2005 03,14 23:41 |
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今回は、Kikiさん主催の二つの落語会「ノスケ(喬之助・三之助」と「おーい小太どん(小太郎・喬太郎)」の合同企画。僕は、昼のノスケと夜の小太どんの両方を鑑賞した。正直、ちょっと疲れたが、たまには、こうした企画も面白い。
場所は、原宿のアコスタディオ。音楽用の小ホールだが、それだけに音響がいい。ただ、落語を聴くという雰囲気ではないかなあ。 さて、気付いて見れば、喬太郎、小太郎、喬之助と「まるで、さん喬一門会」プラス1という感じ。そこを前座小みちでカバー? その前座の小みちさん、昼、夜、前座で登場。最初の「湯屋番」は、驚くほどの余裕で、堂々と演じていた。夜の会は、「寿限無」だった。 喬之助さんは、ここへ来る前の鈴本早朝寄席でさげを間違えたと苦やしがっていたが、それで吹っ切れたのか、飛ばす飛ばす。ネタ卸しの「三人無筆」のアドリブも爽快だった。スピード感あり、それでいて堂々としていてとてもよかった。もう一つは、「持参金」も楽しかった。これは、話を知らない観客にも容易に展開が察しできる。それは、あえて察しさせて笑いをとるのだが、これも、馬鹿馬鹿しくってすっとんきょうで多いに笑えた。喬之助さんは、人情ものより、こうした間抜けで粗忽な人物ものの方がいい。 昼の部トリは、三之助さん。ネタ卸しでここまで見せた「影清」ともう一つは、既に今年なって三回目の「初音の鼓」。三太夫の表情がどんどん良くなっている。欲を言えば、もっとアドリブがあっても良かったのでは。 しかしながら、最近の三之助の表情には、噺家としての揺ぎ無い自信が漲っている。注目。 夜の部小太どんのゲストは、レギュラーのようなゲスト喬太郎さん。昼の部にもゲスト出演し、季節ネタの「白日の約束」を。やはり、展開が分からなかった初めて聴いた時が一番可笑しいが、何度見てもあの喬太郎OLは、笑える。ネタ卸しは、「提灯屋」。この人は、古典も新作の両刀使い。どちらも鮮やかだ。この人ほど「両刀使い」という単語が似合う人もいない。もう一つは、「棄て犬」。まくらも長く、かなりに長講になった。この話、後半、犬と女性の掛け合いだけになるが、ワンという犬の鳴き声と表情、身振りで事故で死に犬として生まれ変わった元恋人を表現するところが流石だ。可笑しく、そして観客は、主人公の女性に憎悪を抱き、犬に同情していくが、突きつけられる落ちは、現実というものの理不尽さだ。しかし、この理不尽が、現実では日常茶飯事であり、日常茶飯事であるが故に理不尽は、必然になる。笑わせて笑わせて、落ちでどうしようもなく人間を切なくさせる井上ひさしの舞台のような話だった。 夜の部トリは、小太郎さん。一つ目の話は、「夢の酒」。旦那が見た夢の話にやきもちを焼くおかみさんの仕草が可笑しい。こういうおばさん、いる。しかし、こういう話、女性が聞いたらどんな感想なんだろう。もう一つの話は「花見の仇討ち」。ちょっと散漫な印象があったが、こちらが疲れていたせいかも。 |
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