2014 12,21 17:25 |
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久しぶりに面白い映画を観た。やはり、クリストファー・ノーランよりデビッド・フィンチャーの方が上手だ。退屈で途中で帰りたいモードになった「インターステラー」の口直しだ。
虚栄と自尊のために作られた虚像をあたかも実存のように嘘で塗り固めて生きている登場人物、それをさらに確たるものにするために、周りのお馬鹿な群衆をマスコミやネットで操る。ミステリーの形を借りて、人間の本性とエゴをあぶり出す快作だ。 架空の完璧な人間を作ろうする登場人物、それに煽動される大衆を、観客は「馬鹿なやつ」と嘲りながら見ているうちに、実は、フィンチャーに「それって、君たちそのものだよね」と揶揄されているようだった。 最初のバーのシーンに全てがあると言っていい。主人公と妹が人生ゲームをやっている。誰もが自ら作った人格を実存させるための嘘や振る舞いで生きている。バーカウンターの滑るグラス、人間をデコレーションしているかのような粉砂糖が舞い上がる場面で唇を拭ってのキスシーンなど、今作もフィンチャーらしい憎い映像表現が面白い。 いろんな伏線が敷かれていて、あちこちに観客をニンマリとさせる仕掛けがある。今年のお正月映画は、これだな。 TOHOシネマズ日本橋 スクリーン5にて。栗4つ。 |
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