2012 07,18 23:55 |
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模様替えしてからの若手二つ目のシークレット・ゲストも毎回楽しみになってきた。何故シークレットかというと当日まで誰が出るか分からないから。何故当日まで分からないのかは、前日にオファーの連絡をしているため。噺家さんのスケジュールは、基本先着順。後からより美味しいオファーが来ても先に入った仕事が優先される。それが分かっているから二つ目の噺家さんの予定を前々から押さえてしまわないよう、会の前日にオファーの連絡をするという三之助師匠の心意気がシークレット・ゲストなんだよね。そう言えば、朝太さんの会も当日までゲストが分からないなあ。まあ、朝太さんの場合は、単に前日までオファーするのを忘れているだけなんだけどね。
市楽 「唖の釣り」 本日のシークレット・ゲスト。このところ忙しくて研精会に行けてないので、久々に拝見。今やテレビではかけられない生の落語会のみのネタ。決して差別ではなく、昔からいろんな人間が普通に世の中の一員として生きていた、それが落語にはあると思うね。 コミカルで楽しい高座だった。簡単そうに見えるけど、唖の真似をする主人公と見回りの侍のやりとりはさすが噺家さんだと思うねえ。 三之助 「お菊の皿」 夏らしいネタおろし。でもその前にまくらもたっぷり。長いまくらがこの会のお楽しみの一つ。先日の台湾旅行の話を中心に。噺家が旅行をするとそれだけで面白くなるのは、やはり芸人さんの視点というのは一般人とはちょっと違うのだね。 ところどころで観客を脅かしながら、また江戸時代ではありえないくすぐりをふんだんに盛り込みながらの一大エンターテイメントになっていた。個人的には、現代風のくすぐりを入れずに、江戸の雰囲気を壊さない方が好きだな。一つくらいならいいけど。まあ、最近は誰の聴いてもこの噺は仰々しいくすぐりが多いけどね。 この噺は、幽霊の最初の登場場面が鍵だと思う。その時は、怖くてでもどこか色っぽくて、そして切なげで、かつあの男を強烈に恨んでいる。そんな描写ができると後半はどう奇想天外にやってもいきてくるなと思うな。 三之助 「棒鱈」 もし今、「三之助十八番」というのを決めるとするならば、確実に入ってくるネタだと思う。多くの登場人物が出てくるが、その一人一人が愛すべき人間性に溢れ、またそんな説明も無いのに彼らがどんな人生、日々の生活を送りながらこの場所に来ているかさえも見えてくる。三之助の落語の魅力は、そんな人物のキャラクター設定が見事で、だから何度聴いても飽きないし、またあのキャラクターに会いたくなる。 得意の酔っぱらいも素晴らしいが、このネタでは、何と言ってもおかしな田舎侍と料亭の仲居が秀逸。特に仲居には、助演女優賞をあげたいくらいの名演技(?)だ。 終演後は、いつもの店で打ち上げ。お店の人に、「もう、いいかげん予約してから来て」と次回9月は予約させられた。(笑) 次回の三之助をみたかい?vol.24は、9月19日開催。 |
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