2013 08,10 10:43 |
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いきなりおぞましい殺人事件で始まる。映画のようなスピーディーな展開であっという間に読める。もともと弁護士だった作家だけに、裁判シーンはしっかりと書かれているが、文学的表現の楽しみはそれほどない。淡々と進むサスペンスだ。 舞台はベルリン。老齢の名士が殺される。加害者は黙秘を貫く、そして最後に驚愕の事実が・・・。ということなのだが、背景から容易にナチス・ドイツがらみと予想がつく。そして、その通りなのだが、一点この小説がユニークなのは、法律の扱い。えっ、ドイツにそんな法律あったの?とびっくりする。実際、ドイツ国民も知らなかった法律で、この小説が出てから、ドイツ国内でも論争が起きたそうだ。 暗殺や虐殺の場面は、ものすごく残虐。主人公の弁護士が、被害者とその娘と関係があるところが小説的に面白いところ。その関係と真実との間で揺らぐ主人公の葛藤が興味深い。 簡易な文章でさらっと読める。 |
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