2007 06,16 23:47 |
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歌とジョッキーに森繁久彌。ナレーションでなくジョッキーなのだ。ラジオのディスク・ジョッキーのようにお喋りしている。オープニングは、森繁の歌。いろんな説明をしながら、時に登場人物に話しかけたりする。 そ んな風にドタバタコメディーが始まったかと思えば、いつの間にか銀座の花屋と影のある女とのラブ・ロマンスへ、と思ったら「第三の男」を真似したようなサ スペンスへと展開していく。少女頃に絵を描いてくれた初恋の人、その人が描いた自分の肖像画のサイン G.M.、そのイニシャルの人物が生きている、それ がダークサイドのボスらしい、女の家の前でいつも写生をしている謎の人物と、なんとも盛りだくさんの不思議な映画。 物語はさておき、1950年代の銀座の街を探検するのが非常に楽しい。どこもよく知っている場所なのに、今と全く違う。銀座の街を水上バスが行き、都電が走り、見たこともないネオンが輝く。変わらないのは、和光の時計台だけか・・・。 月 丘夢路は美しく、北原三枝が元気ではじける。少女の浅丘ルリ子に、どこに出ているのか分からなかった岡田真澄、若すぎてよく分からなかった芦田伸介に佐野 浅夫、正義感の男三橋達也 、最後にちょっとしか登場しないのに、「第三の男」を思わせる陰影の中で圧倒的な存在感の河津清三郎 となかなか豪華なキャスティングだったねえ。 「ヒロポンなんてやめろ」という台詞が時代やねえ。 助監督に今村昌平。なんとも不思議な映画だ。笑えるサスペンス。 栗2つ。京橋・近代フィルムセンターにて。 |
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