2012 03,11 14:01 |
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今年必見の一本。饒舌かつ雄弁な肉体表現に圧倒される。 もともとピナ・バウシュ主演で撮影に入るはずが、クランクイン直前にピナが急逝したため、その伝承者たちの出演のみとなった。ピナは、映像で出演しているが・・・。 最近のハリウッド映画を観ていると3Dにする理由がよく分からないないが、この作品には唸らされた。3Dは、飛び出してくるというより奥行きが感じられる。それを上手に利用して、画面がレイアーに分かれている。前面、センター、奥とそれぞにダンサーが配され、観客は実際の生の舞台を観ているような錯覚を覚える。映画は、劇場と違ってアップで見られるので、踊り手が目の前で舞う、まるで特等席で鑑賞しているようだ。この映像表現で日本の能を観たくなった。 オープニングの「春の祭典」で心を鷲掴みにされ、圧倒される。これほどまでに音楽と肉体表現が調和するのかと驚愕させられる。その動きは、言葉が無いのに饒舌で、世界標準言語のようだ。 3D映像だと画面が暗くなるのが残念だが、斬新な映像表現と、そこで繰り広げられる圧巻のダンスシーンに脳みそが頭の中でクルクル回転し、心臓が体中を走り回り、血液が猛スピードで駆け巡るかのように大興奮した。 ピナがいない喪失感はある。ただピナの精神と魂は、教え子たちに伝承されている。 映画ならではの表現に溢れ、映画館でこそ観るべきの希有なドキュメンタリー。 ミュージカル映画としても超一級。栗4つ。 新宿バルト9 スクリーン5にて。
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