホルムだね。「炎のランナー」より、断然こっちの演技がすごいわ。なんかずっと優しげなおじさんのイメージがあったけど、この作品ではクールでちょっとかっこいい。そして実は恐ろしい。 とまあ、当時無名な人もいたけど、それぞれにその頃の最高の才能が集まって、ものすごい映画ができたよな。宇宙空間の宇宙船という閉塞感がいいんだろうな。エイリアンが飛び出す食事のシーン、蒸気と光と闇が交錯する中に現れるメタリックなエイリアン。何度観ても惹き込まれるし、何度観ても怖い、怖い、怖い。すごい映画を作ったものだ。 その後、何作か続編が作られたけど、どれもこの第一作を越えられないね。栗5つ。 もう何度でも映画館で観たいよー。 午前10時の映画祭、TOHOシネマズみゆき座にて。
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2012 09,09 23:51 |
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往年の大女優が過去の栄光に囚われて狂気の沙汰を現実で演じる側面ばかりが評されているが、4人の主要登場人物の歪んだ愛がものすごい。 仕事が上手くいかず借金が返せない若い脚本家の男は、たまたま迷い込んだかつての大女優の邸宅で、女主人の愛が重くのしかかるも、その手から逃れられない。まるで安部公房の小説のような不思議な展開。 それでも、「誰もが冷たいハリウッドで、彼女だけは優しかった」と断ち切れない想いに揺れ動く。 かつての大女優は、昔の栄光に今も酔いしれている。現実は見えず、金という力で男を囲う。哀れみはいつしか真実の愛に変わって行く。しかし、それはものすごく狂気じみていて恐ろしい。 若い脚本家の女は、野心に燃え、男の脚本家を利用してのし上がろうとする。婚約者がいるにもかかわらず、それは愛へと変わって行く。 女優の狂気の演技がものすごいので忘れがちだが、一番倒錯していて狂気じみているのは、この家の執事だ。最後の方で関係が明かされるが、一番歪んだ愛の形を見せつけられる。 四人四様のエゴがむき出しになるが、大女優の話ばかり語り継がれるのは、グエン・スワンソンの度肝抜く名演技に尽きる。 自分だけが可愛い人間のおぞましさの中に他人への歪んだ愛が垣間見えるものすごい作品。 栗5つ。 午前10時の映画祭 TOHOシネマズみゆきざにて。
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2012 08,25 14:15 |
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相変わらずのアンドロイドが同じ役割として出てくるのも、そろそろアイデア枯れ。まあ、「エイリアン」シリーズというのを強調したいんだろうけど。笑っちゃうのが、今回のアンドロイドのモデルがピーター・オトゥールだということだ。 物語も「エイリアン」と「エイリアン2」のパロディーという感じで、新しいものは何一つない。脳みそが悲鳴をあげるほど怖かった「エイリアン」の恐ろしさや緊迫感は微塵も無いし、「エイリアン2」のはらはらドキドキしたアクションシーンと比べてもかなり地味。何から何まで中途半端。 あと、展開が早すぎ。いきなり遺跡の謎の壁画が見つかり、すぐ宇宙へ出発。もう少し、人類誕生の起源を追う背景の場面が欲しかった。惑星に着いてもいきなり目的地が見つかるし、せっかく起用しているシャーリーズ・セロンも大した見せ場もなく残念。 何から何まで残念だけど、そもそも脚本がお粗末なので、もうどうやっても無理だね。監督がリドリー・スコットだけに、あの「エイリアン」の衝撃をもう一度と期待したけど、ダメだった。 栗2つ。ユナイテッドシネマ豊洲 スクリーン1にて。 「エイリアン」の一作目をもう一度大スクリーンで観たい。 あ、ちなみにエンドクレジットであらわれるWeyland Industryのホームページは、事前のキャンペーン・サイトとしては良く出来ている。 https://www.weylandindustries.com/ |
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2012 08,12 21:59 |
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ストーリーや登場人物は、前作をかなり踏襲しているが、設定はちょっと変更されている。また前作を観ている人が気付けばにんまりとしそうな場面も結構ある。 映像(CG技術)は格段に進化していて奇麗ではあるが、労働者の町は「ブレードランナー」ぽいし、金持ちの街は「フィフス・エレメント」か「マイノリティー・レポート」の模倣な感じ。 今回は、火星が登場せず、地球の裏表が舞台。地球の裏から地中を抜けて通勤するのがウケた。 前作と比べていまいち高揚感が高まらなかったのは、音楽だと思う。前作の音楽は、ジェリー・ゴールドスミス。正直、前作でも一番印象に残ったのは音楽だなあ。オープニングから音楽で惹き込まれたもんなあ。今回の音楽はなんか地味で大作感で出てないね。 栗3つ。まあ楽しめる。ユナイテッドシネマ豊洲 スクリーン10にて。 |
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