2007 05,21 10:06 |
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今回、京都へ来た目的はこのため。会社を休んだ。平日朝9時から並んだおかげで、ゆっくり若冲の傑作群を鑑賞することができた。 現在、宮内庁蔵の動植綵絵30幅は、若冲が相国寺に残したもの。昨年、東京でプライス・コレクションが開催されていた時、宮内庁の三の丸尚蔵館で数回に分けて展示されていた。 今回は、相国寺に残った釈迦三尊像と動植綵絵の33幅が一堂に介して展示されるということ。相国寺承天閣美術館の第二展示室は、この33幅が一度に展示できるように設計されたものらしく、展示室の中心に釈迦三尊像、その左右に15幅づつ動植綵絵が並ぶ。 展示室に入ったとたん、視界いっぱいに広がる鮮烈な色の洪水は、まるで錦の滝。眩いばかりの色に全身が包まれ、鳥肌がたった。 平日休んで朝早く並んだかいがあって、ゆっくりと鑑賞することができた。まずは、一通り釈迦三尊像と動植綵絵を間近でゆっくりみて、展示室の入り口あたりに戻って全体を見渡して、また気に入った絵の前に行ってじっくり鑑賞。もう夢のような時間だった。 絵の動物や植物は、止まっているのに動いて見え、とても動的なのに静止している一瞬が切り取られている。色褪せていない鮮やかな色彩とモダンなセンスは、江戸時代のものとはとても思えなかった。 鶏の羽の一本一本、孔雀の目の回りの突起や、鳥の足のぶつぶつの模様までまるで写真、いや本物をそこに貼り付けたような精密さだった。 釈迦三尊像も色鮮やかで、じっと見つめているといろいろな細工やデザインが見えてくる。 釈迦三尊像と動植綵絵ばかりが注目されいたが、第一展示室の鹿苑寺の襖絵にも圧倒された。水墨画なのだが、黒と白の濃淡だけでこれだけの表現ができるなんて、驚嘆、驚愕、鳥肌、失神、失禁(失礼)・・・。葡萄の葉の腐りかけた表現にも脱帽。 釈迦三尊像と動植綵絵120年ぶりに再会中。次ぎの再会は、また100年後という噂。 プライス・コレクションより遙かに素晴らしい。必見。 相国寺 並んでいる間、見つめていた風景。 |
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