2007 03,11 22:48 |
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オープニング、ガーシュウィンの「ラプソディー・イン・ブルー」にのってスクリーンいっぱいに広がるニューヨークの摩天楼。その白と黒の圧倒的なコントラストにいきなり強烈な印象を刻み込む。
夜明けのブルックリン橋のベンチ、プラネタリウムでのデートなど圧倒的に美しくうっとりするようなシーンが満載で惹きつけられる。こういう映画ならではの映像美、これこそが映画なのだ。 ちょっ と傲慢で哲学的なアレンの台詞、とうてい全部字幕に表現できていない早口が嫌いな観客もいるだろう。大笑いしたいアレン作品が好きなら、「ブロードウェイ のダニーローズ」や「ボギー、俺も男だ」の方が好きという人も多いかもしれない。僕も、そうしたスラップスティックなアレン作品も大好きなのだが、やはり アレンの最高傑作は何と聞かれたら、この映画を薦めたい。 美しい映像の中に描かれる、男と女の大人の駆け引きは、愛情のようでもあり同情 のようでもあり妥協のようでもある。その中で、この映画は、ラストシーンで人間の純粋であるもう一つの側面を見せてくれる。マリエル・ヘミングウェイとア レンのラストの台詞のやりとりは、初めて観たときは号泣してしまった。今日も、目頭が熱くなった。とてもシンプルな台詞なのに、涙腺が切れて目が真っ赤に なってしまう。最後の二つの台詞。それを聞くためだけにでも、この映画を観てほしい。 人は、自分が誰かを愛していることにはすぐ気づくのに、誰かに愛されていることにはなかなか気づかない、そんな気がした。素敵な映画をありがとう。 栗5つ。 早稲田松竹にて。
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