2014 05,20 23:56 |
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毎回チラシが面白い三之助師匠の独演会。旅先で切り取られた様々なスナップのセンスがいい。 さん弥 「崇徳院」 風貌も雰囲気も噺家っぽくっていい。全体的には卒なくまとめているが、ところどころツメが甘い。ちゃんと締めるところは締めないとなあ。笑いどころでつまって繰り返したり、きちんと説明すべきところでつまってなんとなく流されたり、丁寧さに欠けるなあ。もったいない。 三之助 「ちりとてちん」 本日のネタおろし。その前にまくらが1時間?(笑) まくらは、食べ物は腐りかけが一番美味しいという話だったので、今日の噺にぴったりの壮大なるネタ振りだったね。 主要人物三人がとてもよく演じ分けられている。なんども聴いたことある落語だけど、役者が変わるだけで何度でも楽しめるのが落語だ。バカバカしい他愛ない話の中に、お世辞上手、負けず嫌いの知ったかぶり、良い人なのにちょっと意地悪と、人間本来の可笑しさが描かれていて本当に面白い。これが所謂昨今の新作派の噺家達の落語にない部分だ。 本当に目の前にちりとてちんがあるみたいに、こちらにも匂いと味が流れたきた。(笑) 三之助 「かんしゃく」 5年ぶり9回目らしい。そのうち5回聴いている。(笑) 小三治、喜多八、燕路のを聴いたことがあり、三之助を含め、小三治一門に受け継がれているな。可笑しさの中に当時の嫁いだ女性のつらいドラマがあり、またサゲも秀逸で出色の落語の1つ。中盤のドラマは、樋口一葉の「十三夜」のオマージュだろうな。 普段は、笑顔が素敵な三之助だが、この主人公は相当怖く演じている。途中、客席で携帯電話が鳴り、ちょうどあれこれ怒っている場面だったので、客席に向かって「携帯電話の電源は切れ」と怒鳴ったなら、観客びっくりして小便漏らしただろうなあ。それくらいの迫力だったよ。 時代背景、当時の家族のあり方など、興味深い点も多い。 終演後は、いつもの店で打ち上げ。 次回の東京での三之助をみたかい? vol.35は、7月23日(水)19時30分開演。会場は、日暮里サニーホールコンサートサロンにて。 |
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