2007 12,29 21:48 |
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「アフター・ウェディング」の時も書いたが、この監督の映画の俳優陣はものすごい。演じているというより、当人が出演しているのでは思えるほどなりきっているというか自然というか、もはや演技を超越している。二人の子役にいたるまで完璧。
戦地で死んだはずの夫が帰ってくる、住井すゑの小説「向かい風」なんぞを思い出したりしたが、それ比べるとそれほど重苦しい状況でなく、また展開はありきたりだ。 こんな状況になった時、こんな態度を取るだろうかと首を傾げる部分もあるのだが、台詞にもある「人生の矛盾」という言葉が痛烈に突き刺さる。 恐ろしいまでの人間への洞察は、自分の嫌な部分を見せつけられ、また自分自身の裸をさらけ出されるようで厳しく鋭い。 胸に重たくのしかかるシーンもあるが、家族の崩壊と再生の過程に引き込まれた。 ものすごい才能と映画という表現方法の可能性を突きつけられる。「Always三丁目の夕日」とか「椿三十郎」のリメイクなどを作っている日本映画界の人たちは恥ずかしくないのだろうか。 栗4つ。 シネカノン有楽町2丁目スクリーン2にて。 |
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