2007 06,17 23:45 |
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昨 日観た「銀座二十四帖」の正義感あふれ頼れる男とは違い、リストラされ女のヒモとして言いなりになる頼りない男を三橋達也が演じる。対する新珠三千代は、 つらい時代も力強く生き抜く女。一度は、離れてもやはりどこかで繋がっている男と女、成瀬の「浮き雲」のようだが、ここではそれほど悲観的でなく非業で狂 おしいまでの恋愛と憎悪は描かれていない。それは、今もどこにでも転がっている男と女の生き様そのものだ。 口では嫌いと言ってはみても、心はうらはら、それが人間というものなのねえ、というのをしみじみと実感できる映画だ。 なんと言っても自然な演技で圧倒的なのは、轟夕起子。ああ、あの轟夕起子だよ。黒澤の「姿三四郎」に出てたあの轟夕起子・・・。素晴らしい演技と存在感、昔の日本映画は本当にいい役者がたくさんいたなあ。 男の心も、女の心も、言葉ではうまく表現できない、可笑しくて切なくて残酷で温かい、これが人生なんだろう。 栗4つ。 京橋・近代フィルムセンターにて。
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