2012 09,15 23:55 |
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久しぶりの深夜寄席。今夜は、朝太・菊六の卒業公演。立ち見も出るほどの超満員。朝太さん、菊六さん、一所懸命に披露興行のチケットを売っていた。
市江 「鰻屋」 今日は、桟敷席で観たので、お客さんの表情もよく見えた。まるで凍りつくような、拒絶するような表情だった。寝ている人もたくさんいたし。 もちろん悪いのは客ではない。とりあえず噺は暗記しました程度で全く自分の中の芸として吸収されていない。前途多難な噺の出来だ。勉強中ということなんだろうけど、この程度の芸を見せられるのは、客としては苦痛だ。がんばれ。 志ん八 「ピリオド」 ようやく観客の表情がほころび笑いが溢れる。観客の心を取り込まないと高座はよくならない。その点、志ん八さんは手慣れたもの。まあ、この人は、前座の頃から上手だったので突出してはいるが。 緩急あり、テンポもよく楽しい高座だ。でも、古典の方が聴きたいなあ。せっかく上手なのだから、もっと古典落語で楽しませてほしい。 菊六 「やかんなめ」 独自の世界が完成しつつある。とにかく面白い。禿げた武士の描写がなんとも秀逸。プライドを傷つけられた当惑とそれでも人助けに動こうとする心の葛藤の表現が見事だ。 大げさでなく飄々とした風情は、菊六スタイルとして確率されている。今後もすごく楽しみだ。 朝太 「三方一両損」 何度も朝太さんで聴いている噺なので安心して聴ける。ほんわかしている朝太さんだが、意外や江戸っ子の啖呵が歯切れ良く迫力もある。 朝太さんは、ネタおろしの際のクオリティーが高いので、その後の噺もそれほど変わらない。聴く回数が多い噺家なので、だんだんと聴いている方も欲が出てくる。さらなる噺の深みや登場人物の表情や心の変化などももっともっと変化をつけてできるはずと欲求も出てくるな。 でも、朝太さんの高座は、これぞ落語だという楽しさと風情に溢れている。それが一番重要なことだ。 |
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