もう10年以上前だけど、東京ドームホテルの熊魚菴たん熊北店によく通ってた。そこで料理をされていた宇津城さんの天ぷらがすごく美味しくて、天ぷらが食べたくなると東京ドームホテルに行ってたんだよねえ。でも宇津城さんが京都のお店に異動されてしまい、ずっとまたあの味を食べたいなあと思っていた。 そんな折、独立されて川口でお店を出されているというのを耳にして、行って来たよ、川口まで。 久しぶりにいただく宇津城さんの天ぷらは、もう絶品。衣はサクサク、瑞々しい野菜はそのまま旨味が閉じ込められ、海鮮ものはその最も美味しい瞬間に油から取り出される。食材、油ももちろん重要なんだけど、揚げる食材をいつ油から取り出すか、この絶妙なタイミングが天ぷらの美味しさを左右するのだ。宇津城さんの天ぷらを食べるために、川口まで来る価値あるよー! そして、宇津城さんの相変わらずの楽しいトークも健在で、とっても幸せな時間だったなあ。 お昼のコース3000円を注文。1800円のランチもあるけど、予約する場合は、3000円のコースとなる。そして天ぷらは、やはり揚げたてをカウンターで食べるのがベスト。宇津城さんの楽しい話も聞けるしねえ。 先付けは、胡麻豆富。京都の料亭でも腕を奮っていた方なので、天ぷら以外の一品もクオリティーが高い。 スープサラダ。食材の味が良く出た良質の野菜や山の幸。川口の麦味噌を途中加え、味を変えて楽しめる。 天使の海老。うめぇ〜。やはり海老は、天ぷらの王様。美味しすぎて、天ぷら一品目から幸せの絶頂に。びっくりするくらい薄い衣は、サクサクでこの衣だけ食べても美味しい。薄い衣に包まれた海老の本体はジューシーで、頭と尻尾はカラッと揚がっており、海老の風味が口いっぱいに広がる。塩でいただく。 アスパラガス。びっくりくらい瑞々しい。柔らかめの先端部分は塩で、ちょっと固めの根元部分は、天つゆでいただく。素材の味がこれでもかと濃縮されていて、本当に美味しい。 驚きの一品。サクサクに揚げられた大葉の上に濃厚な雲丹。山の幸と海の幸のコラボレーション。 京都の麩を揚げて柚子味噌でいただく。ふわっとしていて、それでいてしかっりした食感。柚子の香りと味もたまらない。 天ぷらというと真っ先に海老や穴子や鱚など海鮮を思い起こしていまいがちだが、その天ぷら店の真価が現れるのは野菜と言っていい。素材そのものがもつ味と美味しさを瑞々しいままに閉じ込めるその一瞬のタイミングで油から取り上げる、ここが料理人の腕の見せ所。野菜の天ぷらの美味しいお店は間違いない。 定番の鱚も衣がサクっで中はふわふわ。 帆立ぇ〜。美味しすぎぃ〜。中身のレア加減が絶妙。 蓮根。何も付けずにそのまま食べて美味しい。 苦手なサツマイモなんだけど、宇津城さんが揚げたものは美味しくいただける。濃厚な味で大満足。 追加で舞茸を注文。舞茸も大好き。天ぷらにすることで美味しさがグレードアップする、天ぷらってすごい料理だなあ。 〆のご飯は、天丼・天茶・塩天バラから選べる。天茶を選択。熱々の鍋のお茶漬けをお椀に持ってかき揚げを載せる。 お新香もとっても美味しくて、全てにおいて細やかな配慮がなされている。お味噌汁も川口の麦味噌。生姜も入っていて、冬は温まるよねえ。 デザートは、和と洋のコラボレーション。アイスクリームと京都麩に黒蜜がけ、そして、なんと小豆餡が入った餡コーヒー。コーヒーカップの底に小豆が入っていて驚いちゃった。なんでも宇津城さんが京都時代に通っていたカフェの名物メニューだったらしい。そのお店は、閉店してしまっていて、そこからインスパイアされたコーヒーが川口でいただける。 宇津城さんの揚げる美味しい天ぷらを食べに、また川口まで行かなくちゃ。 天旬楽 うのじ 埼玉県川口市本町3-2-7 デュアルコート川口ウエストビュー 1F
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