2006 11,12 22:59 |
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公開時は、当時のみゆき座で観た。その後、ビデオで何度か観たかが、スクリーンで観るのは初公開時以来だ。今、観ても色褪せないどころかより一層素晴らしさが伝わってきた。
こ の映画をミュージカルとするかどうかは難しいところだが、オープニングの「オン・ブロードウェイ」にのって始まるオーディション・シーンやフォッシーの愛 弟子かつ愛人だったアン・ラインキングのダンスシーンには、釘付けになる。特に、アン・ラインキングのフォシー・ダンスは、ダンスの神様が降臨しているか のようで、信じられないくらいの美しいステップとフォルム、まるで床から浮いて、上から吊り上げられているかのような華麗で流れるよう。アン・ラインキン グ、ダンサーとしての絶頂期のダンスがこの映画で観られる。 この映画は、単なるミュージカル映画では無い。フォッシーの半自伝であるドラ マと主人公が演出するミュージカル、同じく主人公が演出する映画、現実の世界と死後の世界、4つの世界が交差しながら進む。綱渡りのシーン、コンサートの シーンなど、人生をショービジネスに例え、美しいダンスシーンと共に展開される。 途中、ミュージカル「シカゴ」を思わせるダンスのリハーサルは、フォッシーのダンスの真骨頂、ラストの「バイバイ・ラブ」も圧巻。人生最後のステージには、主人公の人生に関わった人々が観客として登場する。 印象的なちょっと哲学的なシーンと魅惑的なダンス・シーンが交差する。ボブ・フォッシーの映画としての集大成だろう。 ボブを演ずるロイ・シャイダーも素晴らしいが、それまで「キング・コングに出た女優」というレッテルだけが貼られていたジェシカ・ラングがこの映画で一挙にスターダムに登りつめた。 しかし、しかし、何と行っても愛弟子でもあり愛人でもあったアン・ラインキングのダンスが堪能できるのが何とも至福の喜びだ。あの手首の動き、腰の動き、足の動き、体の流れ、これこそがフォッシーのダンス。 人生とは、ショー。死ぬ間際、思い出す映画があるとしたら、この映画かもしれない。 栗5つ。 早稲田松竹にて。
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