2005 04,26 19:06 |
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「サード・アルバム」「こわれもの」「トーマト」なども捨てがたいが、やはりイエスは「危機」。実は、イエスというバンドの存在も中身の音楽のことを知らず、ただ緑のジャケットのシンプルさに惹かれて、また「危機」というタイトルに惹かれてこのレコードを買った。家に帰って、開けて驚いた。LPレコードのA面に 1曲しか入っていない。アルバム1枚にたった3曲しか入っていない。おまけに、曲がクラッシクみたいに組曲になっている。こんなロックのアルバムは、初めて。そして、音楽を聴いてまたびっくり、安部公房のようなシュールな歌詞と恐ろしいほどの演奏テクニック。まるで音楽の洪水に溺れてしまいそうだった。
その後、「海洋地形学の物語」や「究極」など、これでもかの演奏技術の昇華はあったが、この「危機」ほど完璧な統合と調和を見せたアルバムはないと思う。プログレを聴いてみたい人に最初にお薦めしたいアルバムだ。これが気に入れば、素晴らしきプログレ世界があなたを待っている。おいで、おいで。
危機 Close to the Edge
イエス Yes
1.危機 : 着実な変革 / 全体保持/ 盛衰 / 人の四季
「盛衰」だけ転調するが、他は同じ主題の組曲。起承転結が素晴らしい。崇高なジョン・アンダーソンのヴォーカルにも痺れるが、とりわけイントロからうなりまくりのスティーブ・ハウのギターと「人の四季」の前のリック・ウェイクマンのキーボード・ソロには、今でも興奮する。Seasons will pass you by, I get up, I get downという繰り返されるシュールな歌詞も素敵だ。これこそ、イエスの頂点。恐らく、これだけのことをなし終えて、一番驚いているのは、本人たちだったりして。
2.同志 :人生の絆 / 失墜 / 牧師と教師 / 黙示
こちらも荘厳な組曲。「危機」とは変わって、アコースティックな雰囲気だが、しみじみとした味わいがある。
3.シベリアン・カートゥル
イントロのギターのカッコよさにいきなりトロける。曲中のリック・ウェイクマンのキーボード・ソロは、チェンバロみたいな音色で、ロック・クラッシック風だ。サビの体言の羅列は、イエスっぽい。
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