2007 02,09 23:14 |
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今日は、ゴアの「不都合な真実」を観に行こうと思っていたのだけど、「朱霊たち」の上映が今日までと分かり、予定変更で東中野へ向かう。
最終日ということで監督と土方巽研究者の方とのトークショーがあった。とりとめないトークショーで何とも尻切れ蜻蛉的だったけど、監督の生の声を聞けてラッキーだった。 冒頭に寺山修司の詩が引用されていたが、映画の雰囲気も寺山の映画を彷彿させるどことなく懐かしい感じがした。 プロットは、とても好き。死への扉は、市井の何気ないところに口を開いている。そんな死の世界への玄関口に迷い込んだ少年の物語。 舞踏家の監督作品だけあり、随所に盛り込まれた舞踏のシーンは圧倒的。特に劇中死んだままのカケラの舞は強烈だった。 人間の生きる理由はよく分からないのだが、一方死ぬ理由というのもよく分からない。ただ、人間は死すべき運命であるということは分かっている。生きる理由も死ぬ理由も分からない僕は、ただ生きているのだろうか。なんてことを考えた。 劇中、少年に向かって女が「死んではダメ、死んだらもう美しい夕焼けも見られなくなるのよ」というような台詞があったが、案外生きている理由というのは、そんな些細なことなのかもしれない。 生きることの喜びに溢れているはずの少年が一番人間味がなく、死にゆく大人たちがとても人間的だった。 終映後、映画館の階段を昇っていると踊り場に死者が二人いた。一瞬ハッとしたが、劇中死にゆく人物を演じた俳優さん二人が笑顔で観客を見送っていたのだ。 戦争の影を引きずる登場人物への感情移入が、ちょっとできなかったが、生と死の鮮烈のイメージが刻まれた映像に酔いしれた。 栗4つ。 ポレポレ東銀座にて。 |
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