2005 04,09 23:17 |
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相変わらずの美しい映像には、溜息がでる。前作「悪い男」のスピード感とヴァイオレンスと眩いばかりの都会のネオンの世界から一転、静かでゆったりとした世界が展開される。湖に浮かぶ印象的な寺院と舟は、「魚と寝る女」を思い起こす。 厳しいが美しい大自然の中、そしてさらに水で閉ざされた空間は、一層の孤立感を滲ませる。 映画は、春、夏、秋、冬とそれぞれの季節と時代の一人の主人公を4人の俳優で演じる。とりわけ少年時代を演じるソ・ジェギョンが光る。キムは、韓国の北野武と時々言われているが、どちらかと言えば、今村昌平かなと今回思った。毎回、毎回、動物の描写がそれを彷彿とさせる。 映画は、多分に宗教的色彩が強いが、西洋のキリスト教文化より、こちらの方が共感ができる。 舞台は、この寺と周辺の山河以外には出てこない。この閉ざされた空間の中で、一人の男の人生と輪廻が描かれる。主人公の中年期を監督自ら演じている。 坦々とした流れの中に、しみじみとした味わいがあり、心に残る一本である。栗4つ。 |
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