2008 04,25 19:11 |
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展示作品の9割がガラス入りの額縁に入っていて、展示室内の蛍光灯や見ている人の顔、反対側の壁に飾っている絵が映りこんでしまい、全くもって残念な印象。
一 方、数少ないガラスの入っていない額縁の絵は、吸い込まれるような美しさだ。彼の絵は、色数を抑え、一つの絵が単色のグラデエーションで表現されており、 独特の印象をもたらす。描かれた景色は、凍っているようだ。森に風は吹かず、滝は落ちているが止まっている、水面に映った景色は揺らいでいない。本当に本 当に一瞬の静止が切り取られている。音のある景色だが、音はどこかに染込んで消え、凍りつくほどの静かさを与えてくれる。 一点、唐招提寺の御影堂障壁画は、蠢く波がものすごい迫力を持って迫る。でもやはり音はしない。ものすごいパワーで動いているのに静寂だ。この襖絵、何度も見ているけど、その度引き込まれる。なかなか前を立ち去れない。 ガラス入りの作品が多いのが本当に残念だった。 常設展示は、すごく魅力的だった。多くの有名な絵が何気なく並んでいる。 現 在、常設の特集企画で開催されている北岡文雄の版画に魅了された。戦後の焼け野原、日劇のストリップ、廃墟の前の人物など、どれもものすごい迫力だった。 なんというタッチ、なんという冷たいリアリズム、久しぶりに感銘を受けた。カラーの版画もその強烈な色使いに圧倒された。 |
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