2006 10,07 23:14 |
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絵巻の大傑作の一つ「国宝 伴大納言絵巻」。過去にも何度か観ているが、上・中・下巻が揃って展示されるのは、10年ぶりだとか。その10年前も一度観ている。しかし、何度観てもこの絵巻にはひきこまれる。
有名な上巻の応天門の火災の場面は、まるで炎がメラメラと目の前で燃え、生きているかのように踊り狂う。真っ赤の炎と黒煙に追われるように逃げまどう民衆の恐れ怯える表情は、何度観ても体が震える。 犯人にされてしまう源信の女房たちの悲しみの表情と一転無実となり安心する表情、どちらも泣いているのに、明らかにか哀しみと安堵の表情が描き分けられている。 真実を目撃した舎人の子供とその子供を蹴りつける伴大納言の家来の描写もまるで目の前で行われている情景のようだ。 絵巻を眺めながら、いつの間にか古の世界に旅だってしまう。そこにあるのは、いつの世にも変わらぬ、人間の嫉妬、憎悪、喜びと悲しみ。 上巻の火災の部分は、単独で今年の前半も展示されていたが、全巻展示のこの機会、お見逃し無く。 ちなみに、会期中複製と置き換わる期間があるので、本物を観たい方は、要注意。 |
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