2007 06,24 23:32 |
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初めて行った外国の都市はサンフランシスコで、初めて行った観光地はゴールデンゲート・ブリッジだった。自然と人工物がここまで調和している場所は、それ ほどないと思う。海の色は、青く時に緑で、白い雲、霧、青い空、紅の橋のコントラストは、とても美しい。もし死ぬとしたら、ここを死に場所にしたいという 思いは、なんとなく理解できる。
世界中から観光客が訪れるこの場所は、同時に全米から訪れる自殺者の世界最大の死に場所らしい。 この映画は、橋から飛び込んで自殺する人をカメラにおさめ、その遺族に行ったインタビューの記録である。 あ る者は橋から下を暫く物憂げに見つめ欄干を越え飛び込む、ある者は欄干を越えてから暫し考えてそして飛び込む、ある者は観光客の写真を撮ってあげその後飛 び込む、ある者は携帯電話で普通に会話して電話を切った後おもむろに飛び込む。飛び込んだ者は、ほとんど死ぬ。海面までの距離66メートル、人間一人が飛 び込んだだけなのにものすごい音がする。水面に当たった時骨が砕け、急流に体はのまれ、冬であれば水の冷たさに心臓発作で死んでしまうらしい。 あまりの自殺者の多さに、警察官は日常茶飯事で対応も冷静そのもの。何人かは助けられ、何人かは命をとりとめる。 遺族へのインタビュー、共通しているのは、自殺者は死ぬまでに多くの信号を出していること。気づいてもどうすることもできず、説得しても自殺しようとする人は聞く耳を持たない、なのに、飛び込む間際、止められた人は「本当は死にたくなかった」と言う。 人は、どうして自殺をするのか。それも、何故、わざわざゴールデンゲート・ブリッジまで来て死ぬのか。人間の心理は、まだまだ分からないことだらけだ。 朱色の橋から飛び込む姿を見て、東京のJR中央線の自殺の多いことを思い出した。東京でもわざわざ中央線に飛び込む人が一時期多発したようなあ。何か意味があるのだろうか。 いろいろ考えさせられるけど、ドキュメンタリーとしてはそれほど深みがないな。 ただ、最後に飛び込むジーンだけは、何かあらゆるものを超越した神聖な儀式のようにも思えた。 栗3つ。 109シネマズ川崎にて。 |
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