2007 05,13 23:35 |
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人間が生きる理由はよく分からないが、とりあえず死ぬ理由も無いので、僕は生きている。生きているのに感じるこの喪失。それに気づくか気づかないかが、人間の種類を分ける一つの大きな要因だろう。
ある者は、そうした喪失感を抱くことなく、本能のままに生きている。それはそれで幸せなことかもしれないが、そうした人は自分の行動が知らず知らず誰かを傷つけているなんて気にも留めていない。一方、喪失感をいだく者は、日々悩み苦しみ、そして死を身近に感じたりする。 映画は、たんたんと高校のある一日を追う。時間的に交差しながら進む展開は、ガス・ヴァン・サントの「エレファント」の雰囲気がある。また長回しのショットもなかなか魅せる。 ドキュメンタリーのように挿入されるインタビュー風のモノローグは、心の声のように聞こえる。 この映画のすごいところは、ラストにある。喪失に気づく者、気づかぬ者、どちらも他人の人生に鋭い爪を立てる。しかしながら、最も恐ろしいのは、喪失するまでその存在が認知されないことだ。実体験に基づいた脚本だけあり、強烈に胸をえぐる。 栗4つ。胸が痛い。 渋谷アミューズCQNにて。この映画館、初めて入ったけど、天上が高くスクリーンが上の方にあるのでとても観やすい。 |
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