2006 11,11 23:00 |
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日本人なら誰もが知っていた安寿と厨子王の物語。最近の子供たちも知っているのかなあ? 僕の子供の頃は、頻繁にテレビでも放映されていたし、本も学校の課題図書なんかになっていた。
この話は、古くから伝承されてきたものを森鴎外が小説にした「山椒太夫」が有名だ。森鴎外、僕は、夏目漱石より好き。 映画は、「雨月物語」と双璧をなす美しさだ。ススキの原を家族が行くシーンは、溜息。安寿が入水する湖、溝口らしい舟の別れのシーン、母が逃げ、そして眺める佐渡の丘と浜、胸ぐらがえぐられるほど切なく美しい風景は、これぞ日本的美の恍惚だ。 田中絹代のラストの演技は、鳥肌もの。本当にこの人、すごすぎる。 人間の残虐性とそれに抗する正義を描くが、それを勝ち取るために主人公家族が辿る人生は、過酷というか地獄。若い人の目には、どう映るのだろうか。 栗5つ。 国立近代美術館フィルムセンターにて。
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