2007 10,07 23:36 |
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仙厓の絵を観に、出光美術館へ。仙厓は、博多の聖福寺の第123世の住職であった江戸時代の人。博多の聖福寺は、日本最古の禅寺だ。知らずに2006年に訪れていた。
仙 厓の禅画は、どこかユーモラスで見ていて思わず顔がほころんでくる。絵自体が滑稽で微笑んでしまうもの、絵と賛文を両方読んではじめて笑ってしまうもの、 絵は滑稽なのに禅に対する厳しい姿勢を伺わせるものなど、とにかくその簡素だけれども奥深い世界にひきこまれてしまった。禅の修業は、座禅を組めば悟が開 けると、なんでも座禅で片付けてしまう修行僧を批判した蛙の禅画があった。座禅を組む姿が蛙に見えることから座禅を組めば悟が開けるなら、蛙は皆悟を開い てしまうと揶揄したもの。有名な布袋様が月を指す絵のなんともユーモラスでかつ不思議な魅力に溢れるデザインは、時代の古さを感じさせないばかりか、江戸 時代から僕らはあまり進化していないのだと実感。 柳の絵に「堪忍」と書かれた禅画には、落語「天災」を思い出してニンマリ。付けられている文は、「 気に入らぬ風もあろうに柳かな」。 最も有名でまた賛文が無いため、何を表しているのか今も議論されている「○△□」。究極のシンプルデザインにいろいろと想いをはせる。 一転、仏画の緻密な技法には敬服。そのまた一方で、なんともユーモラスな涅槃図にまた微笑。 仙厓の旅の絵、縁の品も展示されており、見応えがあった。 それよりも何よりも、自然と笑顔になり、心が豊かで幸せになる展覧会だ。 |
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