2005 03,30 23:18 |
|
今日は、愛する金時師匠の落語会。このために、会社を休んでしまった。もう、本当に金時師匠を愛しちゃってます。何せ、17時半会場の18時開演。会社に行っていたら、絶対に間に合わないし、何かあったら抜け出せなくなってしまうもんなあ。
この会、金時師匠の独演会だが、弟子の前座両名と二つ目、ゲストもありで、ものすごく楽しめる。
時松 「たらちね」
彼もなかなかいいねえ。最近、堂々としてきたし、なんか余裕も感じられる。結構、客席をわかせていた。金時さんのお弟子さんは、いいねえ。
時助 「のめる」
5月から二つ目になる予定。本人もまくらで予定は未定、しくじったらなくなるなんてこともありますと、言って会場を笑わせていた。忙しいのかなあ、随分髪が伸びていたね。
このところ拝見する度、ネタが違う。レパートリーも増えてきた。
ちなみに、二つ目になると、金翔(きんしょう)さんに改名する。5月から、4つの寄席で披露口上と高座があるそうで、それにも出かけなければ。
金太 「崇徳院」
こちらも、来秋真打と、おめでたい続きだ。まくらで、みなが新しい名前を考えてくれたがろくなものがないと観客を笑わせていた。ちなみに、考えられたのは、金玉(きんぎょく)、誰がそう読むだー。金時師匠は、「お前は、実家が床屋だから 金バーバーがいいんじゃないか」と言ったそうだ。笑える。ちなみに、金也(きんや)さんになるそうで。
崇徳院は、この間、藤兵衛さんで聞いていたので、どうしても比べてしまった。あちらの方が、長尺で描写も細かかったから、ちょっと物足りない感じはしたが、短い時間にきちんとまとめるんだから、やはり噺家さんはすごいね。
金時 「寝床」
もう、笑ってしまった。どうして、こんなに可笑しいんだろう。もうダメ、面白い噺家は、もう出てくるだけで、笑ってしまう。袖から歩いてきて、座布団に座るだけで、もう可笑しい。
義太夫好きの大家の機嫌が変幻するさまは、大爆笑。表情の一つ一つが魅力的で、たまらない。大家と使いの掛け合いは、最高だった。まあ、ネタ卸の会だから、演者から見れば、いろいろあるとは思うが、こちらとしても次にこの話に出会えるのが楽しみだ。
元九郎 津軽三味線
初めて拝見した。面白い。はまった。三味線の演奏もすごいが、話芸も達者。しかし、津軽三味線って、プログレシッブ・ロックに通じるものがあるねえ。聞き惚れた。
金時 「心眼」
これは、大好きな話。景清とちょっと似ている。
話しが話しだけに、まくらもそこそこにネタに入った。多分、差別用語とかなんかで、おそらくテレビやラジオではかけられない話の一つだ。
しかし、これも人間というものを正面からとらえた傑作落語の一つだ。身勝手な人間のエゴをこれでもかと見せられるが、落ちは大変希望がある。
前半、笑いの無い人情話系の話では、静寂の中に、金時師匠に惹きこまれた。金時師匠は、人情話も本当に上手い。顔の筋肉の動きもこの話の重要なところ。よくも、まああんなに顔を動かさせるなあ。
後半、夢のシーンでは、一点楽しく弾む。ここでも、人間の嫌な面が出てくるが、それが誰にでもあることで、またあまりに人間らしいので胸が痛みもする。可笑しいのだけれど。
秀逸は、ラストのさげの台詞で、「めくらは、起きている時より、寝ている時がよく見える」に、しみじみとした感動を覚える。こうした話を聴いてから帰る道すがらは、本当に晴れ晴れとする。話を聴いていないと、何のことか分からないが、身勝手な人間の中に温かい優しさを垣間見る、本当によく出来た話である。
可笑しさの中にしみじみとした思いを持たせてくれた金時師匠は、やっぱりすごい。
|
|
コメント |
コメント投稿 |
|
trackback |
トラックバックURL |