2012 03,31 16:14 |
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映画やドキュメンタリーで、その存在は知っているものの、どんな人物だったかはあまり知られていなエヴァ・ブラウン。ヒトラーの隠された愛人として生き、死の直前にヒトラーと結婚し、その後二人で自決した。33歳という短いながらも、ものすごい一生を送った女性だ。 彼女のことがあまりよく分かっていないのは、当時、国家と結婚したと宣言していたヒトラーは愛人の存在を隠しており、公式の場に彼女が出ることは一切無かった。彼女と接触できたのは、一部のヒトラーの取り巻きのみ。彼らも彼女がヒトラーの愛人だからということでの付き合いなので、良く思っていないが、表向きはそうは言えず、戦前の記録は好意的だが、戦後は自分の生死に関わってくるので、自己欺瞞の証言ばかり。戦前も戦後もエヴァについて、何が真実なのかが分からない。 エヴァもエヴァで、二度も自殺未遂をして、自分の存在をヒトラーに訴えている。それが愛ゆえのものなのか、寂しさゆえのものなか、時の最高権力者の伴侶になりたいという策略だったのか、これも良くわからない。ただ、敗戦前夜の戦火のベルリンへヒトラーを求めやってきて、結婚してともに自殺した事実から、ヒトラーを愛していたと考えるのが筋だろう。 ヒトラーの愛人になった時から、死を常に身近なものとしていたようだ。ヒトラーがいるから周りの者がちやほやしてくれる。それは十分に分かっていたので、ヒトラーになにかあれば、自分は生きてはいられないと感じていたようだ。まさに命がけの恋だった。そう聞くと、ドラマチックにも思えるが、市井の娘が時の権力者の愛人になるということは、富と自尊や虚栄のためのようにも思える。事実、戦中はかなり裕福な暮らしをしていた。 正直、互いに何故惹かれ合ったのかはよく分からない。二人がやりとりした手紙は、エヴァの妹に託され、どこかに埋めて隠してくれと伝えられたが、今もって発見されていない。それ意外の記録文書は、焼却されているか、嘘の証言記録ばかりだ。誰が本当のことを言い、誰が嘘を言っているのか、本当に分からない。 映像や文字記録がこれだけ残っている時代ですらこの程度だということと、当時の人の証言や記録は多分に自分の都合のいいことしか書かれていない。そうしたものだけで現代人は、歴史や歴史上の人物を解釈しているわけで、その他のさまざまな歴史上の人物もわれわれが今思い描いているのとは全く違うものかもしれないと感じた。 |
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