2013 04,13 23:39 |
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よくもこんな脚本が書けたものだ。日常に潜む狂気と孤独と自己欺瞞を見事に台詞に凝縮させたよなあ。次にどんな映画を作るのか、ポール・トーマス・アンダーソンは、今一番楽しみな脚本家であり監督だ。
映像がこれまたすごいけど、ちょっとテレンス・マリックみたいになってきたなあ。冒頭の海の場面、そして主人公の心の内を吐露するような不思議な音楽のシンフォニーは、これまたマリック風。 新興宗教の教祖という設定はさておき、自分とは全く違う人間に惹かれ合うというのは分かるなあ。それもその関係がリスキーなほど不思議な酔いが生まれる。惹かれ合う磁石は、いつかは反発していく、これはなんか使い古されたプロットだけど、それさえ吹き飛ばしてしまう俳優陣の演技がこれまた魅力的だ。 ちょっとマイナスなのは、マスターに惹かれるほどこの主人公はインテリの欠片もなく粗野過ぎて、ちょっと違和感があったなあ。あと、ホアキン・フェニックスとフィリップ・シーモア・ホフマンの演技の応酬は、噂通りすごいのだけど、前作「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」のダニエル・デイ・ルイスとポール・ダノの方があまりに強烈過ぎたので、それと比べてしまうとそれほどの驚きは無かったね。 それにしても、アメリカって雑魚映画だけじゃなく、こうした見終わった後も脳味噌の片隅に鋭い杭を打ち居座り続ける映画を作るところがすごいよなあ。 栗4つ。映像美と音楽に酔いしれながら、人生を考える。 TOHOシネマズ シャンテ スクリーン2にて。 |
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