2006 10,02 19:37 |
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プッチーニのオペラ「蝶々夫人」をメトロポリタン・オペラで観た。いつかは、この劇場で観たいと思っていたので感動も一入。 今回の演出は、映画「イングリッシュ・ペイシェント」で有名なアンソニー・ミンゲラ。彼は舞台の演出経験も多く、「蝶々夫人」の演出でローレンス・オリビエ賞はじめ数々の賞を受賞しているそうだ。 舞台には、障子だけというシンプルなセット。ただ、舞台背面から天井に向け斜めに巨大な鏡があり、障子の向こうの様子も鳥瞰することができる。 1幕目の蝶々さんとピンカートンの愛の日々を描くシーンは、美の極致で、溜息がでるほど美しい照明と色彩に酔いしれる。煌びやか衣装や多くの提灯、はらはらと舞う桜の葉が、天井の鏡に移るとまるで万華鏡を覗いているようで、プッチーニの音楽とあいまって観客が酔いしれる。 2幕、「ある晴れた日に」を見事に歌い上げ、蝶々夫人の死まで、1幕とは対照的に簡素だが、やはり障子を効果的に使い、心に秘めた感情を見事に表現していた。蝶々夫人の死に、血を意味する赤い帯が舞台に斜めに広がる様は、圧倒的表現美だ。 今回の面白い試みは、蝶々夫人とピンカートンの子供が文楽の人形だったこと。日本人には馴染みのある黒子と生きているかのような動きの人形。ニューヨークの人にはどう写ったのだろうか。 シンプルながらも新しく美しい演出に酔いしれた。素晴らしい。 隣 に座った老婦人が飴の缶を開けられずにいたので、開けたあげたら、ずっと話かけてきた。劇場のことをいろいろ教えてくれ、また幕間に地下のギャラリーも案 内してくれた。とても親切で面白いご婦人だった。ロングアイランドから来たらしい。ずっといろんな話をしてた。こういう出会いも旅の醍醐味だね。 |
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