2007 04,15 00:03 |
|
これは、アメリカ人以外にはなかなか難しい題材かもしれない。現在も放送中のお化け人気ラジオ番組「プレーリー・ホーム・コンパニオン」、これの司会を担 当している才人ギャリソン・キーラーが今回の映画の原案、脚本を書いていること。最大の味噌は、このラジオ番組が、架空のCMや架空の登場人物のドラマが 挿入されていて、それをラジオではギャリソン一人が演じていることだ。そうした背景を知っていると、何であんな天使や私立探偵もどぎのドラマが挿入されて いるのかがよく分かる。
この映画の登場人物は、映画の中のその中のギャリソンの頭の中の架空の人物と思いながら観ると楽しめる。多くのアメリカ人は、それを知っているのだ。 も う一つ。字幕がひどい。これは、決して英訳している人のせいでなく、どうやってもあのウィットに富んだ台詞や英語独特な言い回しは日本語にならない。これ から観る人は、がんばって英語の台詞に集中してなるべく字幕に頼らなければ、素敵な語感と音感の世界に浸ることができる。 カントリー・ミュージックとフィッツジェラルド、なんともアメリカの心のような設定もまた好きじゃないとつらいかも。 個人的に、こんな理由から、これはアメリカ人向けの映画だなあと思った。 それでも、この一見ドラマチックな展開など何もないストーリーは、言わば市井の人々の人生そのもの。多くの人は大したクライマックスもピークもない平凡な人生を生きて死んでいくのだろう。 「ナッシュビル」、「ロング・グッドバイ」、「ビッグ・アメリカン」、「ウェディング」、「ザ・プレイヤー」などなど、素晴らしい映画をくれたあなたに感謝。さようなら、アルトマン。 栗4つ。銀座テアトルシネマにて。 人生とは、こんな風に何気なくあっけなく、でもささやかな幸せがあるのだろう。 |
|
コメント |
コメント投稿 |
|
trackback |
トラックバックURL |