2005 03,06 23:12 |
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落語三昧の日々は、続く。自分でも、笑ってしまうくらい、落語にとりつかれている。今日は、大好きな金時師匠がトリ、張り切って出かけたのであった。鈴本は、大入り満員。
章吾 「たらちね」 前座は、章吾さん。この人、本当にお上手。前座とは思えない。章吾さんが前座だと、ものすごく得した気分。話の運びも滑らかだし、マイクなしでも通る声、「お嫁さんを紹介するよ」と大家に言われ、鼻の下をだらーんと伸ばすなど、とても表情豊か。すごい前座だ。 金兵衛 「初天神」 小金馬さんのお弟子さん。初めて観た。ちょっと舌足らずのところが気になる。今日の客は、落語を初心者も多いせいか、笑いもあったが、どちらかというと話のネタの面白さで笑っていた感じ。前座が、章吾だと、二つ目もうかうかしていられないぞ。 とし松 曲独楽 一番前で見ていると、くるくる回る独楽が自分のところに落ちてきて、自分に当たりはしないかと、結構スリルがある。 金八 「強情灸」 得意のヒロポンネタで元気溌剌の登場。まくらで、金時さんの芸術祭新人賞受賞した寄席に間違いが8つもあり、そのうち2つは致命的だと茶化していた。弟弟子だから、嫌味なく言えるのだろう。 話の後半のものすごい表情は、本当にものすごい灸をすえたようだった。あんな、表情、どうやって稽古するんだろう。 志ん輔 「相撲風景」 この人は、やっぱりすごい。すごすぎ。爆笑につぐ、爆笑、大爆笑。今日は、軽めのネタであったが、その表現力や表情は、本当に素晴らしく素敵。最近、ますますこの人の魅力に取りつかれていく。 我慢した小便を一升瓶に出すあたりの表情と仕草、その後、それを酒と間違えて飲もうとするあたりは、まるでそれを本当のことと思い、客が、「ああダメ」みたいに叫び出したりしていた。 世津子 手品 不思議なテンポの手品師。「ハンカチ飲めるんですよ、この口ですから」に最前列の親父が大爆笑、本気で睨みつけていたのが可笑しかった。 正雀 「大師の杵」 一朝さんの代演。この方は、良く言えば、正統派、真の落語の継承者だが、悪く言えば突拍子もない挑戦や冒険はしない。しかし、安心して観ていられる。 話の後、彦六の声でかっぽれを踊った。不思議な可笑しさがあった。 小金馬 「権助魚」 田舎者を演じさせると、とてもはまる。奥さんに1円もらって、旦那の浮気相手を探し出そうとする使用人が、旦那に2円もらって、寝返るのだが、その辺の葛藤のあたりが面白かった。ネタのタイトルが分からない。->かさんに教えていただいた 寝返った使用人が、旦那のアリバイつくりのために、船で採った魚として、北海道でとれるホッケやニシン、めざし、茹でたタコ、蒲鉾を買って行き、奥さんに嘘がばれてしまう話。だれか、タイトル教えて。 順子・ひろし 漫才 この間観た時と全く同じネタだったが、またしても爆笑してしまった。圧倒的なパワー、話術、間、動き、これぞエンターテイメントだ。正直、あと何十年もできるとは思えないので、未見の方は、この世界をぜひ生で観てほしい。 文楽 「時そば」 文朝の代演。文朝さんは、風邪をひいたと元気な声で電話があったそうだ。 実は、文楽師匠も生の高座は初めて。お茶の間でも、ペヤング・ソースやきそばのCMでお馴染みかと。 そばを食べるシーンでは、会場から大拍手だった。 ペペ桜井 ギター漫談 ちょっとダンディーだけど、かなり怪しい芸人。今日は、ピンクのジャケットじゃなかった。歌を歌いながらハーモニカを吹く、不思議な芸の持ち主。 一度、聞いたら、この怪しい魅力にうなされるはず。 扇橋 「ろくろ首」 こういうふざけた話を扇橋さんがやると本当に可笑しい。飄々とした語り口が、相変わらずたまらない。小三治さんが出ている時は、まくらの小三治ネタも面白いんだけどなあ。 喬太郎 「白日の約束」 ネタは、新作物。以前も聞いたことがあるが、タイトルが分からない。ホワイト・デーのお返しと浅野内匠頭の命日をあわせたドラマ。ネタは、同じだったが、まくらは違っていた。喬太郎は、古典も新作も上手い。とても芸達者だ。 紫文 三味線漫談 この人も不思議な個性を持っている。段々と観客を取り込んでいく様は、見事。片足かっぽれも良かった。 金時 「試し酒」 待ってました、我らが金時師匠。トリがお目当てだと、長い寄席も元気にがんばれるのだ。 この話は、落ちが大爆笑の中々良く出来たもの。大酒飲みの久蔵の表情と独白が可笑しい。酒を飲む表現が、実際に飲んでいないのに、観客から観ると本当に飲んでいるようだ。大拍手が起こるのも頷ける。金時さんは、表情がいいので、ぐいぐい引き込まれる。4杯目がさっらといってしまったが、もうすこしゆっくりじっくり、アドリブなんか入れながら聞けたらもっとよかったのになあ。 寄席は、いろんな人が次々に出てきて楽しいが、自分のお目当ての噺家さんは、もっともっと長い時間、聴きたいものだ。なんか、あっという間だったよー、金時師匠。 |
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