2016 08,11 22:58 |
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ウィーンの街中を歩いていると、モーツァルト時代のコスチュームでカツラを被った売り子たちがひっきりなしに声を掛けてくる。たまにニーハオって言われたけど、日本語で話しかけられるのがほとんど。観光客にあわせて話しかける言語を替えているから、なかなか商売熱心。 7月8月のウィーンは、コンサートのオフシーズン。オペラ座もオペラ公演は無いし、ウィーン・フィルは海外遠征に行っている。それでも、ここは音楽の都。全く音楽がないわけではない。この怪しげな客引きのモーツァルト・コンサートを始め、似たような演奏会やレストランでの生演奏などは一年中やっている。 ちょっと怪しげだったけど、JCBプラザに行ったら、そこでも扱っていたので、行ってみることにした。一番の目的は、ウィーン・フィルの本拠地である楽友協会の通称ゴールデンホールに入れるから。そう、あのニューイヤー・コンサートの会場だ。 座席指定ができたので、フラットで前の人が気になるよりは、二階席の最前列の方がいいと思い、そこを予約する。75ユーロ。 会場に着いて、チケットを交換すると、予約した席と違う。「予約した席と違うのだけど」と言ったら、受付の女性が「いいのよ、アップグレードしておいたわ」だって。確かにチケットには95ユーロって書いてある。いやいや、値段の問題じゃなくて、見やすさからそこを選んだのだと言っても、「ごめーん、もうその席は、他の人の席になっちゃったのよ」だって、もうどういうシステムなの? 会場に入る。おー、名前の通りゴールドだ。ここもパイプオルガンが立派だ。 天井の意匠も見事。 し、しかし、演奏会を静かに聴くという優雅さとはかけ離れた世界。モーツァルト時代のコスチュームで誰もが知っている名曲を演奏してくれ、それ自体はとってもいいのだけど、もうまさに見世物小屋。演奏中も写真撮り放題、おまけにフラッシュ撮影あり、自撮り棒有り、ずっと立ち上がって聞く人、泣き出す赤ちゃん、大声で話し続ける団体客ともうカオス状態。客席の半分は中華系でマナーなどはどこ吹く風。ただ、マナーが悪いのは中華系だけじゃなくて、西洋人も似たようなもの。およそ、音楽を聴くというより、ディズニーランドの屋外のショーを見ている感じ。ザルツブルク音楽祭のフォーマルで落ち着いた雰囲気は微塵もなく、観光客向けと割り切ったショーなのだね。係員も警備員も「早く終らねえかなあ、金のためでしょうがねえ」とつまらなそうな表情でぶすっと椅子に座って、何を注意するでもなくいいかげん。 まあ、はなからこんなものと割り切って観ればいいのかもしれなけど。音楽を聴きたい人には、あまりお薦めできないな。 まあ、モーツァルトの曲や歌劇からのアリアの抜粋、シュトラウスの「美しき青きドナウ」「ラデツキー行進曲」など超メジャーな曲しかやらないので、万人が楽しめる構成ではあるけどね。 プレゼントだよって、CDをくれた。まだ聴いてないけど。(笑) |
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