2007 03,09 23:51 |
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世界で一番美しい声を持つ歌姫。僕の中で、これまでもそしてこれからもずっとキリだ。歌手生活40周年を越え、確かに彼女の絶頂期は過ぎている。今回の公演も「日本のファンにお別れを言いにきた」そうだ。
し かし、ステージに現れたキリの姿は、眩いばかりの美しさだった。清楚で上品で、それでいてものすごいオーラを放ち自然界の美しさが結晶したような輝きを 持っていた。舞台袖からステージ中央に歩くだけで、そしてピアノの前に立っただけで、それだけでもう美しかった。さりげなく舞台後の客席にも微笑みをふり まいていた。 歌い始めて、もうすぐ歌手生活が終盤にさしかかるなんてまるで嘘のような美しい声にうっとりとしてしまう。スピーカーを通さない生の声は、優しく僕の耳の中でこだまする。 ピアノのジュリアン・レイノルズも美しい旋律でサポートする。後半、ちょっとだけ歌声も披露するサービスもあった。 渋い選曲で馴染みのないものも多かったが、歌の調べ、ピアノの旋律ともに美しく、最後のプッチーニで最高に昇華した。 これが最後なのか。もうキリに会えないのね。それだけが寂しい。僕のディーバ、デイム・キリ。 本当に美しい夜だった。 キリ・テ・カナワ ソプラノ・リサイタル サントリーホール ピアノ:ジュリアン・レイノルズ <曲目> モーツァルト ・静けさはほほえみ ・クローエに寄す ・ラウラに寄せる夕べの思い ・私の心は喜びにおどる R.シュトラウス ・夜 ・番霊節 ・私の思いのすべて ・ツェツィーリエ ・セレナード ・あすの朝 ・マルヴェン ・献呈 プーランク ・パリへの旅 ・ホテル ・愛の小道 グアスタビーノ 「アルゼンチンの花々」より ・コルタデラ・プルメリト(ススキ) ・白いクラベル・デル・アイレ(ハナアナナス) ・紫のビナグリージョ ・なんて可愛いマドレセルバ(スイカズラ) ・アルハバ、チルコの花(フクシア) フェッラーリ 歌劇「リスペット」より ・片すみ現れた君を見たとき ・貴方を捨てるなんて、あり得ない プッチーニ ・太陽と愛 ・死とは? <アンコール> グアスタビーノ ・薔薇と柳 バーバー 歌劇「ヴァネッサ」より ・冬はもうすぐそこまでやってきているに違いない プッチーニ 歌劇「ジャンニ・スキッキ」より ・私のいとしいお父さん |
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