2018 03,13 16:18 |
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大寺にしては小振りな南大門をくぐると玉砂利を敷いた広い参道と天平の甍と称される巨大な金堂の屋根がぱぁあと目の前に広がる。30年以上前、初めてここを訪れた時の邂逅は、衝撃的であり感動的だった。シンプルであることの圧倒的美しさがここにあった。それ以来、何度も訪れているが、金堂の平成の大修理は、なんと10年もかかった。その間、この景観を見ることができなかったのだ。そしてまた変わらぬ静かな美しさに会えたことの幸福感よ。 奈良時代の建物がこれほど見事なまでに残っているのは、もう奇跡。もちろん堂は国宝だが、堂内に安置されている仏像群もすべて国宝。天平時代の信仰と芸術が今もそのままだ。 境内に一歩踏み込めば、そこはもう奈良時代。着物姿でいると、ちょっとタイムスリップした感が出ない? 金堂を支える柱。この感じもたまらないんだよなあ。 講堂。平城宮の東朝集殿を移築・改造したもので、天平時代、平城宮の面影をとどめる唯一の建築物。今は、その全ての建物が失われた平城宮の当時の姿をここから想像することができる。歴史好きにはたまらない、ロマンチックな建築だ。 鼓楼(左)と礼堂(右)。ともに鎌倉時代の建築だが、特に鼓楼は、他にこうした建築物は見たことがない、独特な形だ。 鼓楼の左隣りに小さく見えるのは、開山堂。かつて国宝の鑑真和上像が安置されていた。現在は、東山魁夷の襖絵でも有名な御影堂に移されている。6月の3日間だけ鑑真和上像を拝むことができるが、それ以外の日は、ここ開山堂に安置されている精巧に復元された鑑真大和上御身代わり像を拝むことになる。御身代わり像も撮影禁止。以前、東京都美術館の特別展で本物の鑑真和上像を見ているが、本当にそっくりだった。 開山御廟へと続く道。瓦を使った土塀が美しい。 土塀の門を抜けると苔が美しい林が続く。 この先に鑑真和上の墓所である開山御廟がある。 鑑真和上の墓所 開山御廟 小さな正倉院のような高床式の校倉造りの経蔵と宝蔵。 なんと経蔵は、唐招提寺創建以前の新田部親王邸の米倉を改造したものといわれ、唐招提寺で最も古い建造物であり、日本最古の校倉だ。 戒壇。創建時からあった建造物だが、現在は、鎌倉時代の石壇のみ残っている。 西ノ京まで来たから薬師寺にも参拝する予定でいたが、この空間から立ち去り難く、結局タイムアウトで薬師寺には行けず。でも、本当にここはずっといたいし、また訪れたい。 |
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