2014 11,16 21:18 |
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談幸師匠の独演会を聴きに町屋のムーブホールへ。町屋って、談幸師匠の落語会の時しか来ないけど、昔ながらの商店街も残っていて懐かしい雰囲気がある。駅前は開発されてつまんないけど。
ムーブホールは、地下鉄駅から直結のビルの上にあるので便利だ。 幸之進 「手紙無筆」 見違える上達ぶり、確実に稽古や場数を踏んで良くなっているねえ。表情も話し振りもとっても良かった。 吉幸 「時そば」 パワー全開、テンポよく場内を爆笑の渦へ。間抜けな主人公も秀逸だが、ぶすっとした後半の蕎麦屋の表情が絶妙だった。 談幸 「安兵衛狐」 まくらが面白すぎて腹が痛い。 向いの長屋の連中からは変わり者だと煙たがれている源兵衛と安兵衛だが、実は心優しくていい奴。この辺の人間への暖かい眼差しが落語の良さだよねえ。本当は長屋の連中に誘われて一緒に行きたかったのについつい反発してしまう源兵衛のしぐさが可笑しくてたまらない。安兵衛よりも幽霊とのやりとりの人間味ある源兵衛の感じが好きだなあ。 談幸 「山崎屋」 この噺は、それほど笑いどころはないけれども、こちらも人間に対する洞察が面白い。堅物で通っている番頭が実は女を囲っている、そこにつけ込む若旦那、番頭にすべてを見透かされている大旦那、どの登場人物も可愛らしく、談幸師匠が作り上げるキャラクターは人間愛に溢れている。馬鹿だなあと思いながらも、誰しにもある愚かだけど愛すべき人間らしさなんだと実感できる。落語の奥深さを物語る噺だな。昔は、まくらで説明しなくても、サゲでほくそ笑んでいたんだろうなあ。談幸師匠が、江戸の匂いを醸し出したいと言っていたが、世の中はだんだんそんな風情から遠ざかっているねえ。 |
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