2007 06,22 23:33 |
|
このところ仕事が忙しく、久しぶりの落語。金馬一門兄弟会のこの会は、全編ネタ卸し。日々、勉強・稽古でネタを増やしていかねばならないのだから、噺家さんも大変だよなあ。
小んぶ 「小町」
初めて見る前座さん。さん喬師匠のお弟子さんだそうだ。眠そうな目、観客を一切見ない視線が気になるが、不思議な雰囲気でどこか魅力的。「道灌」を途中の小町のサゲまで。 金也 「千両みかん」 落語のいいところ。季節感があるところ。「千両みかん」がかかる頃、ああ夏だなあと思う。 随分、日焼けしてた。「手も真っ黒で今年の夏は、『お菊の皿』ができない」とまくらで。 考えてみたら、日焼けした健康そうな顔で、「崇徳院」やこの噺の若旦那もやりにくいかもね。噺家はあまり健康的ではいけないのか。(笑) それでもダイエットでちょっとほっそりした顔になったので、みかんを思って煩う情けない若旦那は、いい感じ。大旦那、主人公の番頭、みかん問屋もそれぞれキャラクターがよく演じ分けられていて面白い。 金八 「王子の狐」 この噺は、難しいと思う。金八師匠、こうした難しい噺に果敢に挑戦しているなあ。ものすごい展開がある訳でもなく、爆笑ネタが満載という訳でもなく、それでいて人情の機微がある訳でもなく、とにかくとても難しいネタだ。 狐を騙そうとする調子の良い男は絶妙。こうしたキャラをやらせた彼の右に出る者はいない。あとは、狐が化ける女だね。この女が、人間のような、またそうでないような、そうした感じが出てきたらこの噺、かなり面白くなるだろうな。 以前、別の人でこの噺を聴いた時は、退屈で退屈で仕方なかったが、今日は、とても楽しめた。 ぺぺ桜井 ギター漫談 もう耳にたこができるほど聴いているのに何故か毎回同じところで笑ってしまう。あの顔、あの風貌、卑怯なほど最強兵器の持ち主だ。それでいてギターの醸し出す甘美なメロディーとのギャップが最高に可笑しいのだ。 金時 「お直し」 この会の良いところは、三人がそれぞれ違った趣向の噺をかけてくるところ。自分のキャラクターと持ち味をいかした選択とそれを三つ並べた時のバランスの良さが毎回、すごいなあと思う。 こ の噺、いつかは金時師匠やるだろうなあと思っていた。人間の心の本質をつくこうした噺、金時師匠はとっても上手い。女房を女郎にしてその客引きを自分がす るというこの設定、考えてみたらキム・ギドクの「悪い男」に共通するねじ曲がった愛の形だが、既に落語の世界にあったのねえ。 生きるために自分の女房に男をとらせ、商売上の会話に嫉妬してしまう男、分かっているけどやっぱり分からない本当の心・・・。ああ、人間の可笑しさと切なさと可愛さがよく表現されているよなあ。 それにしても金時師匠、高座の上だと顔が違うなあ。落語の登場人物がそれぞれ本当にそこにいるみたいだ。 打ち上げは、池袋のライオンへ。 落語会の打ち上げとは思えぬ料理の皿だ。(笑) 打ち上げの雰囲気の写真は、金時師匠のブログをご覧あれ。一番下の写真は、師匠と僕。 金時ブログ 「ゴールドラッシュ」 |
|
コメント |
コメント投稿 |
|
trackback |
トラックバックURL |